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[8/16]ミシガン大学消費者信頼感指数は、やや改善も選挙戦の影響を反映:ミシガン大学社会研究所による


 日本時間の昨夜、ミシガン大学消費者信頼感指数の8月の速報値が発表され、予想値66.9のところ、67.8と1.1ポイント、消費者が感じる景況感が向上していることが示されました。

 このミシガン大学消費者信頼感指数は、3つの分野、1)消費者自身の財務状況の先行き見通し、2)短期的な経済全体に関する先行き見通し、3)長期的な経済全体に関する先行き見通しの3つの分野に焦点を当てたアンケート調査結果を基に、月次で発表されるものです。毎月行われるアンケート調査に含まれる50項目の設問に基づいて消費者のセンチメントと彼らの将来予想を追跡しています。調査は、アラスカ州とハワイ州を除くすべての州を対象に行われ、統計的に米国世帯を代表するようにサンプリングされ、毎月500人以上に電話インタビューが実施されているものです。

 今回は、この調査を実施しているミシガン大学社会研究所の消費者調査部門のディレクターであるジョアン・W・シュー氏からのインタビューがBloombergから届いていますので、紹介したいと思います。

[主なトピックス]

  • 全体的な消費者センチメントは横ばいながら、民主党支持者のセンチメントが向上し、共和党支持者は減少。選挙が近づくにつれ、さらに変動の可能性あり。

  • 消費者は物価に不満を抱いており、インフレの安定を期待。

  • 労働市場に対する懸念は少ないが、金利低下を予想する消費者が増加。

  • 労働市場の軟化があれば支出抑制の可能性





(1)インタビュー

[Bloomberg]
 
今回の結果はあまり動きがないように感じますが、現状維持といったところでしょうか。これらの数値について詳しく教えてください。

[ジョアン・W・シュー](ミシガン大学社会研究所)
 全体的には、先月とほぼ変わらない結果となっていますが、実際には人口の中でかなり大きな変動が見られます。まず、選挙関連のニュースが大きく取り上げられている影響がデータに反映されています。
 今月は民主党支持者のセンチメントが6%向上しましたが、共和党支持者は5%減少しています。これらの変動はすべて将来の期待に関連しており、現在の評価には影響していません。これは、カマラ・ハリス氏が民主党の新たな候補者となったことが、将来の見通しに影響を与えるが、現在の状況には直接影響しないため、納得できる結果と言えるでしょう。

[Bloomberg]
 選挙が近づくにつれて、それがどのように推移するとお考えですか?

[ジョアン・W・シュー]
 選挙が近づくにつれて、状況はさらに変動する可能性が高いです。8月中旬の時点では、消費者は選挙結果を予測し始めていますが、キャンペーンが進行するにつれて、有権者の期待が変化し、その結果、マクロ経済に対する見通しも変わっていくでしょう。
 選挙戦の動向によっては、経済政策に関する議論が盛んになり、それが市場や消費者心理に影響を与えることも予想されます。

[Bloomberg]
 将来の期待や現在の状況に関して何か改善点はありましたか?

[ジョアン・W・シュー](ミシガン大学社会研究所)
 現状の状況にはほとんど変化が見られませんでした。むしろ、わずかに低下したと言えるかもしれません。消費者は引き続き物価に対して強い不満を抱いており、それが最も高い関心ごとになっています。それでも、インフレが安定するだろうと期待しているようです。今月のCPI発表や他のデータに対する反応はほとんどなく、むしろ今月中に自身が経験した買い物や周囲の物価を見ての感覚が反映されているようです。

[Bloomberg]
 報告書を見ると、回答者の35%が来年失業率の上昇を予想している一方で、金利が低下すると予想する人が増えていることがわかります。このような予想が消費者のセンチメントにどのように影響し、今後数カ月でどのような状況になると考えられますか?

[ジョアン・W・シュー](ミシガン大学社会研究所)
 現時点で消費者は、労働市場の軟化についてそれほど心配していません。失業率が上昇すると予想している35%の割合は先月と変わらず、安定しています。また、収入の期待はわずかに上昇、または横ばい状態です。8月時点での消費者の労働市場に対する見方には弱まりは見られません。ただし、過去2年間、労働市場の強さが消費者支出の堅調さを支えてきたことは事実です。消費者が繁栄していると感じていなくても、消費者支出は続いてきました。ですので、もし労働市場が軟化し始めるようなことがあれば、消費者が支出を控える可能性が高いと考えられます。
 消費者が労働市場にある程度の自信を持っている理由の一つは、来年には金利が下がると予想していることだと思います。この点は、再びFRBの動向に関わってきます。

[Bloomberg]
 ご説明ありがとうございました。
 ミシガン大学消費者信頼感調査のディレクター、ジョアン・シューさんにお話を伺いました。



(2)オリジナル・コンテンツ

 オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。

Bloomberg Podcasts より
(Original Published date : 2024/08/16 EST)

[出演]
  ミシガン大学社会研究所
   
ジョアン・W・シュー : ディレクター

  Bloomberg


以上です。


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だうじょん


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