【まちづくり】社会をつくるのは私。例えば玄関。例えば尾道。
今日は、まちあるきをしていて発見した、ステキなおうちをご紹介します。
「まちなみ」っていうことばがあります。まちなみとは、そのエリアにある建物を持つ人それぞれが創り出す道路沿いの顔・玄関先の集合体です。
まちなみを見ると、まちの雰囲気を感じますよね。
まちなみといえば、私の記憶に強く残っているのが、広島県尾道市です。
細い坂道や階段に沿うように家が建ち並び、少し古くなっていても手入れされている家、リノベーションがされておしゃれになっている家、住む人がいなくて放置された家、その隙間をぬうようにゆっくりと歩く猫。
道幅が狭いのと、車両も入れないので、取り壊すことも建設することも難しい立地だと思います。一度取り壊すと、接道要件を満たさないので再建築できないかもしれません。
そのためか、尾道のまちは全体的に家は古めで、突飛な新築住宅がないので、まちなみとしてのトータル感があります。
普通の「観光地」は、写真を撮って帰るまち。普通の「観光地」は一度行けば満足しますが、尾道は「もう一度歩きたくなる」まちだと感じました。
初めて訪れた際の夕食、地元のお店に入って、20代から30代の店員さんに、
「猫がとっても穏やかですね」と話しかけると、
「猫はまちの人を映すと言います。尾道の人は穏やかですからね。」とにこにこ。
な、な、なんとーーーー!です。まちの人を映す、そうかもしれません。
店員さんの言葉もやさしく、穏やか。受け入れ、受け止めてくれる感じの笑顔付き。
尾道から地元に帰ってきたら、猫たちはこちらをものすごく警戒してにらんでるような気がするじゃあーりませんか。
猫はさておき、まちなみはそこに住む人の家々の玄関先で構成される空間で、家の持ち主が、社会という公共空間に対してどう考えているかを映していると思うのです。
例えば、監視カメラがこちらを見ていたりすると、このへんは治安が悪いのかしらと少し怖くなるのは私だけでしょうか。
例えばごみステーションのごみの捨て方とかも。
まちあるきをしていて、キレイに掃かれた玄関先に、黒板に描かれた「ちょっといっぷくしてください。」の文字が。その下に、丸太のベンチとかわいい花が咲く植木鉢があるのを見つけました。
きっとこの家の方は、まちという公共空間に対する意識が高く、パブリック精神にたけた、紳士か淑女なのだと思います。
スーパーやコンビニでお金を払うときの「ありがとう」や、バスやタクシーを降りるときの「ありがとう」も、人と人の空間を柔らかく、相手を喜ばせるというよりも、相手を安心させる言葉だと思います。
公共空間をつくっているのは自分。
まちの雰囲気をつくっているのは自分。
私も来週末には、玄関先の掃き掃除しま~す!
↓玄関先の集合体を見て歩く「まちあるき」は、こちら。