和菓子のアン 坂木 司:読書感想文
個人的な感想
今回読んだ作品は私に仕事について色々考えさせてくれるものでした。
働きはじめの緊張感や接客で良くも悪くも色んなお客さんに当たること、
少しづつする新しい経験、働くにつれて出てくる向学心などなど。
自分が体験してきたものばかり。
その節々には自分が過去に嫌な思いをして傷ついたことを思い出したりして読むのをやめようと思ったことが何度かあったのですが、なんとなく先が気になって読み進めてきました。
すると働き続けて得られる喜びなんかも出てきて、そうだったなぁと思い出しました。
話の内容も面白いけれど、今の私に仕事はできそうかという指標を図るような一冊に個人的にはなりました。
困ったお客さんが来ると、私は怖くなってテンパってしまう。そんな私には接客系の仕事はもう難しいかもしれないけれど、やっぱり働きたいかも。
そんな気持ちに最終的にはなれました。
ただもう少しカウンセリングがいるな。
でも、忘れていた褒められたことも成功したことも思い出せて、とてもありがたい本になりました。良い仕事のイメージを取り戻せてきた気がします。
高校卒業後、デパ地下の和菓子屋さんで働き始めたアンちゃん
周りの同級生の暮らしも気になりつつ、和菓子屋さんでアルバイトを始めたアンちゃん。
一見普通、でも裏の顔が個性的な仲間たちに囲まれて、不思議な注文をしていくお客さんにその都度首をかしげ、仲間たちとともに和菓子の知識を1から学んでいきます。
それはまるで謎解き。
謎が解けた時、その意味がわかったとき、お客さんのいろんな思いにアンちゃんは心動かされていきます。
デパートって面白い。そう思える1冊です。
季節やお中元、お盆などのイベント、時間帯によって変わるお客さんの流れなど、デパートで働く臨場感が家にいながら味わえます。
和菓子の勉強をしようと誓うアンちゃん
向学心が芽生えてきたアンちゃんは和菓子についてどんどん学んでいきます。
もう私のみみっちい知識なんて太刀打ちできません笑
文章を読んでも何書いてるかわかりません笑
その学びたくなるくらいの気持ちになれる仕事になったことがすごい羨ましいなぁって思いました。
私もそこまで続く仕事をもう一度してみたい、そう思いました。
食品ロスに、恋まで題材に扱う幅広さ
食品ロスという食料品店の課題をわかりやすく描いていた。
華やかなデパ地下だけど、色々な戦力や苦労があるのだと考えさせられる。
そして季節はクリスマスを迎える。
恋をしている人はみんな綺麗だ。そんな文がある。
そんな人々を描いてるのを見て、私ももう一度恋がしてみたいなと思ったりするのでした。
まだ私にも恋の神様は微笑むだろうか。
多くの良いものが詰まった作品
ミステリーに最初苦戦した私も読み進めれば良いものをたくさんもらった気がします。
ここには書ききれない人間ドラマや人々の思いをみなさんにも読んでほしいなと思っています。
坂木司さんはお仕事系ミステリーの本がお得意なようです。他の本も読んでみようと思いました。
読んだらまたご紹介しますね。
和菓子のアンの続編も出ているので、またいつか感想文もお楽しみに。
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