わたしがこどもだった頃
小学生の頃。
電話をする母親の横顔を見ながら、ふいに、すべてを諦めようと決めたことがあった。
理解を求めることも。理想とのギャップに苛立つことも。
全部全部、わたしの勝手な期待の結果でしかない。
親という存在にわたしが何を望んだとしても、彼女は親である前に、ひとりの人間で。
そう考えれば、理不尽も、不合理も、暴言も暴力も、理想とは程遠いその他すべての言動も、許すことができるような気がした。
だからわたしは、親を諦めた。
理解してもらいたい、受け止めてもらいたいと期待するこ