往復書簡#5 古墳で考える「私と権力」
まえがき
元気ですかー!先日、エッジの校舎の賃貸契約を更新し、あぁもうあの甘酸っぱい設立準備期から4年も経ったのかぁ、と秋の夕暮れにしばし佇んでみました。4年前になくて今あるもの…「令和」「バイデン大統領」「岸田首相」「チャールズ国王」「なにわ男子」…4年あれば色々変わる、元気があれば何でもできる!1・2・3・4・5年目、ダーー!!
なおちゃん to うっぢゅ
うっぢゅ様
さらっとした風が吹いて、秋らしくなってきましたね。私は湿度に弱いので、この季節がくるとほっとします。
さて、今年度「自由への教養」では歴史・日本史に取り組んでいて、今ようやく古墳時代までたどり着いたところですが、先日矢萩さんからもらったお題と子ども達の回答が面白かったね。
お題:「もしあなたがこの時代の権力者で、古墳をつくるとしたらどんなものにしますか?」
回答:「森の中の人目につきにくいところに作る。高さは3mくらい。後の人が自分のより高いのを建てても構わない」「石で作った70~80㎝四方のプレートタイプ。あまり大きくすると他の人のスペースがなくなるから、小さめでいい」「自分の墓って分かるようにネコ型にしたい」「大きすぎると邪魔になりそうだから今のお墓と同じくらいのサイズ。石のブロックを積み重ねて作る」などなど…。
「あなたがこの時代の権力者で」という前提があっても、今の自分から離れないみんなの回答…。面白いなぁと興味深く見ていました。
というわけで今回はわたしも考えてみようかと!
いやぁ、自分から離れるって難しいですねー。権力者だから、「大きい!」「高い!」「豪華!」等の要素があるとそれっぽいんちゃうかな⁉とかよぎったんですが、「いや…どれも要らんな…」となり、最終的には「後世の人に気付かれないのがいい」に至りました。仮定とはいえ、「権力」と「自分」との距離はだいぶ離れているようです。
「○○時代の△△だったら◇◇する!」うっぢゅも考えてみてください。
うっぢゅ to なおちゃん
なおちゃん様
秋らしくなってきましたね。キンモクセイの香りで秋を認識することがありますが、日本には雄株だけが存在し交配できないため、人が挿し木によって増やすしかないそうです。そんな植物が秋の代名詞のようにここまで広く分布していることを考えると、いったい何が残り何が消えるのかわからないなと思います。
「自由への教養」の「私の古墳づくり」は面白かったですね。まずは、「"権力者"の立場や気持ちを想像するのは難しい」ということでしょうか。以前Connectのテーマで、「探究者's ファイル」という探究者へのインタビュー集をつくりましたが、「権力者's ファイル」もやってみた方が良いのかも知れません。インタビューのお相手は元東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の方々などはいかがでしょう。
もうひとつのポイントは「"文字がない"時にどうするか」でしょうか。実績はおろか、名前すら書き残せない時に、どうやって「俺の墓」、少なくとも「王の墓」だと伝わるようにするのか。そう考えると、特盛全部のせ的に資源と技術を集約した、巨大な前方後円墳に向かっていくしかないような気がします。
しかし、当時の人々はお墓の大きさや形・場所などをどうやって決めたんでしょう?「王の御墓建立実行委員会」のようなところでミーティングを重ねたのでしょうか。
もし私が王だったら、「ねぇねぇ、前方後円墳ならぬ『後方前円墳』なんてどう?え?見分けつかない?じゃあ平らなピラミッド『ヒラミッド』なんかもいいかもね」などと適当なことを言った挙句、前任者と同じような形と大きさのお墓に納まったと思います。
それではまた次回。
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