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コーヒーナップの幻

【今回の趣旨】仕事と趣味の創作活動とコーヒーと昼寝が好きな筆者による、仮眠(昼寝)に特化したエッセイです。


コーヒーナップとは

 私は睡眠の専門家でも、コーヒーの専門家でもありませんが、在宅で(仮眠を挟みつつ)仕事をすることに関しては、そこそこのスペシャリストであると自負しております。

 そこで、仕事術の一環、というにはあまりにも緩くて適当ではあるのですが、自分のお昼寝事情についてひとくさり・・・・・書いてみたくなり、こんなもったいぶったタイトルで書いたのが一昨年の11月頃でした。
 以前は全く別のアカウントで公開していたのですが、仕事絡みエッセイとして数えても差し支えないのではないかと思い、こちらに転載しました。

 まずは基本的な用語について、簡単にご説明いたします。

コーヒーナップとは
コーヒーを飲んだ後、短い仮眠をとるリフレッシュ法

レム睡眠とは
睡眠段階の一つ。睡眠脳波から判別され、急速眼球運動と骨格筋活動の低下を特徴とする。レム睡眠中には夢をよく見る。
“レム”は「Rapid Eye Movement(急速眼球運動)」の頭文字を取ったもの

明晰夢めいせきむLucid dreamingとは
睡眠中に自分が夢をみていることがわかっていること、特に夢を見ながらその内容を自分で意図的にコントロールすできる状態のこと、またはそのような夢のこと。

【1】小人さんがやってきた

 初めまして&こんにちは。須恵村すえむらと申します。 内職で音声の書き起こしをしつつ、趣味で小説を書いております。

 目安としては60分程度の音源を3.5時間~6時間で仕上げ(音質と話す内容・スピードにより異なります)、あとはテキトー家事と睡眠時間(6、7時間程度)を除いた時間は、アニメを見たり、ブログを含む文章を書いたりという生活をしております。 似たような志向というか嗜好の家族が2人いますが、みんな「そんな感じ」なので、お互いほとんど干渉し合わないのがいいところです。(私の「小説」の部分に、夫は「鉄道の動画鑑賞」、娘は「オンラインゲームとイラスト描き」が入ります)

 ちなみに独立した娘がもう1人おりますが、彼女も公務員として働く傍ら、某サイトで二次創作小説に精を出しているようです。 私が彼女のアカウントの存在を知っていると知ったら、多分舌かんで(…以下略)でしょうから、私は何も知りませんという顔で「いいね」だけさせていただいております。 私がそのサイトで18禁オリジナルを書いていると知ったら、別な意味でシにたくなると思いますので、これはこれで秘密トップシークレットです。

▽▽

 前置きが長くなりましたが。

 学校の授業にしろ、デスクワークにしろ、「じっと座っていると眠くなって…」という方は多いと思います。 というよりも、人間一度や二度は、割としゃれにならない「船漕ぎ」をしてしまい、先生や上司に叱られるという経験、あるのではないでしょうか。

 余談ですが、私が高3のときのT先生(現代国語担当)は、絶対に居眠りを注意しない人でした。ただ、寝ている人の机の前または横にじーっと立って起きるまで待っているような、生温かい見守りをなさるのです。 しかも「テストできちんと点が取れれば、居眠りしていようが成績はそれなりにつける」と言い放ち、ちゃんと授業を聞いていないと分からないような作問をするという性格の良さ・・・・・でした。 が、もともとつかみどころのない性格だったせいか、真面目に聞いている人ほど混乱して調子が出せず、テキトーに寝たり起きたりしているような人の方が好成績だったりするので、世の中理不尽なものです。ま、現国というのは割と「そういうところ」がある科目ですが。

▽▽

 閑話休題。 私は現在、自宅で1人で作業をしているため、居眠りしていようが、息抜きのゲームに1時間も2時間も費やそうが、ちゃんと成果物さえ出せば誰からも叱られません。 一応ポモドーロタイマーなどを使ってペース配分はしていますが、マックスで1時間半から2時間は一気に集中して入力することもあります。

