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【コラム】本当に必要なものは、自分が背負える分だけ。「旅」が私に教えてくれたミニマルに生きることの軽やかさ。

年末にさしかかり、家の片付けや断捨離に精を出している人も多いのではないだろうか…?

わたしは所謂ミニマリストではないが、本当に必要なものは少なくていいと思っている少数精鋭タイプだ。

とっておきのお気に入りが少数あればいい。
物が少ない方がしがらみがなく心豊かに暮らせる。

という具合に。

身の回りのものは、全て一軍。
スタメン揃いでないと気がすまない。

「まぁ、とりあえずこれでいっか。」と妥協して間に合わせで何かを選択することは出来れば避けたいというほど、こだわり抜いている。

昔からこうだったか…?
⇨いいえ。

今のような価値観は間違いなく旅する中で培われたものだということに気づいたので、このような価値観になった経緯とわたしが物を選ぶ基準を今日は深掘りしてみようと思う。

このnoteを読んだ人の中に、何か少しでも残る気づきやヒントがあると嬉しい。

それでは、どうぞ☕️

本当に必要なものは、自分が背負える分だけ。
旅とミニマリズムが結びついた瞬間

2014年、某空港にて。

まだ若かりし旅慣れていない頃、何度か超過重量オプションを払ったことがある。

空港のカウンターで測ってみると、30kgをゆうにオーバーしたキャリーケース。荷物を少なくできない自分に嫌気がさして「はぁ…」と思わず溜め息がもれる。

旅慣れていないから仕方がないとも言えるが、わたしは何をたくさんのものを運んでいるんだろう…と憂鬱な気持ちになった。

その内訳は、

結局一度も使わなかった大量の服たち。

あれもこれもと、なぜか同じ用途のものを複数入れてしまっていたり。

今から思えば代用できる選択肢がたくさんあるものまで、たくさん抱え込んで旅行用の荷物はパンパンになっていた。

その場の安心感で詰め込んだものたちが、今は本当に滑稽に思える。

そんなに多くものものを持ってきても仕方がない。

その後、徐々に旅慣れていってバックパックで各地を旅するようになってから、重い荷物は全て自分で背負わなければならないということに気づかされた。

もうこれ以上は持っていけないという局面に遭遇するたび、仕方なくせっかく買った一部の荷物とはお別れしないといけないという苦い経験もした。

たくさんのものは持っていけない。

何より冥土の土産に思い出は持っていけても、たくさんの物を抱えては死ねないからこそ、少数精鋭の本当に必要なものだけをこだわりを持って選ぶようになった。

必要なものと不要なものの線引きが明確になったエピソードは旅をしていたらキリがない。

今から思うと、20代の前半の頃に読んだ、有名な書籍「フランス人は10着しか服を持たない」にも影響を受けていると思う。

「フランス人は10着しか服を持たない」という考え方は、アメリカの著者のジェニファー・L・スコットがフランスで経験したライフスタイルや価値観を反映してつけたタイトルだ。

この本は、限られた服を大切にし、質の高い生活を楽しむことの重要性について語っている。

ライフスタイルの質: フランス人は、物質的な豊かさよりも生活の質を重視していることから、著者は、フランスでの生活を通じて、少ない服でもオシャレに見せる方法や、持ち物を大切にする姿勢を学んだということ。

シンプルさの美徳: フランス文化では、少ない選択肢の中でのシンプルさやエレガンスが美徳とされている。

10着というのは非現実的な数字かもしれないが、本当に必要なものは数知れているからこそ、足るを知り、本質的に豊かに暮らしなさいという教えなんだと個人的には理解している。

加えて、わたしは旅行に行ってもお土産はほとんど買わない。

正確には、本当に渡したい相手が喜んでくれそうなものがあれば積極的に渡したいが、どうしてもこのお土産を渡したい、と強烈に思えるもの、そしてその相手の顔が浮かばなければ基本的には買わないようにしている。

一部の人には冷たいと思われるかもしれないが、待ってほしい。

とりあえずの間に合わせて買われたお土産たち、それらを渡される相手の心境。どちらも失礼ではないだろうか。

付き合いで渡す、物で釣るということはしたくなく、そもそも本来は全てがその土地でしか得られない一期一会のはずだから、お土産はあくまで旅の小話をするための潤滑油でありおまけ程度の位置づけだと思っている。

私が物を選ぶときの条件と判断軸

1. 価格よりも価値で判断する。
どれだけ安かろうが、自分が価値を感じないものには手を出さない。

旅する過程に比例して、決断力も上がった。

どんなに安かろうが、自分が価値がないと思えば1円たりとも払わないと決めている。

安かろう悪かろう、は結局のところの銭失いになると思っているから。

一生ものの買い物、高い=良品と結論づけるのは早計かもしれないが、

物で溢れた飽食の時代だからこそ、本当に心から欲しいと思ったとっておきの〇○に囲まれて暮らす、そしてその物たちを愛でながら経年劣化のエイジングまで楽しめるお付き合いをしたいと思うのだ。

