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家族性高コレステロール血症(FH)について 総論

家族性高コレステロール血症(FH)について知っていますか?
遺伝子の異常によって引き起こされる重要な脂質異常症の一つです。
今回は、この疾患について詳しく解説していきたいと思います。
いつもとは少し趣が違ってきますが、『僕』は臨床検査技師ですので、最近はこういう病気がトピックなんですよっていうものも取り扱っていこうと思います。

家族性高コレステロール血症とは?

FHは、主にLDL受容体遺伝子の異常により、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が著しく高くなる遺伝性の病気です。
日本では約300人に1人の割合で発症すると言われており、決して珍しい病気ではありません。

特徴的な症状

この病気の特徴的な症状として、腱黄色腫という症状があります。特にアキレス腱の肥厚が見られることが多く、他にも肘や膝などの関節部位にも黄色い腫れができることがあります。また、目の周りに黄色い斑点(眼瞼黄色腫)が現れたり、角膜の周りに白い輪(角膜輪)が形成されたりすることもあります。

健康への影響

FHの最も重要な問題点は、若いうちから動脈硬化が進行しやすいことです。治療をせずに放置すると、40代という若さで心筋梗塞や狭心症などの重篤な心臓病を発症するリスクが極めて高くなります。実際、FH患者さんは一般の方と比べて、冠動脈疾患を発症するリスクが約13倍も高いとされています。

診断と発見

診断には、高LDLコレステロール血症(未治療時180mg/dL以上)、腱黄色腫の有無、FHや早発性冠動脈疾患の家族歴などが重要な判断材料となります。最近では、遺伝子検査も診断に活用されています。

治療方法

FHの治療は、主に薬物療法が中心となります。スタチンと呼ばれるコレステロール低下薬を基本に、必要に応じてエゼチミブなどの薬剤を併用します。重症例では、PCSK9阻害薬という新しいタイプの治療薬も使用されます。
もちろん、薬物療法だけでなく、適切な食事管理や運動習慣の確立、禁煙なども重要な治療の一環です。特に若い世代での早期発見・早期治療が、将来の心血管疾患予防に大きな効果をもたらします。

予防と管理

FHは遺伝性疾患であるため、患者さんのご家族も同じ遺伝子を持っている可能性があります。そのため、家族全員での検査が推奨されています。特に子どもさんがいる場合は、早期発見のため小児期からの検査が重要です。

まとめ

FHは決して珍しい病気ではありませんが、早期発見と適切な治療により、心血管疾患のリスクを大きく低減することができます。気になる症状がある方、ご家族に心臓病の早期発症歴がある方は、一度専門医に相談されることをお勧めします。
まぁ、言うならば少しこじつけ感のあるような病気のつけ方ですが実際にデータもありますし、心臓の冠動脈疾患、つまり血管がつまって死んでしまうというようなリスクが高いのはわかっています。
これらは検診などでの数値でわかりますから、ぜひ少しでも気になるようでしたら調べてみる、検診の結果を見てみてください
適切な治療を続けることで、健康な生活を送ることが十分可能な疾患なのです。

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