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【躁うつと生きる】死んではいけない
死にたいという願いが、いつもある。
死にたいと思ったことの、ない人は
なんと恐ろしいことを言っているんだ、
と信じがたいものを見たような目つきで
猛反対してくれる。
死んではいけないのよ、
生きなくてはダメ、
大事な命なんだから、
生かされていることに感謝するものなの、
周りのみんなが悲しむでしょう
死んではいけない。
死にたい気持ちとずっと戦ってきて
死んではいけない理由は、
これまで五万と聞いてきたし、
罰当たりな考えなのだとわかっている。
命を最後までまっとうし、自分の人生をまっとうした人は、本当に素晴らしい。
谷川俊太郎さんも、私のおじいちゃんも。
戦前からの人生を生きてきた人の、生きることへの説得力は、凄まじい。
自死への決意の重みが違う。
様々な死をその目で見てきた上で、生きることを選び、生きる意味をひたすら考え、またはそんなもの考えることもきっぱりあきらめ、生きなければならないのだ、と全身で証明して生きておられた。
谷川俊太郎さんも、おじいちゃんも。
二人は、有名さも後世に残された遺物の大きさも全く違うけれど、私にとってはどちらの人生も、同じくらいに素晴らしい。
誰に対しても胸を張って、あの世のすべての方に自己紹介できるでしょう。
そんな姿を見ていたら、半世紀に満たない命の自分が、生きることを自ら絶ってはいけないことは、よく分かる。
そんなこと
恥ずかしくって、ちっぽけすぎて、情けなくって、死ぬことを今、選ぶことなどできようか。
死んではいけない。
それなのに感情がついてきてくれない。
心にぽっかり空いた穴に、ヒューヒューと寒くて冷たい風が差し込んでくる。
お気に入りのテーブルは、足が一本外れてから、ぴったりはまる足がない。でもお気に入りだから捨てることもしないでそれを使う。
あぁ、あの足があれば、安定するのに。
そんなこと思ったって足は急になくなったのだ。
代わりの足で踏ん張るしかないのだ。
それが嫌なら別のテーブルを探さなければいけないのだ。
それもしないなら、不安定なテーブルをこのまま使うか、テーブルをそもそも使わないか、どちらかだ。
私は不安定なテーブルに突っ伏して、このテーブルは捨てられない、としがみつく。
ぴったり合うことのない義足をはめた、その不安定なお気に入りのテーブルと、私はいつまでも一緒に生きるのだ。
自分の不安定さを確かめて、受け入れて、許すように。
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有る者に、奨励と憐憫を
未だ見ぬものに、憧憬と信頼を
読んでくださり、ありがとうございました🌹
そのことがどれだけ励みになるか知れません✨
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