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コロナの重症化・死亡率が1/8に!?【鼻うがい】の効果について。
私の愛用するニールメッド・サイナスリンス(鼻うがい)関連で良いニュースを見つけました。
表題に書いた通りですが『【鼻うがい】でコロナ陽性者の重症化・死亡率が1/8に!』というものです。スゴイ!
これが本当なら『みんな鼻うがいしてコロナ終了!』で良くない?とか思ったりしますが。
実際のところどうなのか。
記事と論文の抜粋から見ていきたいと思います。
部分抜粋とはいえ長いので引用部は適当に飛ばしながら読んで下さい。
なお、結論を先に書くと『イソジンと重曹が有効なのは良かったとして、生理食塩水のみでの効果も知りたい。』という感じです。
◆該当記事
PR TIMES に載っていた[2022.01.19]の記事です。
鼻うがいが新型コロナに対して定量的に効果があると示されたものは、日本語のものでは初めて見たかもしれません。以下です。
上記の要点のみ以下に抜粋します。
鼻から吸い込まれる空気にはウィルスや細菌、花粉などの異物がたくさん。その約7割が上咽頭から体内に取り込まれると言われている。PCR検査で細胞をこすり取られる鼻の奥の部分が上咽頭である。上咽頭にウィルスが付着している状態が陽性であり、PCR検査で陽性になったとしても感染しているとは限らない。陽性確認後に「鼻うがい」をすることで重症化・死亡率が1/8になること、つまりコロナ感染症の感染リスクも抑えられるということが米国オーガスタ大学の研究で明らかになった。
[2022.03.03]
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000055446.html
これだけでは判断できません。
次に論文を見ていきます。
◆論文(COVID +外来患者の罹患率と死亡率を減らすための生理食塩水洗浄の迅速な開始:全国データセットと比較したランダム化臨床試験)
記事中で示された論文の要所を自動翻訳し内容を見ていきます。
なお、ソースは以下です。興味のある方はすべて見ていただいても良いかと思います。
全体は長いので、概要のみ以下にまとめます。
(文字の強調表示は私が行ったものです。)
COVID +外来患者の罹患率と死亡率を減らすための生理食塩水洗浄の迅速な開始:全国データセットと比較したランダム化臨床試験
概要
重要性
SARS-CoV-2 は鼻咽頭に侵入して増殖する。診断後すぐに鼻腔洗浄によるメカニカルデブライドを行えば、罹患率と死亡率を低下させることができる。
目的
COVID-19診断後に鼻腔洗浄を開始することで入院および死亡が減少するかどうか、また洗浄液の組成が重症度に影響するかどうかを明らかにすること。
デザイン
CDC COVID-19症例サーベイランスデータセットの検査室確定症例を用いた前向き症例コホートにネストした、SARS-CoV-2のPCR陽性外来患者に対する2つの鼻腔洗浄プロトコルの非盲検無作為化臨床試験。
設定 ジョージア州オーガスタの救急部(ED)に関連する単一検査施設のコミュニティ検査施設。
参加者
55歳以上の外来患者の連続サンプルを、2020年9月24日から12月21日の間に、毎日のCOVID-19+ラボレポートから連絡された。同日灌流開始に同意する補助酸素の使用または認知障害のない患者を遠隔操作で同意した。スクリーニングされた826名のうち、321名が連絡不能、132名が不適格、294名が参加拒否となり、79名が登録された。
介入
参加者は、等張鼻腔洗浄液240mlにポビドンヨード10%2.5mLまたは炭酸水素ナトリウム2.5mLを1日2回、14日間ランダムに添加するよう割り付けられた。
主要アウトカムおよび測定法
主要アウトカムは、登録から28日以内のCOVID-19による入院または死亡で、電話および病院記録で確認した毎日の自己報告により、同時期のCDC Surveillance Datasetと比較された。副次的アウトカムは、灌流液の添加物による症状の解消を比較した。
結果
79名の参加者が登録された(平均[SD]年齢:64[8]歳、女性36[46%]、非ヒスパニック系白人71%)。intention-to-treatで解析したところ、28日目までにCOVID-19症状により、アルカリ性灌流群で1/42、ポビドンヨード群で0/37、(1.27%)の入院があったが死亡はなかった。約300万人のCDC症例のうち、9.14%が入院と判明しており、入院データのない症例ではさらに1.5%の死亡率があった。入院または死亡の合計リスク(10.6%)は、登録患者の8.4倍であった(SE=2.74;P=0.006)。62名が毎日の調査を完了し(78%)、平均して1.8回/日の潅水を行った。11人が潅水に対する不満を持ち、4人が潅水を中止した。添加物による有意差は認められなかった。
[2022.03.03](自動翻訳)
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.08.16.21262044v2
◆用いられた洗浄液について
いくつか気になるところはあるのですが、重要なのは『等張鼻腔洗浄液240mlにポビドンヨード10%2.5mLまたは炭酸水素ナトリウム2.5mLを1日2回、14日間』という部分。
等張鼻腔洗浄液というのは生理食塩水ということで良いかと思います。
しかし、それをベースにポビドンヨード(イソジン)か炭酸水素ナトリウム(重曹)を使用しているということ。
容量なども考えるとこれは通常の鼻うがい用の洗浄液ではありません。
ニールメッド・サイナスリンス公式の洗浄剤には重曹が含まれていますが、その割合はおそらく以下です。
・塩:96%
・重曹:4%
ボトル240mlあたり、約2.3gの洗浄剤として重曹は約0.1gです。
容積をシンプルに重量換算するとして、論文と同等の容量では25倍の重曹が必要となります。合っているのだろうか。不安だ。
◆まとめ
PR TIMES の記事ではこんな画像で『ニールメッド・サイナスリンス』が使われています。
![](https://assets.st-note.com/img/1646298139387-nJZCq0hen5.jpg)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000055446.html
しかし、よく読んでみると実際に使われた洗浄液はサイナスリンスのみではなさそうという感じでした。残念。
私は総合して考えて鼻うがいに効果があるとは思っていますが、論文自体はあまり良い内容とは思えません。(査読未のものですが。)
参加者の数が少なかったり重症化率の算定基準(比較対象の時期や年齢層など)が曖昧だったり、素人の私が見ても気になる部分があります。
もうちょっと良い論文で効果を示して欲しいところです。
というか、そもそも生理食塩水のみの実験もやって欲しかった。
誰か、やってくれ。
◆おわりに
とはいえ、論文の条件であればサンプル数が少ないとはいえ効果はでています。
アルカリ化によるウイルスの不活化というのは以前から結構見ていたので、『1%濃度の重曹水で鼻うがい』は実際に効果が高いのかもしれません。
(生理食塩水のみでも効果はあると思っていますが。)
予防のためにやるなら生理食塩水、感染するか体調が怪しい場合は重曹を1%にブーストさせるのもありだろうか。
とりあえず、重曹水の安全性を確認したうえで、徐々に濃度上げたり実験してみようと思いまーす。
鼻うがい、まったくやったことない人は以下の記事をどうぞ!