2023年に読んだ印象的な本ベスト11+α
過去最大ボリューム、2023年のベスト10ならぬ11+αの物語です。
クロマトピア ー色の世界ー 写真で巡る色彩と顔料の歴史
顔料の歴史、素材(鉱物や樹脂、虫から化学物質まで)、それらを使用した芸術家などのストーリーが、この上もなく美しい写真とともにおさめられた色の図鑑。帯の言葉は、壮大なファンタジー物語のよう。
数ページ試し読み可。
この本だけのブックレビュー
たくさんのふしぎ 2023年10月号「いろいろ色のはじまり」
前から好きな鉱物、絵を描くようになって更に興味が深まった。秋には顔料(水干)と何種類もの土と蜜蝋でクレヨンをつくる日本画家のワークショップに参加した。この本は大好評につき売り切れたはずなので、単行本での発売をお楽しみに。近いテーマで鉱物&元素寄りのこちらは2022年の「たくさんのふしぎ」に加筆された単行本、2024年1月10日発売。(紹介だけ)
色を歩く
自動筆記によって紡がれた言葉と絵の作品集。無意識の世界から宇宙へと繋がっている感覚を拡げてくれる。
脳味噌で解釈しようとしても無駄なのに「なんだこれは!?」と本を開くたび思う。ビブリオマンシーとして使うこともできるけれど、なかなか手強い。文章全体ではなくピンときた単語あるいは作品番号、もしくは絵、何かを感じて潜在意識のメッセージを掬い取ろうとする。そもそも正しさなんてない、自分の感覚が全て。それを鍛えられる。
2023年2月に見た矢野ミチルさんの新作「魔法の庭」は本当に素晴らしくて、そこに描かれた世界をわたしは「知っている」と感じた。その数か月後、名作文学の中の不思議な庭と再会する。
秘密の花園 新装版
子どもの頃に読んだけれど詳細は忘れていた。大人になったからこそ感動するシーンがたくさんあって何度も泣いた。
ヒースやハリエニシダが咲き乱れるムーアやメアリーたちの秘密の花園(魔法の庭)、ディコンの畑の描写には生きものたちの気配と彼らへの愛が感じられ、第六感まで総動員して読んだ。
矢野ミチルさんの「魔法の庭」原画を初めて見た時は水の音が聴こえてきた。はっきりとは描かれていないけれど、絵の世界に水の存在を感じたのだろう。そうやって絵を見るのと同じ感覚を小説を読む時も使っているみたい。それを可能にする作者の表現が素晴らしい。
日本語訳は1カ所だけ「ら抜き」があって、この年代で既に!?やめて~(涙)。あとの訳は概ね良かった。初版2006年。
飛行士と星の王子さま: サン=テグジュペリの生涯
とにかく絵に衝撃を受けた、ピーター・シス。彼の作品は2024年ベスト10にも入るので、紹介はそちらで詳しくする予定。魔法使いに違いない!
アーサー王の剣
これも魔法。
県立図書館で年に一度、仕事用に約300冊の本を借りる。アーサー王物語をあまり知らず興味があったので棚から抜き、表紙で即決。有名な「エクスカリバー」の話、特筆すべきはストーリーを越えるほどの印象を残す画力(魔力)の凄まじさ。ここまで紹介した画家は3人全員、錬金術師の疑い。笑
この人、何者!?とエロール・ル・カインについて調べ、つい最近買った画集が素晴らしすぎて悶絶しまくり。
わたしの誕生日に初めて出会ったことにも縁を感じる。数秘を読んでみたら、やっぱり!同じ数字を2つ持ち、もし生きて出会えていたら互いに学びあえる最高の関係性。だけどル・カインが与えてくれるほうが多い(師匠)。1941年3月5日生まれ。
宇宙を回す天使、月を飛び回る怪人
美術館の図録のように楽しめるクオリティ。天文学は数学で、音楽で、物理学で、哲学で、アート。つまり生きていくのに必須。これを読んだ10月末は惑星音階を研究中だったけれど、本書にその情報はなかった。ウィリアム・ハーシェルが天王星を発見した経緯も違うニュアンスで書かれているが、眺めるだけで満たされる。いつか買いたい。
次は変わりネタ。
生きもの毛事典
過去記事でも紹介した文一総合出版さんが最高すぎる!あとで書く感覚過敏の話にも繋がる。
動物と言えば、クサツネと旅する高田さんに会えたのが、ほんっとうに嬉しかった。奇跡の連続で2回も会えて、自分が幼少期に育った牧場へ案内することができた。夢みたい。
ロバのスーコと旅をする
中東~モロッコをロバと歩いて旅した日々。日本ではありえない怖い体験にドキドキする。わたしは誕生日を「ロバの日」と呼び、飼うことを考えたことがあるくらいだけれど、もっと好きになった。重い荷物を背負って文句も言わず歩き、しょっちゅう道草して、時に脱走したり悲痛な鳴き声を上げたり(メスにフラれるくだり!笑)、飼い主が変わっても平然としているようでいて、親密になるには少し時間がかかる。そんなロバの生き様から学ぶこともある。
会ってから1カ月ほど経ったころ、仕事でロバの本の展示コーナーを作った時の写真を高田さんに送ったら、SNSで紹介してくれて嬉しかった。
高田さんは目的があるんじゃなく、ロバと旅したいから一緒に歩いている。そこが素晴らしい。ロバが美味しそうに草を食んでいたり、きもちよさげに砂浴びしていたり、広いところで走り回っているのを見るのが幸せ。そんな高田さんとクサツネの日々の景色を時おり見せてもらえて、わたしも幸せ。
小さな幸せ46こ
