プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントについて
ビジネス戦略を理解することで、自分の会社の状況や、自分の組織の状況を把握し、仕事に活かす目的で、代表的なマトリクス分析を説明致します。
1.プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)とは
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントとは、企業における各事業の位置を確認することで、経営資源(ヒト・カネ・モノ)の最適な分配を可能にする戦略を策定するための分析手法の一つです。
PPM分析では、「市場成長率」と「相対マーケットシェア」の2軸で各事業の規模をプロットし、追加投資や撤退の判断を行っていきます。
2.各領域の説明
花形製品 ・・・市場成長率は高く、相対的市場シェアも高い事業です。この事業は競合企業が多く、積極的に経営リソースを投下していく必要があります。まさに「成長期」であり、売上と費用両方が高くなるため、実は利益率は低い傾向にあります。
金のなる木・・・市場成長率は低く、相対的市場シェアが高い事業です。シェアの維持に必要な経営資源を超えるキャッシュを生み出してくれる領域で、「成熟期」と言えます。
問題児 ・・・市場成長率は高く、相対的市場シェアは低い事業です。
市場シェア率を上昇させることができれば、花形へと成長する可能性もある「導入期」です。経営資源を積極的に投入していくことが求められます。
負け犬 ・・・市場成長率は低く、相対的市場シェアも低い事業です。
売上、利益も少ないため、事業撤退となるケースもある「衰退期」です。
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントを行うことで、それぞれの事業が市場内で「どれだけ利益を出しやすいか」「どれだけ投資を必要とするか」を分析することができます。
3.投資はどこへ向かうのか?
マトリクス分析自体はわかりやすくて、花形製品と問題児に、リソース(金、人、モノ)を投入し、金のなる木は、ビジネス維持、リソース維持、負け犬は縮小。取るべき戦略は明確となり、事業の「選択と集中」が行いやすく、経営リソースを効果的に配分できるようになることができます。
組織に所属している方は、自分の組織に、金、人、モノは投入されただろうかと考え、部門長、事業部長、経営者からみて、自分の仕事は、どのマトリクスに位置するのか?考える必要があります。
4.マトリクス分析の限界
負け犬の組織に所属したからといって、悲観する必要はありません。プロダクトポートフォリオマネジメントで考慮されないものは下記です。
1.事業間のシナジーが考慮されていない。
2.現時点での市場成長率や自社の相対市場シェアでしか評価しない。
3.潜在的な成長事業でも成熟市場にはリソース投入しない。
4.社会貢献という観点から存在意義のある事業もある。
むしろ、現代は、成熟市場を組み合わせてシナジーを起こしたり、社会に貢献するビジネスをしていく必要があり、市場成長率と相対市場シェア以外も重要となってきています。
プロダクト・ポートフォリオマネジメントを理解し、自分の事業がどこに位置するか?どこへ向かうのか?を意識して仕事をしましょう!!