ネタバレあり 映画『メガロポリス』 アダム•ドライバーを堪能、コッポラの映像美、そしてローマ的理想郷の世界
フランシス・フォード・コッポラ監督が所有しているワイナリーの大半を売却し、売却益の一部を担保にして、制作費1億2000万ドルを資金調達して出来上がった作品。巨匠なのに、自腹!!
ワイナリーは今もあり、カリフォルニアのスーパーでも"Coppola"ワインが手に入ります。映画鑑賞後に、監督に敬意を表して頂きました🍷美味。
メガロポリスは、想像上の現代アメリカを舞台にしたローマ叙事詩で、架空の都市「新ローマ」での物語。
建築家であり科学者でもある若き天才セザール・カティリーナ(アダム・ドライバー)が、ユートピア--欠点のない完璧な世界や目的地--という哲学的理想郷を実現しようとしている。そこへ現状に固執し、権利欲と特別な利益を維持し続けたいフランクリン・シセロ市長(ジャンカルロ・エスポジート)との間で対立が生じる、 、。
市長の娘である社交界の華ジュリア・シセロ(ナタリー・エマニュエル)は、才能あるセザールに惹かれて愛するようになり、セザールと父、二人の間で揺れ動き引き裂かれていく。
セザールはジュリアからの愛で明らかな変化を遂げ、才能が覚醒。次々に斬新な創造を繰り出し充実のひと時を過ごす。。もともとセザールは時を止められる力(マクガフィン)があったが、力を失ったと失意だったところ、ジュリアと2人だとその力が復活することも絆と愛の証明に。そこへ元カノ(オーブリー・プラザ)やセザールの才能に嫉妬する超富豪の息子(シャイア・ラブーフ)などが怪しく動き、セザールは大怪我を負うもメガロン?という魔法的な施術で復活(!!)
最後にはセザールとジュリアの子どもが産まれて、時を止める力が子どもに引き継がれている。というシーンで幕引き。
映画内では、第16代古代ローマ皇帝であり哲学者でもあったマルクス・アウレリウスの言葉が、頻繁に引用されている。
"宇宙とは変化であり、人生は自己の思考が作るものである"
"自己の内を見よ、内には善の泉がある"
著書『自省録』より。
コッポラ監督が、変化を恐れず、自己の思考と想像を映像化してメガロポリスが出来上がったようにも思える。(私財を投げ打って大きな変化があっても興行赤字でも後悔なし)
かと思えば、"To be, or not to be."とアダム・ドライバーがシェイクスピアのハムレットの有名なセリフを何故か口にする。一見理解不能だが、そこはそのセリフとアダム・ドライバーの相性の良さと、考えずに感じる映画としての割り切りでスルーできちゃいました。
アダム・ドライバーが好き、という人にはオススメ。筆者も好きなので、大画面で彼を眺められるのは良い時間でした。
賛否両論ある映画…というか、酷評の方が多く目にしますが、私的には絵画のような作品で、映像美が素晴らしく、理解するよりも感じるための映画、コッポラの世界観をそういうものとしてありのまま眺める映画、として、決して駄作ではないと思います。後半の、大きな銅像たちが倒れていくシーンは迫力もあり切なさもあり好きでした。
他にも、主役以外の俳優陣が豪華!というか、少し無駄遣い?くらいに感じてしまいましたが、ジョン・ボイド、ダスティン・ホフマン、ローレンス・フィッシュバーン、シャイア・ラブーフなどが出演しています。
終始イッちゃってる感じで女装したり女にあやつられたりファザコンで最後はお尻に矢が刺さっちゃうシャイア・ラブーフはむしろ仕上がってて好きでした。オーブリー・プラザもいい感じで悪女。
映画を鑑賞したのはアメリカ公開直後(2024/9/28)、小さめの箱でしたがほぼ席はうまっていて、さすがコッポラ世代?!なのかわかりませんが、シニアのお客様が多かったです。
と、思うままに映画について書き綴ってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました😊日本での公開は未定のようですが、メガロポリス、公開してほしいなぁ。
また好きな映画や日々のこと趣味のことを週1ペースで書いていきます。
それでは変化に富む良い日をお過ごしください🌟
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