(八十二)芭蕉の句を本歌取りする
和歌の世界では、本歌取りして和歌・狂歌を作るという事が古代から行われてきた。そこで、今回は芭蕉やその弟子の句を「本句取り」して俳句を作ってみた。ご鑑賞あれ。
・五月雨や眺めて涼し最上川
本歌: 五月雨を集めて早し最上川
・古池や蛙鳴くなる蓮の上
本歌:古池や蛙飛び込む水の音
・やがて死ぬ気色(けしき)は見せず蟬の声
本歌:やがて散る気配も見せず花椿
・ 床の間やガラス障子に夕日入り
本歌:水仙や白き障子のとも移り
・死に際に思い残しが駆け巡る
本歌:旅に病んで夢は枯野を駆け巡る
・明月や腹にしみ入る燗の酒
本歌:しずかさや岩にしみ入る蝉の声
・バブル経済崩壊後
倒産はハイエナ共の爪の跡
本歌:夏草や兵者共が夢の跡
・立ち飲み屋ここにも一人酒の客
本歌:岩鼻やここにも一人月の客(去来の代表作)