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「ひらやすみ」って漫画について語りたい

はい、どうも。皆さん普段、漫画読みますか?
私はよく読みます。最近は物が増えちゃうのもあってあまり買わないようにしていたんですが、これは買わねばって作品に出会ってしまったので、今回はその作品…
真造圭伍先生の

「ひらやすみ」

についてお話していこうと思います。

このリンクから最初の三話くらい無料で読めるので是非!!!

表紙はこんな感じです。

まず、この漫画はスピリッツ(有名どころだとアオアシとか忘却のサチコとか)で連載されている作品でして、元役者志望で現在フリーターの29歳の生田ヒロトという青年(画像左)と山形から美大に行くために上京してきた漫画家を夢見る18歳の小林なつみという少女(画像右)が東京の阿佐ヶ谷の街にある平屋で一緒に生活していく…って感じの作品です。

そもそも、フリーターが阿佐ヶ谷に平屋なんてどうやって建てたんだなんて疑問もあると思います。というのも、この主人公は人柄がとてもいい。こんな人、現実には到底いるはずもないんだろうなと思うくらいにはよくできた人間です。
そんな彼と一人のおばあさんが毎週月木に一緒に食事するという前提からこの物語は始まるわけです。このおばあさんはすぐに亡くなってしまい、遺言状に家を譲ると記されていたために平屋で生活することができるといった感じです。

この作品は何と言っても登場人物とそこで展開される話にとても感情を揺さぶられるんだよね。登場人物のほとんどがなにかしらの苦悩を抱えていて、上手くいかないことも沢山あるんだけどそれでも笑ったり、泣いたり誰かのために優しくなれる。人のつながりって色々と支えになってるんだなってそう実感させてくれる作品だなって。

(引用元 ひらやすみ 三巻 126~127ページ)

例えばこのシーン、先ほどお話ししたおばあさんとヒロトの会話(の回想)なのですが。このおばあさん、自分の伝えたいことを言わずにそのまま飲み込んでしまう場面がよく見られるんですよ。素直になれないって感じです。

(引用 ひらやすみ 三巻 132~133ページ)

それでも彼はバイクで家まで乗せていくのですが、その後にしっかりと素直に気持ちを伝えられており、心境の変化を感じることができる。これがとても好きで、このシーン以外にも自分自身が切羽詰まっていて友達の幸せをうまく喜ぶことができずに距離ができてしまったり、他人が自分と比べて自由でそれがうらやましくて強く当たってしまうとか…
誰にだってあると思うんですよね。
それでも最後にはもっと仲良くなっちゃう。そんな関係性って当たり前のものじゃないんだなって感じることができます。

この漫画のキャラだって人生の全てがうまくいってきたわけじゃ当然なくて、ヒロトは色々あって役者の道をあきらめて、なつみは漫画家になるために賞に応募して落選したり他にも、自分の仕事に時間を割いてばかりで仕事以外がなおざりになっている人、今の仕事がいやで自殺も考えるくらいに追い込まれている人…
みんな不完全だからそこに物語ができて一つのストーリーになっていくってのがとても好きなんです。

作中でも意味のないことばっかして何になるんだっていう問いに、全部に意味がなくちゃいけないのかと返すシーンがあるのですが、このセリフがとても自分には刺さって、私が今好きで、オモコロのライターになりたいっていう叶えたい夢があってやっているこの活動も必ずしも意味がなくちゃいけないなんてことはないんだなって思わせてくれたことがとてもうれしかった。
そもそも、そんなに使命感でやっていたわけではないのだが。
実際、焦りを感じることもあったわけで。だからこそ、この作品の空気全体が読んでいて自然と涙があふれ出てくるほどに暖かくて優しい気持ちになれたんだと感じた。

だからみんなこの作品は絶対に読むべきです!!!!!!
最新のとこまで読むと絶対に登場人物に愛着がわいてくるから!!!!!!!!



しかもこの作者さんの書く女の子のキャラクターめちゃくちゃかわいいんだよね~。
これは私の好みの問題もあるのかもしれないけども。

この作者のツイートにある画像の一枚目右下の女性なんですが、名前を立花よもぎといいます。
彼女は不動産会社勤務の33歳でタワーマンションに住んでいるんですが、とても仕事熱心でなんでも頑張りすぎちゃうような人なんですよ。
でも、それでいて家とかの自分のスペースだったり仕事外の自分の時間があるとズボラになる。このギャップがとてもいい。
仕事人間なこともあってフリーターでバイト以外の時間で暇を持て余しているヒロトとはよくトラブルになることもあるのですが、それなりにヒロトの影響を受けていて、この作品においてなつみと並んでとても人間感あるキャラだな~って思ってます。
嫉妬もするし悲しみもする、怒ったりもすれば悩みもするし笑ったりもするそんなキャラクターです。

ここまで話したことを大まかにまとめると…

普段の生活や頑張ることに疲れた人に読んでほしいなって思います!


綺麗ごとばかりではなくて現実を見なきゃいけない時もあるけど、この
「ひらやすみ」を読んだら肩の荷が少し降りた気がして、切り替えてまた頑張れそうだって思うことができるそんな魔法みたいな作品でした。

ではでは、皆さんも読んでみてください~。

追記
ピースの又吉さんが「ひらやすみ」についてお話している動画を拝見しました。

私が言葉に表せなかったことを言ってくれていてとても共感しました。
確かに、この作品って悪い人っていうのがいなくて。人のやさしさを実感できるマンガなんだって。
少なからず自分の中にヒロトみたいにありたいとかそういうところがあってこの作品が好きなんだなって感じました。
現実だと、こんなに裏表のない人間ばかりではないだろうけども、自分だけはこんな人間でありたいなって感じます。


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