微温湯
いつもそう
己を慰める行為に
溺れてゆき
微温湯の心地良さに
腑抜けになってしまう
気付けば
冷めきった水に
体温まで奪われてしまうのに
あのことばこそが
チョコレイト・リリィ
だったと
今更気付く
そんなこともわからぬ程に
我は溺れていたのかと
自嘲するのみ
しかし
それも良いではないか
所詮
皆
己の手しか使えぬ
そんな自慰行為の繰り返し
後に
心が凍えようとも
ひとときの温もりを欲するも
道理
故に
フリージアは花ではなく
チョコレイト・リリィは刻なのだ
知ってたこと
わかってたこと
さみしいこと
黒い花を棄て
吾は凍えることとしよう