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バイデン vs. トランプ1.0:セクター別パフォーマンス簡易比較
トランプ政権2.0の船出に先立って、バイデン政権と前回のトランプ政権(1.0)の初年度(選挙日から1年間)の株式パフォーマンスをセクターごとで比較したYahoo Financeのコンテンツです。
結論としては、市場の事前予想に反して想定しなかった結果も生まれていることから、「当たるも八卦当たらぬも八卦」という微妙なストーリーが示されています。 尚、ざっとまとめると以下のようになります。
1)テクノロジーセクター
トランプ政権では140%上昇、バイデン政権では100%上昇
Apple(300% vs. 100%)やMicrosoft(240% vs. 100%)などの主要銘柄でトランプ優位
NVIDIAはトランプ政権で631%上昇に対し、バイデン政権では1,000%上昇
2)一般消費財セクター
Amazonはトランプ政権で300%上昇、バイデン政権で31%上昇
Teslaはトランプ政権で約1,000%上昇、バイデン政権では78%上昇
トランプ政権で高成長を示したが、バイデン政権では成長鈍化
3)ヘルスケアセクター
全体的にトランプ政権でのパフォーマンスがバイデン政権を若干優位
4)インダストリアルセクター
トランプ政権では約30%の上昇、バイデン政権では約50%の上昇
高金利環境がプラス要因となり、バイデン政権が優位
5)金融セクター
バイデン政権でトランプ政権を上回るパフォーマンス
金利上昇やイールドカーブの拡大、パンデミックから通常モードへの移行が要因
6)エネルギーセクター
トランプ政権で56%の下落、バイデン政権で205%の上昇
特にソーラーはトランプ政権で267%上昇した一方、バイデン政権では40%下落
1. プログラム
ブラッド・スミス(Yahoo Finance)
ウォール街では、トランプ政権が掲げるビジネス寄りの政策がエネルギーや金融などのセクターでリターンを押し上げると期待されています。ただ、歴史を振り返ると、政権ごとの市場パフォーマンスは実際どうだったのでしょうか。ここで、バイデン政権とトランプ政権1.0を比較した分析をお届けするのは、Yahoo Financeのジャレッド・ブリクリーです。ジャレッド、よろしくお願いします。
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ジェアード・ブライクレ(Yahoo Finance)
ありがとうございます、ブラッド。2017年当時、多くの人がトランプ政権下でどのような取引が活発化するか、あるいはそうならないかについてさまざまな予測を立てていましたが、その多くは外れていました。そこで、具体的にどのセクターがどのようなパフォーマンスを示したのかを整理してみたいと思います。
これは選挙日から1年後まで、つまり11月から翌年の11月にかけて、トランプ大統領が勝利した時期とバイデン大統領が勝利した時期の比較になります。
まずテクノロジーセクターについてです。このセクターは、トランプ政権下では140%の上昇を記録し、バイデン政権下では100%の上昇となりました。これをマグニフィセントセブンと呼ばれる主要銘柄を基に分解してみます。当時はFAANG指数が注目されており、Netflixもその一部でしたが、実際にはさらに大きな企業に注目が集まっています。それでは順番に見ていきましょう。
まずAppleは、トランプ政権下で300%上昇し、Microsoftは240%上昇しました。一方、バイデン政権下では、AppleとMicrosoftはいずれも100%の上昇にとどまりました。次にNVIDIAです。この銘柄もテクノロジーセクターに属するマグニフィセントセブンの一つですが、トランプ政権下では631%の上昇を見せました。ただ、バイデン政権下ではそれを上回る約1,000%の上昇を記録しています。
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次に取り上げるのはXLY、つまり一般消費財セクターです。消費財のセクターは大きく分けて2つあります。人々が欲しいものに関連する一般消費財セクターと、必要なものに関連する生活必需品セクターです。ここでは、一般消費財セクターについて見ていきます。このカテゴリーでは、AmazonとTeslaが大きな存在感を持っています。
まずAmazonですが、トランプ政権下ではほぼ300%上昇しました。当時、ベゾス氏とトランプ氏の間にあった確執にもかかわらず、このパフォーマンスを見せたのは注目に値します。一方、バイデン政権下では31%の上昇にとどまりました。次にTeslaですが、トランプ政権下で約1,000%もの上昇を記録しました。バイデン政権下では78%の上昇となっています。次の政権では、果たしてどのような結果が出るのか、注目されます。
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ヘルスケアセクターについても触れたいと思います。意外かもしれませんが、ヘルスケアセクターはトランプ政権下の方がバイデン政権下よりも若干良いパフォーマンスを見せました。
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次にバイデン政権下での成功例として挙げられるのが、インダストリアルセクターです。このセクターは、いわゆる景気循環株の一部でもあります。また、金融セクターやエネルギーセクターについても触れていきますが、そのためには10年物国債利回りを確認する必要があります。
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この利回りの推移を1980年代から振り返ると、グラフは左上から右下に向かって一貫して下がり続けてきました。しかし、最近ではパンデミック以降に状況が変化し、金利が上昇する新たな環境が生まれています。この高金利の環境では、工業セクターのような分野が他を上回るパフォーマンスを見せることがあり、実際にそのような傾向が見られました。
では、バイデン政権下での残りのセクターについて整理していきます。まずインダストリアルセクターですが、バイデン政権下では約50%の上昇を見せました。一方、トランプ政権下では約30%の上昇にとどまりました。
次に金融セクターについて見てみましょう。規制緩和が話題に上ったトランプ政権時代ですが、実際には金融セクターのパフォーマンスはバイデン政権下の方が優れていました。この要因として、10年物国債利回りやイールドカーブの拡大といった金利環境が挙げられます。これらが金融セクターに有利に働き、いわば異常に低い金利が続いた過去10~20年から、通常のビジネス環境へ戻りつつあることが追い風となったと言えるでしょう。
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最後にエネルギーセクターについてまとめますが、ここが例外的な動きとなっています。エネルギーセクターは、トランプ政権下で56%の下落を記録しましたが、バイデン政権下では205%もの上昇を見せました。これは、トランプ政権が始まった際に多くの人々が予想していた結果とは大きく異なる展開となりました。
また、TANというソーラーETFにも触れておきます。この銘柄はトランプ政権下で267%の上昇を記録しましたが、バイデン政権下では40%の下落となりました。すべてが事前の予想通りに進むわけではなく、こうした変化も興味深いポイントだと思います。
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トランプ政権の就任時を振り返ると、株式市場にとって最大の追い風となったのは、予想を下回る結果となったあの大きなCPIレポート、つまり消費者物価指数の発表だったと思います。インフレ率が期待よりも低かったことで、市場全体にプラスの影響を与えました。
これらすべてを踏まえると、2025年も非常に興味深い展開が待っているのではないでしょうか。
シーナ・スミス(Yahoo finance)
そのような状況になりそうですね。ジャレッドさん、ありがとうございました。
2. オリジナル・コンテンツ
オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。
Yahoo Financeより
Yahoo Financelished date : 2025/01/17 EST)
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だうじょん
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