科研費申請書を書くときに気をつけていること
さきほどうちの大学の科研費申請事情について記事を書きました。
記事をアップした後に、せっかくだし、私が科研費の申請書を書くときに気をつけていることについても書いてみようかと、ふと思いました。
私の場合なので、役に立つかどうか分かりませんが、というか、今年度はもう学内締切過ぎてるよって時期なのですが、書き方が分からない若手の先生のお役に立てればと思い、書いてみます。
分野はよく考える
これはいろんな先生に言われているかもしれませんが、今一度、申請する分野を考えてください。
選挙と一緒で、科研費にも激戦区というものが存在します。
正確に言うと、どの分野も採択率はだいたい同じなのですが、Natureなどの一流雑誌、高インパクトファクター雑誌などの業績をお持ちの先生方がたくさん出す分野があります。
自分の専門に比較的近いいくつかの分野で、採択された科研費を検索して、研究代表者名に注目してください。
大物が名を連ねている分野はありませんか?
そういう分野は避けましょう。
猛者が集まる分野に、わざわざ出す必要はありません。
自分の研究を客観的に見ると、案外、他の分野でも申請できたりします。
もちろん畑違いな分野に出しても採択されないので、よく自分の研究を見つめると良いと思います。
審査員のメンバーをチェック
申請する分野が決まったら、その分野の審査員の先生方をチェックします。
科研費の審査員は秘密ですが、数年経過すると、公表されますので、その情報を確認します。
なぜ、そんなことをするのか?
審査員の専門分野を把握することで、自分の申請書をどれくらい分野外の人が読むか知ることができるからです。
科研費の申請書は、自分と同じ専門分野であれば、一読で理解するのは難しくないでしょう。
しかし、実際は分野ドンピシャの審査員が読むわけではありません。
なので、専門外の審査委員にも分かりやすく申請書を書かねばなりません。
それで、どれくらい専門外の審査員が読むのかを把握しておくのです。
申請書に使う用語の一つ一つが審査員の先生に理解してもらえるかとか考えて書類を書きます。
1ページにつき1イラスト
審査員の先生方は忙しい業務の合間に、科研費の書類審査をします。
くっそー、忙しいのに明日までに審査しないといけない!明日から出張なのに、その準備もまだなんだよー!とか思いながら読むわけです。
そんなときに、文字ばっかりの申請書だったら読むのに疲れますよね。
なので、ポンチ絵だったり、ここぞというデータだったりを申請書に貼り付けます。
文章はポンチ絵やデータを説明しつつ、話を展開します。
逆に言うと、イラストだけ順番に眺めたら、だいたいなんとなくどんな研究か分かるような感じにします。
審査員の先生方も審査が楽ですよね?
しかし、あまりイラストを入れすぎると、文章が少なくなり、説明不足になるので要注意です。
ですので、1ページ1イラスト(小さいのなら2つまで)を目安に申請書を作っています。
だいたいこんなことに気をつけて科研費の申請書を書いています。
お役に立てれば幸いです。