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【子どもに生かされている】ただいるだけでいいよ、本当だよ
相田みつをさんの言葉が好きです。
「ただいるだけで」もその中の一つ。
みつをさんのような大きな器はない私ですが、たくさんの人に向かって、伝えてきました。
ですが、この言葉を自分に向けて伝えたことは、ただの一度もありませんでした。
自分が「ただいるだけで」良いかと問えば、「そんなわけにはいかんだろ」と当たり前に思ってずっと、生きてきた気がします。
ところが、そんな私が、ただいるだけで…、と伝えられたのです。
改めまして、
躁うつ病歴23年、現在仕事を休職中の、
三男児の母です。
鬱籠(うつごもり)で一週間ほど寝込んでしまったときの、いつぞやのことでした。
それが一体何日だったのか、なんのタイミングだったのか、全く記憶にありません。いかんせん、寝込んでしまっていたものですから。
多分きっと、部屋に飲み物か何かを持ってきてくれたときだと思います。
長男でした。
思考をからっぽにしようと考えることを放棄した頭でありながら、
「ごめんね」
と謝ったのですね。家事も放棄して任せっぱなしなわけですから、ひどい母親だという自覚だけはありました。そのときの長男の返事でした。
「大丈夫。
お母さんは、居てくれるだけでいいから」
折れた心が、救われる思いでした。
長男を、頼もしい、と思いました。
こんなに強くなってくれていたのか、と思いました。
ただ、ごめんねの気持ちも、同じくらい込み上げました。
でもそれ以上に、そんなこと、私、言ってもらえるんだ、という、感動のような感覚でした。
新鮮な感動でした。
居てくれるだけでいい。
口をついて出ただけの、何気ない言葉だったかもしれないし、すでに言ったことも忘れているかもしれません。
でも、すごく嬉しかった。
本当に私がいるだけで、長男にとっての心の支えになってあげられているのなら、こんなに嬉しいことはありません。
不安定で、すぐに寝込んで倒れてしまう、情けない母のこと、そんな風に本当に思ってくれているのなら。
そう思っていたら、
今度は次男から。
起き出して、動き出し、家事やらなんやらこなすようになってからでした。何かの会話の流れの中のことです。
「お母さんはな、居てくれるだけでいいねん。
落ち着くから」
「そんなこと言ってくれるの?」と言いかけ、涙が浮かびそうになったところを、意外そうに驚いていた次男の顔は、何を当たり前なことを、ぐらいな呆け顔で、とっても印象的でした。
うえーん、と泣いて、次男を抱きしめたくなりました。反抗期真っ盛りなので、そこまでしてしまうと引かれてしまう恐れがあったので、思い切り笑顔を作って、心をこめて「ありがとう」と返事をしました。
はっきり言って、何にもできていない母親です。
躁鬱で仕事にいけないどころか、家事もできていないんですからね、やばいです。
さらに、自分で自分を好きになったことなど、一度もありません。まして居るだけでいいだなんて、「働かざるもの食うべからず」が常識だと思い込んできた身からしたら、贅沢この上ない言葉で、休職している自分が生かしていただているなど浅ましいこと、と思っていました。
私はこのように、自責、自虐の感情を常にまとって生きてきたんですね。
後で長男に、言ってくれた言葉の真意を尋ねてみました。(次男は理由もいっしょに伝えてくれたので、長男に。)口をついて出た適当な言葉ではなかったそうで、二度目の感動が込み上げました。
理由を説明するのは難しいらしいです。ただ、あーだらこーだら話してくれる長男の理由を私なりに解釈すると、こんな感じかな、という理由ができあがりました。
不安定で不完全な人間である存在が、身近にいてくれると(それが母親だなんて身近過ぎますけどね)、それでもなんとかなるんじゃないかと思える安心感があること。
落ち込んだ人間が立ち直ったり起き上がったりする過程を目の当たりにすることは、今後の自分の将来にとって、大きな参考になるということ。
と、こんな感じのことを話してくれました。
なんにもできない自分を肯定したい理由ではないのですが、こんな、理解し難い病気持ちの親でも、私でも、居ることだけでもできていたら、オッケーなんだと考えるようになりました。
ただいるだけで
たくさん伝えてきたはずの言葉は、こんなに魔法の言葉でした。
相田みつをさんは、やっぱり素晴らしい。
そしてまた、私は子どもに生かされております。
これからは、もっと心を込めて、みつをさんの言葉を伝えていこうと思いました。
ただいるだけで、いいのです。
尊いのです。
あなたも、あなたも、あなたも。
そんなあなたに、私もなりたいです。
***
最後まで読んでくださり、ありがとうございました🌹
あなたに、心を込めて、エールと感謝を贈りたいです。また、お会いしましょう💫
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