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東北、美味すぎない店。

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美味いけど美味すぎない。 美味すぎないからこそ見えてくる、ディープなお店のディープな魅力。
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#グルメエッセイ

美味しすぎない「焼肉定食」

「ヨーコ…ソ…」 旧型のロボットが来店を歓迎してくれた。何かを配膳するわけでも、席数を問…

lada
11か月前
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美味しすぎない「フルーツプリン」

喫茶店の男 この席に座るようになって、どれぐらい経つだろうか。寂れた町には似つかわしくな…

lada
1年前
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美味しすぎない「ナポリタン」

駐車場になっているピロティの奥に喫茶店がある。数年前に一度来た。何年前かは覚えていない。…

lada
2年前
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美味しすぎない「上ポークライス」

幾ら歳を重ねても、知らない店に足を踏み入れるのは緊張する。そして、そこそこな年齢になって…

lada
2年前
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美味しすぎない「欲ばりセット」

この店は、どこからコーヒーを卸しているのか。その意味合いはたったそれだけであり、むしろど…

lada
1年前
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美味しすぎない「カキフライ定食と鳥豆腐」出張篇

コロナも落ち着き、最近では出張も増えてきた。とは言え、たまの銀座でぶらりと店に入るのも憚…

lada
2年前
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美味しすぎない「サービスランチ」

カランコロンカラーン 今どきコントのシチュエーションでしか聞かないような甲高い鐘の音がなる。細く薄暗い階段をのぼりドアを潜ると、徐に手の消毒を促された。今どきは仕方がない。さらに額に機械を当てて入店する。今さらだが、35度9分ということは無いと思う。 13時を過ぎたというのに、店内は強引なまでに薄暗い。女性店員の髪色や髪型が、さらに夜の空気を醸し出す。このヘアスタイルに巨大な胡蝶蘭がしっくりと馴染む。昼間から生ビールが配膳されている。 窓際に立てかけられたメニューにある

美味しすぎない「特製手打ち塩ラーメン」

片側三車線の大通りを西に走る。カーナビにも認識されないほどの路地を左に折れ、少しだけアク…

lada
3年前
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美味しすぎない「Aの2番」

スランプだ。 美味すぎない店と言うのは本当に難しい。最近はただ美味しい店が多いのだ。そこ…

lada
3年前
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美味しすぎない「ロースカツカレー」にオムレツをトッピング

それにしても暑すぎやしないか?吹き出す汗がマスクの内側を不快に濡らす。そうだ、世の中がこ…

lada
3年前
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帰ってきた、美味しすぎない「ホルモン定食」

「その麻婆豆腐、ご飯にかけないんですか?」 友人にふと問われ、暫く会っていない母の顔を思…

lada
3年前
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美味しすぎない「ハンバーグカレー」

地下にある店は大体よいのだ。街中の喧騒を背に階下に足を運ぶと、空気が少しずつジメッとして…

lada
3年前
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美味しすぎない「ハムサンド」

打算はダメだ。「この店は美味すぎなさそうだ」なんて目論見で入店してはいけないのだ。その店…

lada
3年前
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美味しすぎない「特製カツカレー」

数年ぶりに小牛田(こごた)にやって来たので人気のラーメン店を目指す。仕事のついで、しかも週末土曜日の出勤なものだから、美味しいものでも食べないとやってられないのだ。 しかし、宮城の片田舎とは言え週末の人気店。その行列は駐車場に入ることすら許してくれず、約束の時間は着々と近づき、結果こんな店にたどり着いた。 何処か白々しい白昼のネオン。店名の「赤い糸」の書体が禍々しく、その不穏さを「キッチンハウス」のポップな枕が和らげる。 BGMで流れる桃色吐息と、他人の家のような臭いが