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バディ映画と「4つの人材タイプ」

バディ映画、もしくはバディムービーと呼ばれる映画がある。

バディ映画とは、コンビの二人が主役となって、刑事ドラマであれば事件解決、冒険映画であれば目的地に到達するまでを描く作品のことを指す。

バディ映画の中で特に好きな作品に『ミッドナイト・ラン』(1988年)がある。

『ミッドナイト・ラン』は、マフィアの金を横領した元会計士ジョナサン(チャールズ・グローディン)と、彼を身元引受人の元まで護送する賞金稼ぎジャック(ロバート・デ・ニーロ)二人の道中を、ユーモラスに描いた作品となる。

『ミッドナイト・ラン』の二人

『ミッドナイト・ラン』の一番の魅力は、ジョナサンとジャック二人そのものといえる。

彼らは正反対の性格であり、時に対立し時に心を通わせる。その様子が、この作品の一番の魅力といえる。

二人の性格は、ジョナサンは「論理的で理論派」、ジャックは「感覚的で行動派」といえる。だから、正反対の性格といえる。

バディ映画は、コンビを組む二人が正反対の性格というのがお決まりのパターンだが、その正反対の種類は『ミッドナイト・ラン』だけでなく、やはり「論理的で理論派」と「感覚的で行動派」といえることが多い。

この「論理的で理論派」「感覚的で行動派」というのは、仕事における人材タイプとしても当てはまると思っている。

これまで多くの人と仕事をしてきたが、人によって強弱はあるものの、大体はこの「論理的」か「感覚的」か、そして「行動派」か「理論派」かで分けられると思っている。

4つの人材タイプ

「論理的」「感覚的」「行動派」「理論派」という軸で考えると、4つの人材タイプが見えてくる。そして、その4つの人材タイプそれぞれが向いている職種も見えてくる。

それを示すと、以下のようになる。

4つの人材タイプ

行動力もあって論理的思考が得意な人は、大勢を統率でき、また推進できる人といえる。プロジェクトであればプロジェクト・マネージャーとしてプロジェクトを推進したり、時に調整役となる。

論理的で、自身の活動が理論の構築に向かう人は、時に理屈っぽいと言われるような人である。そういう人は、プロフェッサーもしくは参謀タイプといえる。具体的な職種であれば、戦略立案や分析、または研究開発が向いている。

自身の感覚を重視して、率先して行動する人は、その人物の感性が共感を呼ぶ場合、コアなファンを生む人物である。職種でいえば、行動力と人々を熱狂させる術を生かした営業や販売、もしくは、プロジェクト内容によっては企画担当としてその能力を発揮する。

感覚的であり、自身の作品作りに熱中する人は、クリエイタータイプといえる。別の言い方をすれば芸術志向であり、職種でいえば、クリエイターもしくは職人ということになる。

これら4つの人材タイプは、どれが優れているとか劣っているということではない。人それぞれ特徴があるし、その特徴に合っている仕事をするべきだろうと思う。

以前、「好きなこと」と「向いてること」について記事を書いたが、その記事でいう「向いてること」というのは、その人の特徴にあっていることと思っている。

適材適所ということ

この「向いてること」と「自分の特性」とを見誤ると、なかなか上手くはいかない。

例えば、非常に行動力はあるが論理的思考が不得意で、自分の感覚を重視する人は、特定のグループには魅力的人物となり得る。しかし、多くの人が集まるグループを統率するには、多くの人が納得できる論理性が必要となる。そのため、プロモータータイプの人間がプロデューサー業務を行うと、あまり上手くはいかない。

会社組織やチームを作る際、適材適所ということは常に意識されることである。また、個人面談の場などでも、その人が何に向いているか、どういう方向で成長を目指すかは重要なトピックになる。

そういった適材適所ということを考える際には、上述した4つのパターンを意識して考えるようにしている。その人にとって「向いてる仕事は何か?」を知るには、まずは「どういうタイプの人間か?」を知ることが先だからである。

『ミッドナイト・ラン』でいえば、ジョナサン型に近いのか、それともジャック型に近いのか。もしくは、どちらを目指したいのか。

それを考えることで「向いている仕事は何か?」の答えに辿り着くと思う。

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