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青汁製品開発に向けた市場調査2024年【企業、顧客ニーズ、素材、トレンド】

食品メーカーで商品開発をしている方、個人で青汁を作ってみたい方などに向けて、青汁市場にまつわるレポートです。
どんなプレイヤーがいるのか?、市場規模はどれくらいか?、サクッと概要が理解できる調査資料です。

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青汁に関する市場情報

青汁の市場規模

TPCマーケティングリサーチ(株)によると2022年(2022年1月~12月実績)の青汁市場は前年比1.8%増の814億円と言われており、健康食品市場の中でも非常に大きな市場です。

青汁は従来、「野菜不足の解消」を求める方の需要を支えてきましたが、近年は機能性表示食品制度の開始に伴い各社が機能性を明確に打ち出せるようになり、より積極的な健康対策に取り組む層からも支持されるようになっています。

それに伴い市場規模がジワジワ拡大し、一定の成長を継続しています。

引用元:https://presswalker.jp/press/18967


青汁への生活者(顧客)の関心・ニーズ

青汁を飲む理由として最も多いのは、「健康のため」「足りない栄養素を補うため」となっています。
あまり野菜を日常で摂取しない人にとって、手軽に野菜の栄養を摂ることができる点で青汁は便利ですね。

最近の傾向としては物価高騰の影響による節約志向の強まり、野菜不足を理由に青汁を摂取する人が増加しています。
これは青汁以外のトマトジュースでも確認されており、「カゴメトマトジュース」の2023年の出荷量が、比較可能な2007年以来最大であった2022年の出荷量を約15%上回り、最大値の記録を2年連続で更新しました。

主な青汁企業

青汁市場へ参入している企業は数多くあります。
代表的なプライヤー、競合製品を見てみましょう。

主要なプライヤーとして、アサヒ緑健、FABIUS、世田谷自然食品、キューサイ、ファンケル、日本薬健をピックアップしました。

アサヒ緑健・緑効青汁

引用元:公式サイト

青汁専門メーカーで売上83億を占める、No.1プレイヤーがアサヒ緑健・緑効青汁です。
90袋入・¥9,980 円(税込)で販売しており、粉末タイプを販売しています。
大麦若葉・オリゴ糖・乳酸菌を配合した王道の青汁になっており、野菜不足解消だけでなく整腸訴求にもなっています。

FABIUS・すっきりフルーツ青汁

引用元:公式サイト

青汁王子が経営しているFABIUSが生んだ大ヒット商品で、2017年に「すっきりフルーツ青汁」が累計1億杯を超えた大ヒット商品となり、年商100億円overを達成しました。

30包・4,176円(税込)で販売しており、粉末タイプを販売しています。
青汁=美味しく無いというイメージがありましたが、フルーツ味で美味しくすることで若い女性にヒットしました。

様々な栄養素が入ってることからダイエット中の栄養補給として、野菜不足が気になる人も手軽に栄養を補えます。

今は定番のフルーツ青汁というジャンルを新しく切り拓いた偉大な製品で、これを機に甘くて美味しい青汁が増えました。

世田谷自然食品・乳酸菌が入った青汁

引用元:公式サイト

売上200億を超える世田谷自然食品の定番商品が「乳酸菌が入った青汁」シリーズが6億杯突破。
青汁に関する調査で「腸内環境」への期待が大きいことから、乳酸菌入りを推した製品も多く販売されています。
こちらは美味しさが特徴で、95%の方が飲みやすさを実感しています。

乳酸菌が入った青汁:30包・3,996円(税込)
乳酸菌が入った青汁プレミアム:30包・4,536円(税込)

テレビCMで販売しており、粉末タイプを販売しています。

キューサイ・THE KALE

引用元:公式サイト

「まずいー!もう一杯!!」のキャッチコピーで広く知られるキューサイ青汁は、40周年を記念して「THE KALE」シリーズのデザインを刷新。

まずいでブランディングしていたケール青汁ですが冷凍から粉末に変わり、多くの方に美味しいと支持されています。(冷凍タイプも今も販売されています)

ザ・ケール ミニスティック(30本)は3,402円(税込)で販売しています。


ファンケル・1日分のケール青汁

引用元:公式サイト

ファンケルは1日分のケール青汁を展開しており、青汁単体で売上20億ほどあります。
コンセプトとしては1日分に必要な緑黄色野菜量120gが摂取できる青汁という点で、乳酸菌を入れた青汁、タンパク質を強化した青汁などの「1日分のケール青汁」シリーズがあります。

参考:https://www.fancl.jp/ir/library/finance_data/pdf/2303setsumeikai.pdf

「1日分のケール青汁」の栄養価の高さ・美味しさのPRするため、児童向けの長期摂取を実施しています。
ケール青汁を1杯継続して飲むと、小学生の身体発育・健康維持にプラスになることが確認されており、野菜嫌いな子供でも毎日飲めると嬉しいですね。

日本薬健・金の青汁

引用元:公式サイト

日本薬健は大麦若葉粉末100%青汁である「金の青汁」を中心に展開している健康食品メーカーです。
純国産の大麦若葉を新鮮なまま製品化した飲みやすさが特徴でドラッグストアを中心に展開しており、出荷数No.1の青汁です。

95パック・2000円ほどでAmazonで販売されています。

松平健さんを起用したTVCMは「マツケンサンバⅡ」をオマージュした「薬健サンバ」は非常に印象的です。

新日本製薬・Wの健康青汁

引用元:PR TIMES

機能性表示食品の青汁市場において国内売上No.1なのが、「新日本製薬・Wの健康青汁」です。
「Wの健康青汁」は肥満気味の方の体脂肪や血中中性脂肪の減少を助けるエラグ酸と高めの血圧を下げる働きがあるGABAを配合した機能性表示食品います。

