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檸檬読書記録 『ラブカは静かに弓を持つ』

前回に引き続き『ラブカは静かに弓を持つ』について。


この本はスパイの話だ。
ただスパイといっても、アニメにもなった『SPY×FAMILY』のような情報局員ではない。
音楽教室に潜入し、著作権や演奏権を侵害してる証拠をつかむといったものだ。

タイトルの通り全体的に静かな作品だけど、たまにポンと波立つ。
主人公は少年時代の事件のせいで深海の悪夢に悩まされているのだが、その夢のように暗い海の底のような息苦しさがたまに顔を出す。
とはいえ、不愉快なものではない。反対に抜け出したくて、どういうゴールが待っているのか知りたくて、早く早くと先が読みたくなる。

タイトルにある「ラブカ」とはなんぞ?と最初に見た時思った。けれど当たり前ながら、ちゃんと小説の中で説明されていた。
ラブカは深海魚で、表紙にも出てる魚だ。
驚くべきことに、ラブカは妊娠期間が3年半にも及ぶ慎重な魚らしい。だからスパイの隠語になってるとか。見た瞬間だからか!と1人で勝手に盛り上がってしまった。

物語の中では、主人公はチェロを演奏する。
チェロ。ピアノでもギターでもバイオリンでも、何かを奏でられるというだけでかっこいいのに、チェロ!あんな大きな楽器を自由自在に操れるなんてかっこいい。
自分は楽器全般全敗だったから、強い憧れを感じてしまう。そもそも悲しいかな、音痴だから歌も終わっている。
その上面白くない音痴なのだ。上手くないのは勿論のこと、ド下手というほどの下手さもない。微妙なのだ。なんかちょっとズレてる?というなんともコメントしずらい下手さ…。
だからこそ憧れてしまう。楽器も歌も。
特に和楽器なんかが習得出来たらいいなと思う。
琴や三味線、琵琶、どれも音色が良くて、体の中に響く感じが良い。

そう、三味線といえば、三味線の胴部分は猫、しかも子猫の腹部の皮を使っているのと聞き、ビックリした記憶がある。
とはいえ勿論全てではないし、今はあまりないらしいけど。作るとしても輸入されたものだとか。
なんでも皮だと音色が全然違うのらしい。1度聞いてみたことがあるが、確かに少し違うような?うーむ、音痴には判断が難しい。
それよりも猫というのも凄いが、それを使おうと思ったのも凄い。
でも今だからこそ驚きになるけど、昔は狐や狸、兎なんかが毛皮で使われていたくらいだったから、当たり前だったのかもしれない。

だいぶ余談がすぎたが、
この本を読むと、向いてないと分かりつつ何か楽器を習いたいと思わされてしまう。それほど魅力的に映る。
故にいつか挑戦したいなと夢見つつ、今回は閉じようと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
ではでは。


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