横浜市陶芸センター
🍵横浜のやきもの眞葛焼を推し続けるnoteに
ようこそお越しくださいました🦀
🍵私がこのnoteという配信サイトで眞葛焼の普及活動を始めてから
早6カ月、
半年の月日が経ちました。これからも、自分に出来る事を探し続けます。
🍵今回は7月10日に行った横浜市陶芸センターのご報告になります。
目次からお好きなチャプターをお読みになれます。
今日のひとり言
天目茶碗の記事が流れてきたのでシェアします。
東福寺、土岐、可児、各地の陶芸家が再現を試みていますが、特筆して九代目長江惣吉さん、彼が開発した曜変天目の作りかたのノウハウは一般公開されています。22年間の研究の集大成です。
本当にすごい熱量、忍耐力です……永遠に解けない謎だと思っていました。しかもそれを広く人々に知らせるというお考えも粋です。
前回までのあらすじ……
眞葛焼復興のアイデアとして情報収集していた、使用済陶器の再利用ですが、国立国会図書館でリサイクル粘土に強い岐阜の機関の研究資料を読んだり、関係者にお話を伺ったりしたものの、実現は難しいと判明。
周りから「活動やめたら?」と勧められ、呆然と過ごしていた私。
自分の尻をたたくつもりで今後の普及活動のフローを作って「さあやるぞ!」と半ばやけっぱちに締めくくったのが前回までの記事でした。
あれから、横浜市陶芸センターへ
7月10日。
電車と🚃バス🚌に揺られること1時間半。
根岸駅からバスに乗ったのですが、桜木町駅からバスに乗った方が早かったみたい💦
三渓園の南門そばに、横浜市最大の陶芸施設、横浜市陶芸センターはあります。
受付の戸を開けると、所長さんと女性の職員さんがお二人で出迎えてくださいました。
暑かったでしょう、と冷たいお茶とお菓子を出して下さり、リラックスした空間にすっかり癒されました。
私が到着した12時過ぎは、利用者が度々出入りして賑やかでしたが、1時間もするとすっかり人出は落ち着きまして、ガチガチの取材というよりは、まったり雑談という形でお話をしました。
まず私の活動の動機の説明から始め、普及活動の仲間集めが難航していること、眞葛焼復興のためリサイクル粘土の情報収集をしているというお話をしました。
リサイクル粘土の現実
横浜市陶芸センター所長の立花隆之さんは、10年ほど前に安諸一朗さんにお会いした事があるらしく、
とのことで、この後に衝撃の事実が明かされます。
「エントロピー熱学の観点からいって、
エネルギーはどこかを削ってもどこかが必要になり、
全体の効率を改善するのはとても難しいんだよ」
安諸さんが「理系じゃないと分からないよ」と断言されていたのも今はよくわかります。ネットでアレコレ調べてみましたが、サッパリです😭😭
分かりやすくリサイクル粘土の例で言うと、
リサイクル粘土の焼成温度を大幅に下げる事は、
大量廃棄される陶片の再利用には最適だが、
都市の脱炭素化に直結するとは限らない
ということになります。
つまり、リサイクル粘土で作った眞葛焼をゼロ・カーボン・ヨコハマのタイアップで売り出すという発想そのものが、破綻しているのです。
(脱炭素化という取り組みそのものが……という面も……😨)
リサイクル粘土の審美性(釉薬の発色など含め)と可塑性にも懸念が。
また、低火度で焼成した再生陶器は、安諸さんのように専門知識に裏づけされた技術がある人が担いきちんとした工程を追わないと、人体に害のある薬品が溶け出し、健康被害が出る場合があるそうです。海外の安い陶はエネルギーコストを削減しているため、購入時は先の問題を考慮する必要があります。
リサイクル粘土は安諸一朗さんが日本社会に残した宿題です。
素人がポンと手を出せる分野ではないのは分かっていたつもりでしたが、ここまでとは……
セルベンを食器として再生する手段をとるケースが少ない理由が分かってきました。
タイルなどの床材なら、確かに口に触れることはありません。
リサイクル粘土で眞葛焼復興は出来ない
ここまでハッキリしたので、もう関連付けて調べるのはやめようと思います。ただ、リサイクル粘土を調べることで、色々な知見が拡がり、視野も拓けました。
アイデアを出して下さったHamsaさんには、変わらず敬意と感謝を捧げます。
横浜市陶芸センターで得たもの
とにかく、ここの方々はとても親切でお優しい。
あんぱんとか飴ちゃんとか、最後はカップラーメンまでご馳走してくれようとしていました。帰りのバスも調べて下さって、分かり易く記したメモまで持たせて下さって…🥰
「自分のペースで焦らずやるといいよ」
「なによりも『楽しく』やらないとね」
「先にこれをやると宣言すると、かえって意欲がなくなるよ」
「あんまり熱量を込めると、人は集まらないよ」
「一度、立ちどまって考えなさい」
「横浜のやきものの将来を考えるために人を募るのは、いい事だと思うよ」
色々な言葉をいただきました。
なんだか、胸がスッと軽くなりました。
陶芸の専門家である以前に、人生の先輩である立花さんのお話を聞く事は、今の私にとても必要なことだったと強く思います。
聞くところによると、やはり横浜の陶芸作家さん達に横の繋がりはありません。つまり、私が作るしかないのです。
横浜市陶芸センターの所長さんはじめ、職員の方々のあたたかい眼差しの中、若い世代がこの充実した施設で育っていることにとても感激した一日でした。
行動して良かった。素晴らしい人達に会えた。
私はこれからも、学ぶことができる。
なんて幸せなんでしょう。
帰り際に、施設内を案内して頂きました。
さいごに
立花さんのお話によると、現在の釉薬の色彩のスケールは、明治当時と遜色ないそうです。原料枯渇は国内に限るようで、輸入すれば手に入るとのこと。つまり、眞葛焼の釉下彩も高浮彫も、技術さえあれば、現代でも再現可能というわけです。山本さんと初めてお会いしお話を伺ったのは1年程前でしょうか。その頃から情報が更新されました。
私の眞葛焼の普及活動はまだ始まったばかりです。
立花さんから三渓園の招待券を頂いたので、そのまま帰りに寄りました。
中央を突っ切って正門から出て、バスまでスムーズに到着。
なんとも濃い一日でした。
立花さんから、色々と参考になる、たくさんのプリントを頂きました。
現代作家で眞葛焼のような精密彫刻の作品をご夫婦で作っていらっしゃる、
伊藤嘉英さんそして早苗さんという方に、今度はお会いしたいと思います。
次回は、7月13日に行ってきた「登り窯と永田の自然を守る会」のイベントのご報告になります💗