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【読書】本質を見極めても、温かな眼差しを持っていたい:FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
らむです。
今日は最近読んだ本、「FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」について綴っていきます。
手に取ったきっかけ
数年前に勤めていた会社には、福利厚生の一つにカフェテリアポイントという制度がありました。毎年ポイントが付与されて、様々なサービスに使用できるもので、書籍購入もサービスに含まれていました。毎年そのカフェテリアポイントで、まとめて本屋さんで人気が出ている書籍を購入していました。ただ、当時は忙しくて全て読みきれないことが多く、この本もせっかく購入したのに読めずにいました。
ところがどっこい、昨年末の大掃除で、クローゼットの奥にしまっていたのを発見。この機会を逃さないように、年始から読み進めていくことにしました。
本質を見極めても、温かな眼差しを持っていたい
2019年1月15日に初版が発行されているため、発行から6年が経過している本です。それなりの期間が経過しておりますが、著者が伝えたい核となる内容は色褪せることなく、むしろなぜ、もっと早く読んでおかなかったのだろうか、私にとってはそんなふうに思える本でした。
本書で扱われているデータは6年前の本ですので、今読むとほんの少しだけ時差を感じることもあるのですが、データを用いて、客観的な判断をすることの重要性を、多くの問いかけとともに改めて読者へ教えてくれます。私自身が当たり前と思っていたり、自信を持って認識している(つもりの)、世の中に対する様々な事柄は、もしかしたら間違っているかもしれない、偏った考えなのかもしれない。だから改めて、謙虚かつ正しく世界を見通す力をつけなければいけないなと、単純に世の中のデータに基づいた知識を得るだけでなく(それだけでもとてもタメになる読書体験でしたが)、自身の世界や物事の見方や捉え方を見直そうと、身を引き締められるような経験をしました。
身を引き締められると記載しましたが、本書は決して堅苦しい本ではありません。終始穏やかな文調でありながら、時には少しユーモアを含めた表現の説明もあったりして、まるでハンス・ロスリング先生の講義を受けているかのような感覚でサクサクと読み進めていくことができました。今後、本の細部は忘れてしまうと思いますが、講義のような一連の流れで読むことができたため、きっと私はFACTFULNESS(ファクトフルネス)という言葉さえ覚えていれば、世の中や自分の周りを取り巻く事柄に対して、正しい見方を心がけようといった姿勢を維持できるような気がします。
本書を通して、自身が陥りがちな思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣を得られたとして、合わせて、その後の心構えも、見据えていかなければいけないなと、読後に感じました。
今の世の中は、不透明で先行きが見えないことばかり。手軽に情報は得られるようになりましたが、情報は溢れかえり、玉石混交な状況になっているように感じます。多くの情報は綺麗な部分ばかりが、綺麗に切り取って映し出されることに加えて、過度な煽りを与えるような情報も目の付きやすいように出てきたりします。自然と不安や焦りばかりが募るような気持ちになったりしてしまうこともしばしば。極力そういった情報を避けようと努めても、なかなか全てを遮断するのは難しいもの。そんなときこそ、FACTFULNESS(ファクトフルネス)の出番で本質を見極めるべきなのですが、データを基にした本質と合わせて、なぜこの情報が発信されているのか、どういった意図や背景があるのか、可能な限り、もちろん自身が疲れすぎてしまわない程度に、考えていきたい。本質を追求しすぎると、シビアな目線や、ドライな気持ちに自然となってしまい、むしろかえって相手を傷つけてしまったり、ネガティブな影響を与えてしまう可能性もあるかもしれない。本質を見極めつつ温かな眼差しを持って、この世界をはじめ、自身を取り巻く環境と上手く付き合って、生きていきたい。そんな気持ちもふと思わせてくれた一冊でした。
最後に本書の中で、一番印象に残った一文も引用させていただきます。
数字がなければ、世界は理解できない。
でも、数字だけでは世界はわからない。