 それだけ集中できれば、30分~45分の案件1件仕上げられるので、状況次第では、「はい、今日のノルマ達成」となることもありますが、そういう成功体験があると、次からの作業の見積もりが甘くなるという弊害もあるので、実はいいことばかりではありません。 納期があと○時間後などと切羽詰まっていると、本当は集中力が落ちている――というよりも半分脳が寝ているイルカみたいな状態であるにもかかわらず、漫然とタイピングだけ続けてしまうこともあります。

 そういうのは後から見直すと、ちょっと恥ずかしくてご紹介できないような誤変換、かな入力特有の「あ゜」「み゛」的なあり得ない誤入力が散見され、「わー、わー、すんませんすんません」と、誰に謝っているんだか分からない状態で、ポチポチ訂正するはめになります。 学校の授業でいえば、「自分の書いたノートの字が読めない」ということ、よくあります(した)よね。小人さんがやってきて、手を動かされているかのような。

 こういうときは「頭の再起動!」と開き直り、スマホのタイマーをセットして、ベッドやゆかにばたっと倒れ込み、仮眠としゃれこむに限ります。

 適正時間は――実際のところ、人によって違うのではないでしょうか。 個人的には「7の倍数」周辺を心掛けています。 ちょっと眠いときは、タイマーを10分程度にして、入眠1分+浅い眠り7分くらいのイメージ。すると自動的に残り2、3分で目が覚めることもあります。 結構疲れているときは20分セットして、残り5、6分のところで目を覚ますか、アラームが鳴った後、少しだけぐだぐだしてから起きるようになります。

 これは人として間違っているというレベルで疲弊していたら――どんと1時間ぐらい張り込みます。ゆとりがあるときは、思い切って2時間くらい寝てしまうこともあります。

 「貯金(寝だめ)はできないが、借金(仮眠などでの補填ほてん)」はできる、なんてことを申しますが、なるほど、夜どれだけ寝ても、眠いときは眠いし、不足分を補うために軽く眠ったり、時には横になっていただけでも、かなりリカバリできたと実感できるものです。  いずれにしても、通常は10~20分の仮眠ですから、当然眠りはかなり浅いものです。浅いので当然のように夢を見たりします。

 しかもその夢、体感で2時間くらいの映画を見たような記憶として残ることが、往々にしてあります。

【2】コーヒーブレイク

 さて、仮眠まではいかないときも、当たり前ですが飲み物休憩くらいは取ります。  

 仕事中に何か飲みながらでもいいのですが、こぼしたら、カップを倒したら…という万が一を考えると、やはり作業は作業、飲み物は飲み物と切り分けます。
 こればかりは性格や考え方、何なら「その日のコンディション」に負うところが多いので、どちらが正解とも言えない気はします。
 ――などと言い訳をする程度には、結局、仕事中にドリンクをキメながらということも割とあるんですよね。実のところ言い訳の必要もないんでしょうが。

 私は夏でもホットコーヒーを飲むことが多いのですが、その魅力として「ゆっくり飲めるから」というのは大きいと思います。
 夏場は一番涼しい場所で、ゆっくり本など読みながら、少し長目(15分程度)の休憩を取るのが楽しみなので、いったん机から離れます。

 というか、これを書く直前までそんなことをやっておりました。

 3周目くらいの夢野久作『少女地獄』と、某社のコーヒー「リッチブレンド」200ミリリットル。タイマーは10分。
 「姫草ユリ子みたいなヒロインをいつか描きたいものだ」という寝ぼけたことを思いつつ、コーヒーの香りだけでも結構目も頭もすっきりしていたのですが、タイマーが鳴る10秒前、コーヒーを飲み切ったとき、ちょっとした思いつきが湧きました。

 10分だけ昼寝ナップしてみよう!

 コーヒー(カフェイン)を摂ってから仮眠をして寝ざめすっきりという、いわゆるコーヒーナップは聞いたことがありましたが、あれは敢えてやろうとすると、「お腹が液体でかぽかぽの状態で寝るのか…」とか、「わざわざコーヒー淹れるの面倒くさいなあ」と、どうも積極的になれないのですが、たまたまコーヒーを飲んだこのシチュエーションなら、うまくいきそうな気がしたのでした。

