「あなたの人生、それでいいの?」
この時期になると思い出すエピソードがあります。
6年くらい前に、
物流会社でアルバイトの面接をした時の話…。
50代の男性で、
直近の30年間は、
アルバイトで生計を立てている。
面接をしていて、
すべての面で消極的。
極端に表現するなら、
自分で不採用の流れに持っていこうとしている。
面接の受け答えにおいては、
全てにおいて、
できない理由を並べようとする。
そもそも、面接を受ける時に、
マスクをしたまま。
(6年前だから、コロナの影響などなく、
マスクに対する認識が今とは違う。)
過去の面接では、
早い時は5分、
長くても10分で面接が打ち切られてきたようである。
しかも、本人が話をしている途中で、お帰りくださいと…。
そのようなことが繰り返されると、
ほとんどの人が勇気をくじかれてしまうだろう。
まじめな感じの人だったので、
私はなぜか、
「あなたの人生、それでいいの?」と、
思わず質問をしてみた。
「いえ、自分の力で生計を立てたいんです!」と言うので、
「で、本当はどうしたいの?」と聞くと、
(つけていたマスクをはずして、背筋を伸ばして)
「頑張りたいんです。」
「そうなんですね。」
「先ほどまでは、頑張りたいという気持ちで話をしていないように私は感じていましたが、はじめて自分の意思を示しましたね。」
「ところで、何で急に自分の意思を示したんですか?」
「いや~、自分にもわからないんです…。」
私は、信じている、
どんな人にもやる気があることを…。
情熱を持っていることを…。
そして、持続する情熱が自分の才能であることを…。
今回、
「あなたの人生、それでいいの?」という質問に対し、
質問を受けた側は、
「自分も人生を好きに描いていいんだ!」
「自分の可能性を信じていいんだ。」と思ったのかもしれない。
人は、「自分は信じられている!」と感じた時には、
無限の力を発揮すると、私は思っている。
だから、人を信じることは大切だと思うし、
人は、信じるに値する。
もし、信じるに値しない人がいるとしたら、
その人は猛烈に勇気がくじかれている人なんだと思う。
今は、きっと、
勇気づけが必要な時代なんだ。
そのようなことを感じた。
もちろんその方は、「採用」いたしました。
私の想像の上をいく働きをしていただきました。