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初の地元開催、いまだから言えること

いまだから言えること、

前日まで、いや、もはや当日のギリギリまで、
ちゃんと形にできるのかわからず、
今にも不安に押しつぶされそうな精神状態だった。

油断すると過呼吸のような状態になりそうだったので、
手を胸に当て深く深呼吸し、
「大丈夫、大丈夫」と自分で言い聞かせながら
乗り切っていた。

それくらい、
自分の責任で一つのイベントを
すべてコーディネートすることは、
覚悟がいるのだなと毎回痛感する。

なんといっても今回は地元での初めてのイベント。

島根で生まれ育った高校時代までの私から見たら、
このような生き方を選び、
このようなイベントをするなんて、
微塵も思っていなかった。

きっと、周りもそうだと思う。

だからこそ、地元でのイベントは
なんともいえない緊張感と、
絶対に成功させたいというプレッシャーを
勝手ながらに感じていた。

「akinaの手紙時間」は、常に 0→1。

テーマ、内容、場所、も
毎回総取っ替えでやっている。

だからこそ、

テーマを決めるまでにも、
テーマを決めてからも、

ひたすら学ぶしかない。

あらゆるものを見て回り、
たくさん本も読み、人に会い、
あらゆることを調べまくる。

ひたすら手と足と心と頭をフル回転。

そして、

アイデアが降りるまで待ち続ける忍耐力と、
刻一刻と迫るイベント開催日に立ち向かう精神力みたいなものが、

すこぶる鍛えられる。

特に今回は、
今までの倍以上の規模の会場と参加者の方の数。

「こんなに大きいイベントだと思っていなかった」といわれることも多かった、確実に今までで一番大きな手紙時間。

そんなイベントが生まれる背景を少し振り返ってみる。

イベントを開催しようと思ったのは、約一ヶ月前。

まずは地元にいる友だちに相談した。

会場だけは、心に決めていた場所があった。

国宝である松江城の敷地内にある「興雲閣」。

大正天皇が泊まった場所。そんな歴史と、明治浪漫の情緒あふれる雰囲気は、私が手掛けたい世界観にピッタリだった。

もし、「興雲閣」がダメだったら、
今回は縁がなかったということでイベントそのものを諦めよう。

と決めていたくらい、
ここで開催することにこだわっていた。

小学生の時、写生大会で描いた建物で
地元での最初のイベントをする、、

大きな背伸びをしている自覚もあったけれど、
最初から諦めると後悔するな。と思ったので、

一生懸命、企画書を作るところから始まった。

一番の悩みは、会場の広さ。今までに比べて、圧倒的に広い。

この空間をどうすればいいのか。

貴重な文化財であるため、
壁に作品を貼ったり、立てかけることもできない。

開催直前は、毎日興雲閣に行った。

でも、全然アイデアが浮かばない。どうしよう…このまま大失敗したら…。

そんなとき、ある言葉にたまたま出逢った。

「私にも時間があって、相手にも時間がある。平等に流れる時間のなかで、私のことを考えてくれる人たちがいるからには、自分のパフォーマンスを、ちゃんと整えて臨むべきだって気づいたんです。」

時間は、命そのもの。

その時間をいただくのだから、
できる限りを尽くして挑まなければ…。

ある意味それがさらなるプレッシャーにもなったけれど、
それと同時に大きな原動力にもなった。

私はこの準備期間を通して、

地元の「景色」にたくさん触れた。

当時は気づかなかったけれど、
こんなに素敵な原風景を心に持てたことを、
この街で生まれ育ったことを、
心から誇りに思った。

その美しさを詰め込みたいなと、強く決めた。

そして、

大切な時間をつかって足を運んでくださる方が、
「来てよかった」と思えるイベントに必ずしようと。



そして、

ついに、当日を迎えた。

かなり緊張していたけれど、

懐かしい顔ぶれや、
あたたかい「はじめまして」に
囲まれながら時間を過ごしていくうちに、

すごく心がほぐれていった。

本当に楽しかった。

当日取材いただいた様子はこちらからもご覧いただけます▼

最後に皆さんに書いていただいた
アンケートを読み返していると、

同じ気持ちで楽しんでくださっていたことが
伝わってきてすごくほっとした。

「五感で愉しむ手紙時間」を支える
地元の和菓子や、和紙も、
たくさんのものを見て、試して、
心を込めて一つずつセレクトした。

絵本も何冊も読み、
質問カードの内容や紙言葉も
やまほど悩んで厳選した。

世界観、コンセプト、会場、音楽、展示…

こだわってつくりこんだすべてがちゃんと機能して、
誰かの心に届いていたことがわかって、

ものすごく感激した。

ただ手紙を書くだけじゃない、手紙時間。

これからも
誰かの心を動かせるイベントであれるように、

全力で進化を遂げていきます。

いつか世界中であたたかい時間を紡げますように。
そして、いつかあなたの街でも開催できますように。

2024年、夏。

最高の時間だったな。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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