リピート通販の事業構築を考える
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~今回のテーマ~
考えると複雑かつ奥深な事業拡大のためのリピート通販の事業構築について考えたいと思います。
~自己紹介~
まずは、自己紹介から。
梅田 哲平(うめだ てっぺい)と申します。通販マーケターで、
今年6月に以下の書籍を出版したリピート通販の事業拡大に従事する者です
(詳細はX(Twitter)のプロフでも、noteでも確認できるので省略します)
※Amazonベストセラー1位獲得の書籍です。ご興味あればご一読ください。
1.~もはや「単品通販」は「単品」ではない~
言い得て妙ですが、コレは事実です。
どこまでをリピート通販と呼ぶべきかはありますが、いわゆる定期的に商品を購入してもらうような設計になっているものを仮に上記と定義付けるなら、主に「健康食品」「美容品」ということになります。
通販新聞などで公表される売上トップ300などでランクインしている上位企業のほとんどが、売上を構成するのは「単品」ではありません。
どういうことか?
サントリーウエルネスさんは、「セサミンEX」だけではなく、その他の商品(例えば「VARON」)も含めて、1000億円前後の売上を作っている、ということです。
2.~なぜ「単品」ではないのか~
単品で、例えば100億円、200億円の売上が作れれば、シンプルです。
原価コスト、それ以外のコスト、工数の圧縮も図れます。
しかし、現実には、通販事業者は、できない、やらない、というイメージです。
理由は大きく2点。
①CPO(CPA)とLTVのバランスが取れない
②アップセル・クロスセルのメリットを享受している
理由①「CPO(CPA)とLTVのバランスが取れない」
これは非常にシンプルな構造なのですが、
裏側のマーケティング理論としては
イノベーター理論に類似した現象が起こっているものと推測します。
詳しくここで解説しませんが、5つの消費者層に分かれる皆さんが見慣れたベルカーブ状の構造です。
新商品として発売当初に購入してくださる消費者様、つまり「アーリーアダプター」は低いCPOで獲得できるため、LTVとのバランスがとりやすいのですが、発売から経年し、多くの消費者が1度は広告にリーチした状態ですと、購入しないという判断を下している消費者が一定数いるため、CPOが相対的に悪いという現象が起こっている、というイメージです。
これは詳細を語りだすと1本記事になるくらいのボリュームになるので、今回はここまでにします。
理由②「アップセル・クロスセルのメリットを享受している」
2つ目の理由は、CRM、顧客育成、ひいてはLTV向上に関するものです。
消費者がフロント商品を購入し「顧客」になると、企業は顧客育成を行います(「教育」「ナーチャリング」という言い方をする企業もあります)。
アップセルおよびクロスセルを行うには、当然、その商品がないといけません。
・通常商品から上位商品へのアップセル
・A商品からA商品に関する商品Bを提案するクロスセル
これにより、LTVを上げる。
大きく上記2つを売上上位企業は戦略的に実践しているということです。
ポイントは、商品カテゴリーそれぞれの効果効能の距離感や一貫性だと考えます。
これが、バラバラと全体のブランドイメージに一貫性がない、消費者としては不安に感じます。
3.~トレンド~
トレンドとしては、10億円から数十億円規模の年商クラスターをバンドにする企業が多い印象です。このクラスターが「商品」(またその「商品カテゴリ」)というイメージです。
なぜ、上記の規模感なのか、は前半で記載したイノベーター理論がある程度は根拠になっています。
また、商品は多すぎると、一見「総合通販」の色が出てきますが、管理上、CPOとLTVのバランスを見ながら、ダメなものはカットしていく形になります。商品の保管にも当然コストがかかりますので、この辺りは当然です。
4.~まとめ~
やはり事業計画は逆算が成せるものだと考えるのですが、
どこまでの売上を目指すのか、という会社に浸透した明確なビジョンがあり、そこから柱(商品)を順番に構築、さらに事業として育成することが求められます。言うは易く行うは難しなのは、間違いないですが、無策に流行に流されて、商品を発売しても、目標にはたどり着けないし、ビジネスの勝率は上がらないと思います。
事業計画の立て方の詳細は、ぜひ私の著書『強いリピート通販事業の作り方』を参考にしてみてください(Amazon、全国書店にて好評発売中)