大麦若葉で野菜摂取でき、エラグ酸・GABAの体脂肪・中性脂肪がケアできる青汁です。

1.8g×31本/税込 4,320円で自社ECで販売されています。

青汁の製品開発に関わる情報

青汁製品開発に関わる情報として、青汁の定義、青汁原料、青汁の栄養素・機能性を整理しました。

青汁の定義

青汁はケール・大麦若葉など緑色野菜を絞ったものです。
「水に溶かして飲む粉末タイプの青汁」「缶・PETなどの青汁飲料」「冷凍青汁」などが販売されていますが、圧倒的に人気があるのが粉末タイプの青汁です。

青汁の原料に関する情報

青汁の原料として使われる野菜はさまざまですが、一般的によく使われる野菜の種類としては、以下の4つが挙げられます。

  • 大麦若葉:青汁で最も定番。栄養素がバランスよく含まれています。

  •  ケール:青汁で二番目に人気。緑黄色野菜の王様と呼ばれ、栄養価が高い野菜です。

  • 明日葉:古くから不老長寿の野菜として親しまれており、明日葉にしか含まれていないポリフェノール「カルコン」や「クマリン」は、美容や健康維持に役立つ成分として期待されています。

  • 桑の葉:桑の葉のみに含まれるDNJ(1-デオキシノジリマイシン)という成分は血糖値を抑える効果が期待されています。

4つの青汁素材がよく利用されますが、青汁の中で最も一般的な「大麦若葉」です。

大麦若葉に関する、栄養素・機能性に関する知識

・大麦若葉の野菜量
大麦若葉粉末1gは生野菜:約12.5gに相当します。(参考:日本粉末薬品)
こちらは定義ではなく、原料の加工方法に由来する目安です。

・大麦若葉の栄養素
大麦若葉の粉末3g(青汁1杯)に含まれる栄養成分は以下の量になっています。
食物繊維・ミネラル(鉄、カルシウム)、ビタミン(葉酸、ビタミンB2、ビタミンE)が豊富に含まれています。

引用元:日本薬健

大麦若葉の機能性
トクホ
として認められている訴求として、大麦若葉由来食物繊維の作用として食後血糖値上昇抑制が認められています。

機能性表示食品として認められている訴求として、大麦若葉由来食物繊維として以下2つが認められています。機能性成分配合量としては、大麦若葉由来食物繊維含有量:0.7gです。

  • 腸内環境を改善する(善玉菌である酪酸菌・乳酸菌を増やす)機能

  • 肌の潤いを維持して肌の健康を守るのを助ける機能

その他研究として、大麦若葉末で免疫機能向上が人試験でも確認されています。


大麦若葉の栄養素・機能性に関するまとめとしては、以下になります。

  • 栄養素として、食物繊維・ミネラル(鉄、カルシウム)、ビタミン(葉酸、ビタミンB2、ビタミンE)が豊富。

  • 機能性として、食後血糖値上昇抑制・腸内環境を改善・肌の潤いを維持が期待できます。

  • 研究成果の1つとして、免疫機能向上。

大麦若葉は栄養素だけでなく、健康・美容に関わる機能も期待できる素材です。

青汁に関する今後のトレンド

TPCマーケティングによると、青汁市場の成長は機能性表示食品の拡大が大きいと言われています。
青汁の目的である「野菜摂取」に加えて、乳酸菌などの機能性成分を配合した青汁がトレンドとなっています。

青汁市場は2020年以降プラス成長を維持していますが、これは特に機能性表示食品の拡大によるところが大きくなっています。機能性表示食品は、野菜不足を補うという青汁本来の役割に加え、血中中性脂肪の減少や血圧低下、腸内環境改善といったプラスの健康価値をわかりやすく訴求することで、健康数値が気になる中高年層などの需要獲得に成功しています。

https://www.tpc-cop.co.jp/topics/3761/

機能性表示食品として流通している青汁へ配合される機能性素材としては、乳酸菌・GABAなどの少量添加で効果を発揮する素材が人気です。
やはり、青汁素材をある程度配合するために、機能性素材の量はあまり添加できない傾向が見て取れました。

また、青汁に限ったトレンドではありませんが、機能性表示食品全体で他社との差別化戦略の一環としてヘルスクレームを複数訴求する、マルチヘルスクレームの機能性表示食品が増えています。

まとめ

青汁開発に役に立つ情報を整理しました。まとめとしては以下になります。

  1. 青汁市場の概況

    • 2022年の青汁市場規模は814億円で、前年比1.8%増。

    • 青汁は健康食品市場の中でも大きな市場であり、機能性表示食品の普及により需要が拡大。

  2. 生活者の関心

    • 青汁を飲む理由は健康のためであり、野菜不足を解消する手段として利用されています。

  3. 主な青汁メーカーと商品

    • アサヒ緑健の「緑効青汁」、FABIUSの「すっきりフルーツ青汁」など、多くの企業が青汁市場に参入しています。

  1. 青汁の製品開発に関する情報

    • 青汁は大麦若葉、ケール、明日葉、桑の葉を主に使用されています。

    • 大麦若葉はビタミン・ミネラルなどの栄養素だけでなく、血糖値上昇抑制、腸内環境改善、免疫機能向上など機能が確認されています。

  2. 青汁の今後のトレンド

    • 機能性表示食品の拡大が青汁市場の成長を支えており、特に中高年層などの需要が増加。

    • 機能性素材として乳酸菌やGABAなどの添加が人気であり、青汁開発において注目されています。

以上、商品開発の参考になれば幸いです。


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