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ロマンシェ/原田マハ
恥ずかしながら、原田マハさんの作品と出会ったのはここ数か月のことである。
たまたま図書館で本を適当に探していた時に表紙の絵にひかれて借りたらそのままハマった。
今回はロマンシェを読了。読み終わった後の正直な感想。ミシェル、ハルさんを抱きしめたい!というか登場人物全員抱きしめたい。何でみんなこんなに愛くるしいのか!!美智之輔の軽快な語り口調にテンポよく展開されるストーリー、風を感じそうなほど勢いのあるこの小説に影響され、思わずあー!好きと叫びたくなりながら読み終えた。
小説の中で出てくるリトグラフ工房idemが実際にパリにあるとのこと。死ぬまでに行きたい場所リストに速攻で追加。文章だけでも魅力が伝わり、idemの雰囲気を味わいたい。空気を吸いたい。
しかもこの作品の出版と合わせて東京ステーションギャラリーでidemのリトグラフの展示があったとのこと。もっと早く出会いたかったと過去の自分を悔やむ。
そして、文庫本の特別寄稿で原田マハさんがこの企画をプレゼンしに来た時のことを「殴り込みに来た」と表現されていたが、この小説本編を読んだ後だと何だか想像できてしまう。
面白くて、軽快な小説と思いきや時々ほろりとなったり。自分の感情も美智之輔やハルさんと一緒にアップダウンしてしまう。何より、自分を自分で認めること。他人にこう見られたい、認めてもらいたいという願望から自分を見失いそうになる時にまた読んで笑って泣きたい。そんな小説でした。