無意識でもわざとでも
おはようございます、須恵村です。
文字起こしおばさんでテニプリおばさんでワンピースしか着ないおばさんです。
今回は2003年3月2日のWeb日記「エンピツ」からの転載のため、話題が大分古目です。
うかつな天気予報
テレビで天気予報を見る機会は多いものです(**下記注)。 民間ローカル版だと、最近は地元企業のPRを兼ねたものが多いようですが、全国ネットの番組で、ニコヤカで美しい「お天気おねえさん」が、とりあえず放送網に入っている地区の「県庁所在地」の天気についてざっと「総括」しているのって、何となくですけど、カンに触りませんか?
私は人一倍心の狭い人間なのに、日本の都道府県中3番目に面積が広い県に住んでいるせいか、県庁所在地だけを「そこのお天気」みたいに言われると、何だかカチンと来てしまうのです。
スカッと海に抜ける浜通りと、山深い会津地方とでは、まるっきり天気も気温も違うし、県庁所在地のある福島は、一応我らの郡山と同じ中通りではありますが、私が住んでいる町の場合、どちらかというと山沿いの天気の方が参考になることも多かったりして(一応“旧市内”と言われる、1955年の合併当時から市だった地区なのに)、事情は結構複雑です。
今朝、ラジオで【はなす・きく・よむ】という番組を聞きつつ、お弁当&朝ご飯の下ごしらえをしていました。
2月23日と26日に既に放送された分のさらに再放送のようでしたが「【放送の現場から】お天気おじさん、春を告げる」というテーマでした。
NHK札幌放送局(当時)の森本健成アナウンサーが、お天気を報道する上で注意すべき表現などについて、軽妙な調子で話されていました。
その中で興味深かったのが、(台風などが)「北海道へ抜ける」という表現についてです。
何となくよく聞く言葉のような気もしないではないのですが、本州に住んでいると正直ピンと来ないものの、確かに考えてみれば無神経極まりない言い方ですわね。
人ごとだと思って…の典型といえましょう。
人がこの表現を使うとき、別に、北海道なんて台風に上陸されてればいいんだ!と思っているわけではないと思います。
何も考えていないからこそ出てくる表現、というだけでして。
最近は聞かないものの「裏日本」「表日本」なんて言い方もありました。
おまけ
2003年はこんな事件もありました。
多分、「あまり深く物を考えない人」というだけで、本当に差別の意図はなかったのではという印象を受けました。どちらかというと水商売への偏見や侮辱に思えたのですが、意図的に「民族衣装をバカにするな!」というすり替えが行われたように思われてなりません。
こちらは削除後の会議録です。
正直、「キャバレーみたい」という文言が削除されようがされまいが、
という印象に変わりはないのですが。
貴殿はファッションチェックのために高校の卒業式に出席なさったのか?と。
さらにおまけ
ここからは、
としか思えない、やらかし事例集です。
その1
東北太平洋沖地震の後、使っていた携帯(一応社名は伏せておきます)のポータルサイトで、「東北のいいところを紹介して」的な企画がありました。六県在住者にお国自慢をしてもらおうという趣旨のようでした。
そこで、例えば青森だったらねぶた、秋田は横手のかまくら……といった感じで、観光地や名物などの観光資源の例を挙げていたのですが、なぜか私の住む福島県のところで使われていたのは「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」でした。
東北に詳しい方やジャズファンの方、またはジョジョファン、ハイキューファンなら「じょうぜんじ」の響きにピンとくることでしょう。そう、これは宮城県仙台市の地名であり、そこで行われるイベントです。
この手のことにナーバスになっていた私は、抗議の意思を持ってメールで指摘しました。
「あ?なんスカ?福島はホーシャノーで穢れた忌み地だから、名所も名物もへったくれもないって言いたいんスか?」
ということを、極力丁寧な言葉で書き送ったのです。