 しばし「おやすみなさい」。

▽▽
某日追記

 日本人にはコーヒーよりも緑茶・紅茶系のカフェインの方が効果がある…と、その後どこかで読みました。真偽は分かりません。
 ここまでコーヒー推しのようなことを書いておいてアレですが、カフェインの持つリフレッシュやリラックスの効果を多少期待しつつ、「飲みたいから」「好きだから」という動機で飲むのならば、お茶系で問題はないというか、ある程度は機能してくれると思います(多分)。


【3】「見慣れた知らない景色」


 エピソードタイトルがBUMP OF CHICKENの『Hello,world!』の歌詞みたいですが、まあ正直言えばそこから取りました。
 これはバンプの楽曲の中でも3本の指に入るくらい好きな曲ですが(あとの2本は『ハンマーソングと痛みの塔』『カルマ』)、割と序盤で出てくるこの矛盾した歌詞は、初めて耳にしたとき、まっすぐに刺さってきた記憶があります。

「見慣れた知らない景色」

 私はこれをしばしば夢で見ます。というか、皆さんも割とありませんか?

 個人の経験による感覚ですが、「見慣れた知らない景色」には、ざっくり2種類あります。

〈その1〉日本のどこかにありそうな街並み、風景

 以前ツイッターで、夢を「文字の情報として見る人」と「ただひたすら映像で見る人」みたいなつぶやきをしている人がいました(こんなニュアンスかな?という程度のざっくり表現ですが)。
 もちろん映像は映像としてあるわけですが、そこで繰り広げられるストーリーや人間関係をやたら具体的に言語化できる人というのは、結局「文字情報」としての夢を見ているのではないか、と。
 要するに、映画を見ているか、小説を読んでいるかの違いとでもいいましょうか。

 「新宿のどこかの地下鉄駅から地上に駆け上がったところに海があった」という、なかなかドラマチックな夢を見たことがありました。
 「東海地方某都市の市街地を走る路線バスに乗り込んで、降りるバス停を寝過ごしたと思ったら、東京・城南地区の超高級住宅地の中を走っていた」とかね。

 どうしても生活体験が乏しいので、「見慣れた」の素材は少ないのですが。
(超高級住宅地というのは、「田園調布」と「成城学園」を結ぶバスの途中停留所が学寮の最寄りバス停だったので「バスの車内から見えていた」だけですが)

 余談ですが、まだ小学校に入るか入らないかの頃、オーストラリアに行った夢を見たことがあるのですが、朝起きてから兄に「わたし、おーすとらりあにいったことがある?」と聞いて、「あるわけねえだろねぼけてんなバーカ」と返されました。
 多分あれは、テレビの『ミユキ野球教室』(1957~90)のオープニングを見過ぎたため、その記憶経験が夢に干渉してしまった例だったのではないかと思います。
 参考までに、動画がYou Tubeにありました。


〈その2〉自分の夢限定で頻出する風景

 特に椅子に腰かけたまま居眠りすると、どういうわけか「マンモス学校」もしくは「巨大病院」の構内で迷子になるという夢を見ます。
 学校というのは、少なくとも小学校ではなさそうという程度のことしか分かりません。大学だと、規模が大きいと学部ごとにキャンパスが違うということはよくあるので、むしろ違うかも。

 病院の方は、別バージョンとして「巨大デパートorショッピングモール」「ホテル」のパターンもあり、どちらにしても、変な慣れ方をしてしまっているせいか、「あー、これ同じところを何回も行ったりきたりするパターンだ…」という、やや諦めに似た感情が湧くのですが、とりあえずそこから抜け出そうと試みます。で、「目覚め=脱出成功」となります。

 そしてそして、その「見慣れた知らない景色」の中で、それなりに小事件や印象に残る出来事もあります。
 中には「お、これは小説のネタになる!傑作いただき!」と夢の中で思うのですが――起きたときにはすっかり忘れているか、何とか思い出して書き出しても、「何でこれがイケると思ったんだろう…」という切ない気持ちになるかです。

 事の真偽は分かりませんが、映画『フィフス・エレメント』は、リュック・ベッソン監督が見た夢がベースになっているという話を聞いたことがあります。
 監督が映像派か文字派かまでは分かりませんが(前者かなあ…後者だったらむしろ興味深い)、よくよく考えると、夢自体にストーリーがあるのは、単にイマジネーションの妨げになるだけなのかなと思えてきました。

 お粗末さまでした。

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