
【書籍紹介】秋吉理香子『聖母』
こんにちは!今回は書籍紹介です!
1. 概要
小説はあまり読まないのですが、友人におすすめされて読んでみました。私に教養がなく、"秋吉理香子"という名前も存じ上げませんでしたが、ググってみると「イヤミスの女王」と呼ばれているようです。その内容やいかに…
※イヤミスっていうのは、読んだ後に"イヤ"な気持ちになる"ミス"テリー、らしい…
郊外の町で、幼稚園児の遺体が発見された。 被害者は死後に性的暴行を加えられていた。 事件のニュースを見た主婦・保奈美は、大切なひとり娘は無事だろうか、と不安に陥る。
警察は懸命に捜査を続けるが、犯人は一向に捕まらない。 「この子を、娘を、守ってみせる。そのためなら何でもする」母がとった行動とは――。 驚愕の長編サスペンス・ミステリー!
2. 感想
前述のとおり小説はほとんど読まない上、叙述トリック物なんて、人生を振り返っても1,2冊くらいしか読んだことがなく、「楽しめるかな…」と一抹の不安がありましたが…
いや〜〜、コレ、すごかったです。
後半に畳み掛ける種明かしが驚きの連続です。特に最後の章は鳥肌立ちました。タイトルにある"聖母"たる様が、最後2ページで書かれていますが、その表現描写もグッときます。まさかこういうハッピーエンド(?)に持っていくとは…
そういえば途中途中で、心理描写などにどことなく違和感を感じていたもののスルーしていたのですが、もう一度読み返してみると、あえてそういう表現をとっていたのだと気付かされ、ストンと腑に落ちるとともにやられたなと思いました。ヒントはちょくちょく出ているんですね。ミステリ好きの方なら気付けるのでしょうか。二度読んでも楽しい本です。
物語の本筋とは逸れますが、この作品の良いところがもう一つあるなと思いまして、それは、このような誰でも読みやすいエンタメ性の高い作品の中に、女性に課せられる社会問題(男女格差、不妊治療、強姦被害など)のエッセンスが、違和感なくサラッと端々に散りばめられている点です。
他の方の感想をパラパラ見ていると、読後の叙述トリックに対する衝撃に触れられていることが多いですが、取り扱っているテーマについてもグッと考えさせられる側面もあります。そして、それが物語の深みを増してくれているとも感じました。
心からおすすめする作品です。
3. まとめ
私のようなミステリー初心者でも楽しめたので、普段こういうもの読まない方にもおすすめです!
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