映画「ビバ・マエストロ!指揮者ドゥダメルの挑戦」
水曜日の映画サービスデー、前投稿の「侍タイムスリッパー」に続いて「ビバ・マエストロ!」も鑑賞してきました。
ベネズエラ出身の指揮者グスターボ・ドゥダメルと、そのドゥダメルを輩出した同国の音楽教育プログラム、エル・システマを追ったドキュメンタリー映画です。
ドゥダメルは1981年生まれ。いま43歳ですが、注目され始めたのはまだ20代の時でした。シモン・ボリバル・ユース・オーケストラを率いて初来日したのが2008年、27歳の時のようです。アバドやラトルも絶賛する期待の新星として紹介され、2009年にはロスフィルの音楽監督に就任し、その後ベルリンフィルやウィーンフィルなどと共演も果たし、瞬く間に世界的指揮者に登りつめました。
エル・システマは、経済学者でもある音楽家のホセ・アントニオ・アブレウ氏の提唱により1970年代から始まった、若者に無償で楽器と音楽教育を提供する基金および制度です。貧困層の若者にも音楽の素晴らしさを知ってもらい、オーケストラなどの音楽活動を通じて社会性を習得させるのが目的。
メディアでもたびたび紹介されているので最近ではクラシックファン以外にも知られているし、いまでは他国も倣って始めているようですね。じつは日本にもあるらしい。
こうした取り組みでベネズエラも良い方向に向かっているのかと思いきや、政権が代わって以降、政府と反政府の衝突、治安の悪化が進み、オーケストラメンバーもまた安全な身ではなかった。
恥ずかしながらベネズエラがそこまで酷い状況とは知りませんでした。ドゥダメルが政府批判発言をしたことによって自身のコンサートツアーを政府に中止させられていたこともこの映画で初めて知った。
エル・システマで楽器演奏する子どもたちの笑顔を見ていると、何の罪もない彼らの将来が大人の都合で壊されていくことに胸が痛みます。
ベネズエラだけでなく、世界のどこかで今日も子どもたちが苦しめられ、辛い思いをさせられている。
いつまでも争いばかりを繰り返し、学ばない人類に、あきらめの早い私なんかはもう希望を持つことなどできない。。(´-ω-`)
それでもドゥダメルのように困難に立ち向かい、エル・システマ創設者のアブレウ氏の意志を継いで邁進するリーダーがいてくれるなら、応援しないわけにはいかない。
私も演奏活動で誰かに夢や希望を与えることができたら良いのですが、、(´-ω-`)ムーリー
せめて私自身、演奏活動で人と人とが繋がりあえる可能性を確かめ続けていきたい。