たとえば、20代の頃に奮発して購入したSTAUBは今も高頻度で我が家の暮らしに根付いているし、ストウブでコトコトと煮込んだ煮込み料理がないと冬は乗り切れないというほど、冬嫌いな私の生活を陰日向に支えてくれている。

我が家の愛するSTAUBたち

よそいきを普段使いにしたい。

それから、作家さんの手しごとの器。

時間をかけて少しづつ集めた愛すべき器たちを日常使いする今の暮らしがとても気に入っている。

何気ないおかずであっても作家さんの器に盛り付ければ、それなりになる。

実家で暮らしていた頃、両親は一張羅はおでかけの時だけ、と同じような価値観で、とっておきの器はお客様が来たときだけ、と決めて普段の暮らしにおいては普段使い用の食器を使う暮らしをしていた。

そんなことに割いている時間も心の余裕もない、というのが商売人の彼らの正直な感想だと思うが、物心ついた頃の自分としては、とても不思議に思っていた。

いいものほど、普段の暮らしに根付かせて、さりげないところで自分をもてなしてやることで気分が上がったら何倍もいいじゃないの、と本気で思う。

2. 無料だからといって、安易にもらわない。飛びつかない。

無料だから選ぶ、というのではなく本当に欲しいものならお金を払ってでもその対価を得たいと思うので、「本当は要らないんだけど無料だから一応もらっておこうか」というのは果たしてエッセンシャルだろうか?と問うた時、やはり本当にほしいものならお金を払って買わせていただきたい、と個人的には思う。

無料でもらったものに、お気に入りのスペースを取られるのも嫌だ。

時間もリソースも有限だからこそ、「無料だから、まぁ・・・」と手にしたものを管理するコストも時間ももったいないと思う。

3. 汎用性があるかどうか

筆者は器好きだが、通りすがりに欲しい器が見つかったときに必ず「この器に盛り付けられる料理のレパートリーは3つ以上あるだろうか」と考える癖をつけている。

欲しいという気持ちと闘いながら咄嗟にアイデアが思いつかなかったら買わないというマイルールのおかげで衝動買いして後悔することもなくなった。

いっときの感情で買ったはいいものの、安易に買ったせいですぐに買ったことも忘れて2軍に成り下がってしまうものの存在を思うと、とてもせつなく、日の目を見ないでいる物たちも可哀想だ。

袖を通さない服をいくつも持っていてもスペースにお金がかけているのと同じで、自分の手元にご縁のあったものとは常に目の届く距離感でいいお付き合いをしていきたい。

旅を通して見えてきた生き方のヒント。
制限があるからこそ、人は自由になれる。

必要かどうかのものさしは世間の指標ではなく、自分の中に存在する。

以上、つらつらと散文を書き散らしてきたが、最後にまとめとして、大切なのは自分の直感を鈍らせないこと、と添えておきたい。

直感を鈍らせない、ズバリ・・・

ときめかないものは、スルーする力。

これがもっとも大事だと思っている。

本質的には、人間ひとりひとりが本当に必要なものは自分の直感が知っていると思っている。

SNSの巧みなマーケティングやFOMO*に踊らされて感覚が曇っているだけなのだ。

FOMO(Fear of Missing Out)とは、英語で「取り残される恐怖」を意味する言葉である。新しい情報や周囲の行動についていけず、社会から置いてきぼりになってしまうという不安や恐怖を感じる状態を指す。

FOMOの反対語として「JOMO(Joy Of Missing Out)」という言葉があるそうだ。これは「取り残されることの喜び」を意味し、常に最新の情報を追い続け、誰かと繋がっていなければいけないという不安から解放され、自分の生活に充実感を取り戻そうとする動きに等しい。

言わば内なる自分に還ること。

私はひとりひとりの感覚こそ、その人の人生において正しさを発揮すると思っている。

少なくても、優れたものに囲まれて暮らす

個人的に、旅の荷物の軽量化から得た知見が日々の暮らしのミニマリズムに与える影響、それらがもたらした心の余裕は計り知れない。

無駄買いをしなければ、必要以上のものを抱えることもなく、シンプルに軽やかに生きていける。

世間の流行り廃りに踊らされることなく、必要なものは自分の中にすでにあると思う。

必要なものが何か、どれくらいかを知っているので、空いたスペースは本当に必要なリソースとして然るべきタイミングの時に置いておきたいと思うようになった。

これぞ、物に依存しない自由な感覚ではないだろうか。

必要最低限の持ち物が生む、豊かな体験に重きを置いていきたい。

究極的には、物よりも体験における価値を増やしていきたいから。

身の回りがスッキリすると、まるで心の中に澄んだ風が吹き抜けるような気持ちになる。

今、気持ちがとても晴れやかだ。

かほ|人生を変えるソロ旅プロデューサー
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旅の記録はストーリーズに
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・Portfolio
お仕事実績やこれまで訪れた国と地域はギャラリーに
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かほ|人生を変えるソロ旅プロデューサー
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