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トラネコ図書館「常設展示室」を読んで泣きすぎた朝
しばらく、時代小説ばかりを読んでいました。
イギリスにいると、肩に力の入らない読み物が心地よくて、特にベッドの中で読むには最適だったので、あれこれ読んで楽しんでいたんです。
久しぶりに、原田マハさんが読みたいなとKindle Unlimitedを探していたら、まだ読んだことのない本が見つかりました。それがこちらです。
「常設展示場」
原田マハ
新潮文庫
あらすじ;
足を運べばいつでも会える常設展は、今日もあなたを待っている。
ピカソ、フェルメール、ラファエロ、ゴッホ、マティス、東山魁夷……実在する6枚の絵画が物語を彩る、極上のアート短編小説集。女優・上白石萌音さんによる、文庫解説を収録。
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こちらは短編集です。原田マハさんがキュレーターをされていたということで(今もされているのでしょうか?)その経験ならではという短編が詰まっています。原田さんはMOMA(ニューヨーク近代美術館)にも勤務されていたということで、なんだかいろいろ納得しながら読んでおりました。
淡々と読み進んでいたので、最後の一編「道」を朝のカフェで何の気なしに読み始めました。そこまでは誰もが知る画家が中心の物語だったのに、そのお話に出てきたのは無名の画家。読み始めて、しばらくして、あ、これはやばいかも、と何度も涙を引っ込める私でしたが、最終的には涙腺が決壊し、嗚咽を抑えるのに必死でした。読後の強い余韻を久しぶりに味わいました。
実はこの後、もう一冊、原田マハさんの本を読み始めて、別のカフェでまた泣いたという。カフェの人はきっとトラオさんと喧嘩していると思っているかも知れない!
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絵画鑑賞に興味を持ったのは、20代の頃。就職して、一つ年上の先輩と食事に行ったりお出かけしたりしていたのですが、その先輩が美術館が好きだったのです。それで、連れ出されるようになっているうちに好きになりました。その頃、東京で第1回MOMA展があって、そこにも誘われて行きました。すごい人だかりで、特にゴッホの前がすごかったのを覚えています。私はこの時、ゴーギャンの絵にとても感銘を受けました。それから、もしかしてクリムトと出会ったのもここかもしれないのですが、その後、縁あってMOMAから歩いて15分のアパートに住んでいたときにMOMAにしょっちゅう行っていたのでその時だったのか、ちょっと定かではありません。クリムトの「公園」という絵がとても好きです。
少しおかしな話ですが、絵を見ているのも好きだったけれど、何より美術館の雰囲気が好きで、建物が好きだったんですよね。中でも大好きな場所として声高らかに叫びたいのが、「クレマチスの丘」ですが、そのうちのヴァンジ庭園美術館の方は今お休みされています。
ビュッフェ美術館の吹き抜けのある場所がとても好きです。