久しぶりに読んだ好きな二大作家から。温泉の古本コーナーで迷わず買った。激動すぎるこの1年は嬉しいことも辛いことも両極端。死んでは生まれ変わるような事を何度も繰り返して疲弊していた日々、枕元に置いて時々おもいだしては、1つ2つ読んであったまって寝ていた。
いちばん好きな「数えられるからこそ」の最後の部分。
タイニーストーリーズ
ばななさんの本にも登場した詠美さん。短編集の中で秀逸すぎてしびれたのが「電信柱さん」。他の作品も米軍基地でのラブストーリーから、何とも怪しい世界(ヒトの心というか細胞の襞)をのぞき見してしまった!あわわわわ・・・というおそろしげな後味を残すものまで多種多様の詠美節。「電信柱さん」は悲喜こもごもだけれど可愛らしく、そして切ない。詠美作品ベストテンを上げろといわれたらランクインする。
それにしても、怖い女になりたくない。自分の執着した行動に、死にたくなるほど反省した。でも今は違う!過去を振り返ってネガティブループにハマるのは終了。
生き方が変わったきっかけ賞「あなたが目覚める愛と性のギフト」
ヒーリング関連は別の記事で紹介したいけれど、女性性と男性性の問題を解決できたことは本当に大きかった。同じように取り組んでいる魂の友から情報が来ることが多い。
1冊だけ入れるなら、10年以上前にマーマーマガジンを通して知っていて、ようやく会えた夏目祭子さん。小柄で細くて可愛らしいのにパワフル、会った瞬間「龍の目をしている!」と思った。
夏から冬至の頃まで様々な方法で取り組んだ問題は、一旦整理がつき、生きるのがずいぶん楽になった。20代の頃に比べたら自己肯定できていると思っていたけれど、否定する部分がまだまだ奥の方にごっそりあった。女性の場合は女性性ばかりに目がいきがちだけれど、自分の中の男性性も受け入れて癒すことが鍵。わたしは一般的な女性より相当「男性性」が多めだけれど、原因やら何やら色々と分かり、自分を本当に好きになれて良かった。
外側に起こる(ように見える)問題は、自分の内面が反映されているだけ。自分の内側が平和になったら大丈夫。それは感覚過敏でも同じだった。
応援したい未成年賞「感覚過敏の僕が感じる世界」
加藤路瑛 :出版当時16歳、感覚過敏研究所所長。株式会社クリスタルロード代表取締役社長。
年明け早々に読んで共感したり驚いたり、足りない視点にツッコミを入れたり。わたし自身も感覚過敏だけれど、これほど重症な方の幼少期からの記録と家族の思いに触れたのは初めて。何も知らない人に読んでもらうにも良い。
感覚過敏を伝えることは大変だが「自分だけが我慢するのではなく、やりたいことをやって生きる」ためには必要な試練。工夫して伝えてみてもダメなら、その場を去るのみ。
当事者は、自分の体質が分かった最初の頃に読むと救われることもあるはず。わたしは年季が入ってきてその段階じゃないけれど、励まされる部分もあった。ちなみに、事故で脳を損傷すると感覚過敏になる場合があると書かれていて、それもある!と思った。
わたしは、食事の改善や瞑想も含め療養中にあらゆることを徹底的にやったので、脳挫傷だけが原因ではないと思う。高次脳機能障害を疑ったり事故の後遺症で障害者手帳を持つべきかと悩んだ時期もあったけれど、今や全く考えなくなった。2023年10月で事故から15年経ち、少なくともこの何年かは後遺症もパニック発作もなく、他人の事故(死にかけレベル)の話を聞くと多少「うぅ・・・」ってなるくらい。
本の中では最重要事項ではないと思うけれど、一番共感した本質の部分。
それをテーマに描いたドローイング。
以前、感覚過敏について(仕事上)辛いと話をしたら「犬並みに感覚鋭いの?と」無邪気に問われた。いやさすがにそれはない!と笑って返したけれど、分かりやすいならそう思ってもらう方が楽かもと感じていた。それが、大浄化の初期段階で(春ごろ)香りに対する過敏性が和らいできた。
誤解される危険性があり安易に言えないけれど、「恐怖」が過敏さを増幅させることは既に分かっていた。そのことが、自分の内面が変わる体験で完全に腑に落ちた。香りとは全く関係のない感情や体験を次々に癒していたら、香りへの拒絶反応(閾値)が変化した。今までなら会った瞬間に後ずさっていた人とも、数分は近距離で話して大丈夫。仕事を辞めたいと思うほどだった香害で、ひどく辛い思いをしなくなったのは救い。ただ、自分の左側にぴったり座られると、やはりキツイ!
*
地球暦で過ごすようになってからグレゴリオ元旦よりも立春が新年スタート(第2地点が春分)で、今まさに1年を振り返り新年に備えようとしている。大激変が起こり始めたのも2023年1月半ば以降、正確には1月17日に友人へ初めてカードリーディングをした日。トリガーは自分用に引いた「17 香水」。この頃は数秘との合わせ読みをしていないけど、今なら17の意味が山ほど分かる。
まさしく「香水」に導かれた12月末の旅で出会い、2024年1月早々に読んだ本が、すでに今後の自分の道を教えてくれた。思えば2023年からサインは何度も来ていて、2024年に繋がっていく∞
シリーズ過去分(2020年〜)やブックレビュー等は読書小屋へどうぞ📖
この記事が参加している募集
よろしければサポートをお願いします。クリエイティブな活動をしていくための費用とさせていただきます。