数日後、謝罪メールが届くとともに、当該箇所は「三春滝桜」に訂正されていました。
私の夫は写真が好きで、春は県内の桜を撮りにいくことが多いのですが、この年もしっかり、たくましくも美しいハイシーズンの三春滝桜をカメラに収めていました。震災直後ということもあり、人はまばらだったそうです。ちなみに、翌2012年は家族で夜見にいきましたが、帰りは泣きが入るほどの渋滞に巻き込まれました。
この件は、たまたま目にした人が覚えているかどうか程度の話で、話題にになっていた記憶もありません。
丁寧な謝罪をいただいたことと「三春滝桜」のチョイスに感謝し、「私も言葉が過ぎてしまい、申し訳ございません」程度のお返事をしたと思います。
その2
こちらは何年経っても許せる気がしない例です。
東北を(無理やり)ハンバーガーに見立てると、青森県(クラウン)と福島県(ヒール)というバンズの間に、岩手・秋田・宮城・青森というおいしい具が挟まっている格好です。
地理的によく分からない方でも、「東北六県」という言葉はご存じでしょう。
しかし、グリーンコープの東日本大震災復興応援キャンペーンは「東北5県」と銘打って開催されました。要するに明確に福島がハブられたのです。
これについては、次のような釈明があったとのことです。
ちなみに2014年夏までは、宮城県も外れた格好で「東北4県」だったとか。
こちらにしてみると、「その2県(または1県)に取引先がない理由は何だったのかなあ?」と邪推せざるを得ないだけなのですけどね。
2012年、次女の通う小学校に、福岡県の小学校から善意のプレゼントがありました。
それは――「お米」でした。
善意には違いないと思います。それは素直に受け取るべきでしょう。
しかし、我が福島県は全国有数の米どころ。しかも2012年といえば、私どもの住む福島県中通りは、生活も大分落ち着き、もちろん地元の「安全な」お米が、スーパーで簡単に買えていた頃です。
震災直後の混乱していた時期なら、確かにありがたかったかもしれません。しかしこの贈り物が意図するところは、次のようなものだったのではないでしょうか。
「もうフクシマ(あえての片仮名)では農業できないんでしょう?気の毒だからお米分けてあげるよ」
ここまで読んで、被害妄想だと感じられた方もいらっしゃるかもしれません。私としては、逆にそう思っていただきたくて書いたフシもあります。
しかし、本気で「福島やべえ」と思い、曇りなき眼で「助けてあげたい」と張り切る「善意の方」がまだ存在することも事実なのです。
少し趣旨の違う話ですが、静岡某市の議会で働いていたとき、視察先へのお土産はできるだけお茶にするようにという取り決めがありました。
海産物やお菓子と違って日持ちがするのと、「これが当地の名物です」というPRの意図があったのでしょう。
ところで、九州でも有名な茶どころの議員さんたちが視察にみえたときのお土産が「お茶」でした。
このとき、議会事務局でこんな苦言を呈していた職員がいました。
「静岡茶は有名なのに知らないのか?なめてんのか?」
先方にしてみれば、多分こちらと同じ発想でお茶を持っていらしただろうにねえ。
思えば、善意でお米を送ってくださった方に私が感じたモヤモヤって、これと同じ部分もあります。
ありますが、贈られた側の小学校でも、「福島にお米って……」という空気があったことと、ツイッターに投稿したら、主に地元で相互フォローだった方は一様に「無神経じゃない?」「まだその認識なんだ……」という声がほとんどだったことも付け加えたいと思います。
奇しくも九州を糾弾するような内容になってしまいましたが、そんな意図は全くありません。私の父は佐賀県出身ですし、夫は九州物産展のたびに大分の「かぼすの秘蜜」を買ってきたりと、遠い地ながら、さまざまな面で親しみを感じております。
あとっ、あとアニメ!『ばらかもん』(長崎)『博多豚骨ラーメンズ』(福岡)『ユーリ!!! on ICE』(佐賀)とか大好きです!
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