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アドバンテージマトリクスについて

ビジネス戦略を理解することで、自分の会社の状況や、自分の組織の状況を把握し、仕事や人生に活かす目的で、代表的なマトリクス分析を説明致します。

1.アドバンテージマトリクスについて

アドバンテージマトリクスとは、業界の競争環境を分析する手法です。「業界の競争要因の数」と「優位性構築の可能性」という2つの軸で、世の中の業界を4つのタイプに分類します。

図:アドバンテージマトリクス(セーシン様)

「競争要因の数」が少ないということは、競争手段が少ないため、勝ち負けが単純に決まるということです。また、「優位性構築の可能性」が大きいということは、他社に対して明らかな競争優位を獲得できることを意味します。

2.各領域のの説明

アドバンテージマトリクスでは、事業は4つのタイプに分かれ、それぞれのタイプで事業の経済性(売り上げ規模とROA:収益率)の相関関係が異なります。自分が属する業界がどのタイプに位置づけられるかを認識することにより、とるべき戦略がわかります。

●特化型事業 業界の競争要因の数→多 優位性構築の可能性→多
競争要因が多く、特定の分野に強みを持って地位を築き上げることで優位性を確保できる事業です。やり方によれば儲かる可能性があります。
計測機器業界、製薬業界などです。

●規模型事業 業界の競争要因の数→少 優位性構築の可能性→多
「規模の経済」が働くため、規模を拡大することで優位性を確保できる可能性が高くなる事業です。
自動車業界、半導体事業などです。

●分散型事業 業界の競争要因の数→多 優位性構築の可能性→少
構造的に大きくなるのが難しく、大企業が少ない事業。競争要因が多く優位性を構築するのが困難な分野です。規模を大きくしても儲かりません。
建設業界、飲食店、アパレル業界などです。

●手詰まり型事業 業界の競争要因の数→少 優位性構築の可能性→少
競争要因が少なく、優位性確保も難しい事業。
業界が衰退期に突入し、利益向上や差別化が難しくなっている状況です。
鉄鋼業界、セメント業界など、中小企業が淘汰されて残った大企業も規模効果が限界に達し、優位性構築ができなくなった状況です。

図:アドバンテージマトリクス(セーシン様)

3.独自の仕組みを考えて広める

アドバンテージ・マトリックスが示しているのは、「分散型事業」「手詰まり型事業」のままにしておくと、優位性の構築は難しいため、安定した収益を確保するためには、「特化型事業」、「規模型事業」に転換する必要があるということです。

このマトリクスは、今の事業の儲かる仕組みや強みを理解し、規模を増やすか収益を目指すか考えたり、自分もしくは、組織で独自の製品やサービスを考え、効果があれば、それを広める時に活用できます。

組織に所属している人でも、例えば、自分の仕事の効率化ツールを作ったら、それをチームや部門、他部門と広めて行く時に、手順化や自動化などして、広めるタイミングはどこか?どうやって広めるか?考える時に活用できるかと思います。

良いモノ、良いアイデア、良い仕組みは、自分で抱え続けても、「手詰まり事業」になってしまいます。独自性から競争優位性を確保して、広めて行きましょう!!

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