起業家の思考法
起業家の思考法
普段、仕事をするときに、「目標管理」のように、「目標を設定し、それを達成できたかどうか?」という仕事をしていると思いますが、これは「コーゼーション(Causation)」という思考方法で、インド人経営学者)サラス・サラスバシー氏よると、変化の激しい時代、起業家は異なる思考方法を持っており、それをエフェクチュエーション(Effectuation)といいます。
コーゼーション(Causation)
目的を最初に設定し、必要なリソースをその実現のために揃える思考方法
「目的」を達成するため、「自分は何をすべきか?(What should I do?)」
エフェクチュエーション(Effectuation)
既に持っているリソースから始めて、目的はやりながら見出していく思考方法
「自分は何ができるか?(What can I do?)」
cause and effect(原因と結果)という言葉から着想を得てつけられてた言葉になります。
エフェクチュエーションとは
エフェクチュエーションでは「自分は何ができるか?(What can I do?)」という観点から考え、誰もが持っている「3つの資源」を洗い出します。
1. 自分が誰であるのか? → 特質、能力、属性
2. 何を知っているのか? → 教育、専門性、経験
3. 誰を知っているのか? → 社会的ネットワーク
「自分が持っている3つの資源を洗い出す」→「行動する」→「他者と繋がる」ことで新たな可能性を見出すことができます。
エフェクチュエーション5つの原則
エフェクチュエーションでは、手持ちの手段からスタートし、五つの原則により、それらを使って何ができるかを考えます。
手中の鳥の原則
新しい方法ではなく、既存の手段を用いて何かをつくる
許容可能な損失の原則
損失が出ても致命的にはならない許容範囲のリスクをあらかじめ設定
クレイジーキルトの原則
形も柄も違う布を縫い合わせて1枚の布をつくるクレイジーキルトに例え、顧客や競合他社、従業員などをパートナーと捉え、一丸となってゴールを目指していくこと
レモネードの原則
酸っぱくて使い物にならないレモンに工夫を凝らして、甘いレモネードを作る(=価値を持つ製品へと生まれ変わらせる)こと
飛行機の中のパイロット原則
不測の事態に備えて、状況に応じた臨機応変な行動をすること
経験豊富な起業家は、とんでもない発想が思いつくというよりも、自分の中のリソースとネットワークを駆使してビジネスを作っているということです。
自己分析と仮設思考が重要
起業家の思考法である「エフェクチュエーション」について説明しました。
成長が見込める環境では、「来年度の売上は120%。そのためにどうするか?」と考えるのが良いと思いますが、そもそも、売れるか売れないかわからない不確実性の高い環境で目標を決めてもあまり意味がありません。
0から1を作る人は、自分ができることは何かを分析して、ネットワークを駆使しながら、新たなビジネスを作っていくということです。
結果として、目的から網羅思考で手段を考えるよりも、自己分析から仮設思考で、行動して試していく考え方が、「起業家の思考法」になります。
起業家の思考方法を理解し、新しいビジネスを作っていきましょう!!
なお、仮説思考は過去のブログを参照していただければと思います。