柔軟な働き方がもたらすものとは
皆さん、こんにちは。生産性高く、幸せな職場づくりは進んでいますか?ラボラティック株式会社代表の野口麗奈です。今日は、従業員の組織での経験とも直結する、柔軟な働き方に関する、大変興味深い記事をお届けします。ぜひ、皆さんの組織運営のヒントになれば幸いです。注:記事の出典は、ラボラティックとパートナ関係にある、世界的な従業員経験プラットフォームを提供するCulture Amp社の「The power of flexibility at work」を日本の読者様向けに訳したものです。
2030年、働き方はどうなっているでしょうか? (上司がロボットやAIになるといった話にとどまらず)大きな変化があるだろうというのは、疑いようもないでしょう。大きな変化は、上司がAIになるといったことよりも、もう少し本質的なところで起きるのではないでしょうか。そして、そういった本質的な変化はすでに始まっているようrにも見受けられます。
COVID-19の大流行は、仕事における柔軟性がどのようなものかを従業員に示しました。今、従業員は世代を超えて、ハイブリッドやリモート環境で働くことのメリットを認識しています。昨今の従業員は、自分たちが雇用主に求めるものが明確で、柔軟性は従業員が雇用主に求める対応の上位にランクされています。
職場の柔軟性に関して、従業員の期待に応える
COVID-19が流行する前、カルチャーアンプのデータによると、リモートワークを行っている企業はわずか5%でした。たとえばイギリスでは、68%の従業員が在宅勤務をしたことがありませんでした。
2020年9月、カルチャーアンプは349のユーザー企業を対象にCOVID-19への組織的対応について調査しました。参加企業の58%が、在宅ワークが可能となるような措置(会社の予算や具体的な資源)を従業員に提供し始めたと回答しました。
パンデミックは旧来の働き方の慣習に疑問を投げかけ、会社出社してオフィスでフルタイム勤務を行うこと自体が、当然の社会規範とは言えい状況へと向かわせました。ハイブリッドワークやリモートワークに対する従業員の期待は進化しましたが、多くの企業がその対応に追いついているとは言い難いのも事実です。パンデミック発生から1年後、マッキンゼーのグローバル調査では、回答者の64%が週に1~4日は在宅勤務をしたいと答えています。しかし68%は、そのような働き方がどのようなものなのか、詳細な対応について職場から何らかの指示がない状態と答えています。
従業員は自分たちの期待を明確にしていますが、雇用主にとって、職場での柔軟性の実現はより複雑です。企業がハイブリッド勤務やリモートワークを支援する方針や施策を策定する際には、企業文化や価値観と、従業員が求める柔軟性とのバランスを取ることが求められます。これを誤ると従業員体験(EX)に悪影響を与え、結果として企業全体に悪い影響を及ぼす可能性があります。
仕事における柔軟性とは、人によって異なる意味を持ちます。進むべき道は、従業員にとって柔軟性が何を意味するのかを探り、従業員全体の期待にどのように対応するかを決定することです。
職場の柔軟性は世代によって異なるメリットをもたらす
2021年にJabraがフランス、日本、イギリス、アメリカの5,000人の労働者を対象に実施した調査によると、59%が給与や他の福利厚生よりも柔軟性を重視すると回答しました。しかし、雇用主にとって、従業員が職場での柔軟性を重視していることを認識するのは第一歩に過ぎません。ハイブリッド勤務やリモートワークがなぜ従業員にとって魅力的であるのかを理解することも同じくらい重要です。
自社の従業員がどのような人々で構成されているのか、そして彼らにとって何が重要なのかを探ることは、より良い意思決定に役立ちます。人口統計に基づく嗜好を把握することは、その出発点として有用です。
ベビーブーマー(1946年~1964年生まれ)とジェネレーションX(1965年~1980年生まれ)
ベビーブーマー世代は、特に孫や高齢の親との時間を優先する傾向があります。この世代にとってリモートワークの提供は特に価値があり、退職を先延ばしにする機会と捉えられることがあります。最近のLinkedInのデータによれば、ベビーブーマー世代はリモートワークに応募する可能性が15%高いことが示されています。同様に、ジェネレーションXの従業員もリモートワークに前向きで、チームメンバーと直接会う頻度が少ない方が満足度が高い傾向にあります。
ミレニアル世代(1980年~1997年生まれ)
ミレニアル世代は、年上の同僚よりもハイブリッドワークを重視する傾向があります。デロイトの調査によれば、35歳未満の人々は55歳以上の人々の2倍、恒久的な柔軟な働き方を望んでいます。パンデミック以前から、Pentagraの調査では、人事部門の50%以上が採用プロセス中にミレニアル世代の候補者から柔軟な働き方の福利厚生についての質問が増加していると感じていました。ハイブリッドワークを可能にすることは、最も転職の可能性が高い世代を引き留める上で重要な役割を果たす可能性があります。
Z世代(1997年~2012年生まれ)
最も若い世代の労働者にとって、ハイブリッドワークは譲れない条件と見なされています。Microsoftの「ワールドインデックス2022」によると、この世代の58%がハイブリッドワークへの移行を検討していました。同時に、ミレニアル世代と比べて、対面での同僚との交流を恋しく思う傾向が高いことも明らかになっています。
組織的な公正さを活用し、合意形成を行う
職場の柔軟性に関する方針を従業員のニーズに合わせるために、自社ではどのように確認できるでしょうか? どのような取り組みができるでしょうか?柔軟な働き方の戦略を構築する際、プロセスと従業員の扱われ方の2つが、最も重要な要素であることが研究で示されています。
組織的公正は、1980年代にジェラルド・グリーンバーグ博士によって提唱された概念で、従業員が感じる公平性や価値の認識に影響を与える要因を理解するための手助けとなります。この概念は、従業員体験(Employee Experience)において、こうした認識がどのように形成されるかに焦点を当てています。組織的公正は、以下の3つの要素を中心に構築されています:
プロセス
意思決定のルールは明確で一貫していましたか?
潜在的なバイアスは認識され、最小限に抑えられましたか?
自分の意見を伝える機会がありましたか?
相互作用
敬意と配慮をもって対応されましたか?
プロセスがどのように機能するかについて説明を受けましたか?
成果
自分が望んだ結果を得ることができましたか?
その結果は適切で公平でしたか?
柔軟な働き方のさらにその先へ
雇用主が職場の柔軟性について考えるとき、その焦点は主に「仕事の側面」、つまり従業員エンゲージメントや従業員体験に置かれがちです。しかし、従業員の視点から見ると、強調されるのは「柔軟性」であり、それが仕事の内外の生活にどのような影響を与えるかが重要です。
柔軟な働き方に対する「大多数に適した一律の方針」を導入することで、短期的には迅速な成果を得られるかもしれません。しかし、長期的には、従業員一人ひとりの体験を最適化することが価値を持ちます。たとえば、ミレニアル世代やZ世代の従業員は、メンタルヘルスを優先するための休暇を重視する傾向があり、一方で55歳以上の従業員は、ウェルビーイングに特化したオフィスでの活動の実践といった対応を好むかもしれません。
変化する労働力のニーズに適応する中で、従業員からフィードバックを収集することは、個々の従業員が何を重視しているかを明らかにし、長期的な戦略の基盤を築くことにつながります。世代を超えて従業員は柔軟な働き方を期待するようになっており、その期待に応える企業は、現在だけでなく将来においても成功を収めるための基盤を整えることができます。
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