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本棚より「門」の間取りを描くことができる
学生時代、夏目漱石を学んでいた。
最初の題材が「門」
「門」
夏目漱石
新潮文庫
略奪婚の先に幸せはあるのか――。
たまたま知った、親友のその後。果して宗助は、彼と会うのか避けるのか。
『三四郎』『それから』より続く、漱石前期三部作最終章。
親友の安井を裏切り、その妻であった御米(およね)と結ばれた宗助は、その負い目から、父の遺産相続を叔父の意にまかせ、今また、叔父の死により、弟・小六の学費を打ち切られても積極的解決に乗り出すこともなく、社会の罪人として諦めのなかに暮らしている。そんな彼が、思いがけず耳にした安井の消息に心を乱し、救いを求めて禅寺の門をくぐるのだが。
(アマゾンより)
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夏目漱石の小説の中ではあまり有名ではないほうかなと思う。長い小説ではないから、おすすめしたい一冊。夏目漱石のような文豪と呼ばれる作家の文章には、やはり魔力のようなものが存在すると思う。緻密だ。
その授業の課題に私は夢中になった。それは、
この本を読んで、
主人公の住む家の間取りを作る
というもの。
そんなことできるの?と思うでしょ?
本当に「できる」し、
必ず完成します!
なぜなら、このすっとぼけた私が完成させたから。みなさん、ちょろい、と思うけど、一応、コツを伝授してみます!
①家や部屋に関する記述をすべてマークしていく
②マークしたものを大まかに分類する。
③最後は実際に描いてみて調整。
(頭の中で想像することも大切)
この間取りを作るとどんないいことがあるかといえば、物語がありありといきいきと動き出し、そして、漱石のすごさを感じてしまう。
でも一番は、すごく楽しいということ。
だってちゃんと間取りになるんだもん。
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ちょっと自慢になるけど、この間取り、実はクラスで完成させたのは私だけだった。ポイントは本気!(笑) と、しつこさ!
私は宿題はやらなくてはならないと思っていたので、完成させなくてはならないと思い込んでいたから、夜を徹してこれを作り上げた。若さゆえできたこと。そして、パズルが好きだったんだなと思う。
壮大なクイズだと思ってやったら、楽しくてしかたないはず。
答えを載せたいんだけど、もう捨てちゃったの。でも私の手元には、マークがいっぱい入った「門」が残っている。読みにくくて仕方ないけど、手放せない一冊。
連休、やることなくて退屈な方がいたら、おすすめします♪
私の「門」は角川文庫