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医師がおすすめする海外医療ドラマ〜「レジデント 型破りな天才研修医」〜感想(ネタバレなし)
医師の家族で生まれ育ったせいか、子供の頃から医療に関するメデイアに
興味がありました。家に届く医学雑誌の他に親の教科書や医療小説など色々読んでいたりして、本当にガリ勉でした。
最近医療ドラマにもハマっていて、その中に一番好きで現実味が割と強いと思ったのが「レジデント型破りな天才研修医」。アメリカのアトランタが舞台となっている海外ドラマなんだけど、Disneyプラスのサブスクリプションさえあれば無料で見られます。
私は英語音声と日本語字幕で見たけど、日本語の吹き替え版もあるらしい。というわけで、この記事では吹き替えについては触れていません。ネタバレもしないのでご安心を。
Amazonプライム、アップルTV、ユーチューブやグーグルプレイでも見られるんだけど、サブスクがあっても別料金なので、Disney Plusがおすすめです。
2018〜2023年まで放送され、シーズンは6つあります。
あらすじ
「害をなすなかれ、不名誉より私を」
~Do No Harm, Death Before Dishonor
ジョージア州アトランタにある有名総合病院「チャステイン・パーク記念病院」を舞台に、主人公である型破りな天才研修医コンラッドが、お金と利益を何より優先して隠蔽や不正を繰り返す病院の上層部と対立する奮闘を描く物語です。Marty Makaryに書かれた小説、「Unaccountable」に基づいています。
ストーリー
コメデイというよりかなり真面目な話で悲劇的な要素が多かった印象。主なテーマは公に知られていない病院の不正、医療ミスの隠蔽、欲張り、パワハラ、詐欺、アメリカの社会問題など、中々ダークな雰囲気です。アメリカの医療制度という事で多くの国とは違うだろうけど、ドラマとしてはとても結構面白かったと思います。医療の的確さも凄くてかなりリアルだったので、医療系のスタッフも関連しているんじゃないかなと。一般人だけでこのレベルまで制作できるとは信じがたいです。
恋愛要素は一応あるが、グレイズ・アナトミーより少なくて医療や病院の悪巧みなどが中心となっています。糖度が低めというべきかな(笑)。
メインキャラの中には外科医が数人いるせいか手術のシーンはほぼ全エピソードにはあるので、手術や内臓を見るのが苦手な方にはおすすめできません。自殺念慮、麻薬中毒、アメリカの人種差別や同性愛嫌悪などセンシティブな話題に触れるエピソードもあるので、気になる方には要注意。
キャラクター
欧米の医師の”イメージ”といえば、白人のおじさんなんです。特に外科医だと男ばかりで女性は珍しい。確かに主人公であるコンラッドは白人の若者なんだけど、レジデントの医師たちの中には色々な人種があり、優秀な女性外科医も多くてすごく感動しましたね。優秀な外科医のレジデントが全員女性で白人ではない(黒人、インド人など)。私はイギリスで働いているので、アメリカの医療現場は本当にどうなのか分からないけど、キャストの選別はかなり国際的で女性も外科医として立派にやっていくの見て嬉しい気持ちになりました。
日本語の字幕
多くのドラマに比べたら結構上手く翻訳されたなと感じました。ただのAIによって直訳されたのではなく、翻訳しにくいセリフが適切に言い換えられたし、文脈にも合っていたと思ったんです。ハリーポッターのような違和感はあまりなかったので、英語が分からなくても十分楽しめるぐらい精度の高い翻訳でした。AIの翻訳精度は分からないけど、人間に翻訳された感じだったと思います。
英語のレベル
英語に関してはかなり高難易度で「フレンズ」に比べたらハードモードなので、上級者向けです。なぜかというと専門用語が非常に多いので、医療系の方以外のネイティブにも理解しにくい部分は多少あります。
一般人でも楽しめるグレイズ・アナトミー 恋の解剖学(Grey’s Anatomy)に比べて医療業界の方、もしくは医療の興味や知識のある方向けって感じでした。でも、医師たちが普通の言葉で患者さんに説明するので、医療について知りたい方でも楽しめると思います。
アメリカのスラングや表現は多々あるので、英語の高みを目指したい上級者や英語の医療用語を学びたい方には特におすすめします。
評価:★★★★☆
全エピソードを見終わってめっちゃ面白かったです!ほとんどの医療ドラマってあまりにも非現実的で恋愛ばかりなので、医療業界の闇を暴いて正義のために戦い続ける研修医たちの姿がとても新鮮で素敵でした。悲しい要素も多かったけど、やはり医師としてどんなに頑張っても全員を救うことができない現実味が非常に良かったと思います。キャラもシーズン1から6まで成長し、視聴者として彼らの活躍を最後まで見届けて楽しかったです。
一番好きなキャラと言えば、ランドルフ・ベルでした。最初は悪人だったけど実はいいやつって感じで面白いキャラだったと思います。イギリス人の俳優さんに演じられたキット・ヴォスもかっこよかったです!アメリカのアクセントの中にたった一人のイギリス英語のキャラ、上品で素敵でした。
おすすめできる方
医療に興味ある方、もしくは医療業界で働いている方
手術が好き
真面目な話が好き
アメリカの医療制度に興味ある
センシティブなテーマでも平気
英語の勉強が目的なら、上級者
英語の医学用語を勉強したい
おすすめできない方
手術、内臓や血が苦手
明るい話を観たい
医療に興味がない
英語の勉強のためなら、初心者や中級者には難しいと思う。もし興味があれば吹き替え版の方がいいかもしれない。