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お嬢様は鯉柄のティーカップを所望する
お金持ちでもないくせに、お金持ちが好きそうなものを好きになってしまう。
分不相応な嗜好がいずれ我が身を破滅させるか(金銭的に)、もしくは、つまりいずれ私もお金持ちの仲間入りをするのだという宇宙からのメッセージか…
1枚2400円+税という高額なタオルハンカチ、フェイラーに血道をあげているという話は既に何度かさせていただいた。
私のもう一つの喜び、それは、素敵なティーカップを眺めることである。
ロイヤルコペンハーゲン、ウエッジウッド、ヘレンド、マイセン、香蘭社にノリタケ…
最近は和食器も素敵だななんて思っている。
上記メーカーのティーカップやマグカップを何かの折に付けて少しずつ集めている。
誕生日や、クリスマスなどイベントの時に1つずつ…といったやり方なので私のカップコレクションはまだまだ貧弱だ。
正直、コレクションと呼ぶのもおこがましくい。手に入れたカップは、比較的金額的にも手に入れやすいロイヤルコペンハーゲンと、ウエッジウッドだけなのである。
それでも、仕事の休憩時間、コーヒーを飲むためにその日の気分でカップを選ぶ贅沢なひとときは格別なものだ。
夫は、手に入れたカップを並べてむふふとほくそ笑む私を微笑ましく眺めているが、以前ぽつりと「ヘレンドに手を出すと、怖いよ(金銭的に)」と言っていた。
そう、ヘレンドは仰天するほど怖い…じゃなくて高い。
マグカップ1個で2万円を超える。カップ&ソーサーに至っては3万円〜15万円以上する。
一客ですのよ。
怖っ!やっぱ怖いじゃん!!
そんな私はひと様の素敵なティーカップ写真の投稿をインスタで見て、我が視界を幸せにしてあげることしかできないのだ。
そんな時にですね、出会ったわけなんですよ。
真のお嬢様に。
いいですか?youtubeで大量に購入したエルメスの開封動画を顔出しでやるような自己顕示欲を抑えられない成金とはわけが違うのです。
インスタで、「理解のある優しい夫くん」と、小さな彼氏と呼んで憚らない「息子くん」それに我が家のプリンセス「娘さん」
一家全員の顔を出し贅沢に暮らす私生活を切り売りしているインスタグラマーとも違うんですよ!(それを楽しく拝見させてもらってる私が言うのもなんですが…すいません、いつもお世話になっています)
真のお嬢様なんです。
私が彼女をどのポイントで「真のお嬢様」認定させていただいたか、分かる人手を挙げて。
庶民があくせく働いている平日の午前10時。
ご自宅のロココ味を感じるテーブルの上にセッティングされたヘレンドのカップ&ソーサー&ティーポット&シュガーポット&…とにかくヘレンドのティータイムセット。(フル装備)
ヘレンドのコンポート(洋菓子や果物を入れる食器)の上に山盛りに盛られた葡萄や桃などの果物たち。
こだわりのケーキショップで買って来たと思わしき洒落たケーキ。
細身フォルムの美しい花瓶には、自宅のお庭で育てているというピンク色のバラが美しく咲き誇っている。
ああ…目が…私の目が幸せだと叫んでいる…
目を凝らして見ると、奥の方の食器棚にはこれまた大量の煌びやかなカップ類が美しく収納されている。
そんな写真の投稿とともに添えられたシンプルな一言「これからティータイムです^^」
初めてその投稿を見たとき、この方はお金持ちの50代くらいの専業主婦マダムだろうとあたりを付けたのだがこの方、20代の女性なのだ。
20代の女性が午前10時にこの内容のティータイムする!??
私、スティックパンかじりながら仕事中ですわ。
しかし、私が彼女を「真のお嬢様」と認定したのはこの投稿がきっかけではない。
月に2回、お母様と一緒にエステに通っていらっしゃるという点?
違う。
おばあちゃまとお母様と3人で歌舞伎を見に行ったら、役者さんがわざわざ挨拶にお見えになったというエピソード?
違う。
室内犬としてスタンダードプードル(人間よりデカい)を飼っているから?
違う。
「おじいちゃまにプレゼントしてもらいました~^^」というコメント共にアップされたヘレンドのティーセットの柄が「鯉」柄だったという点だ。
あなた、ヘレンドのカップ買う時に(前述している値段参照)、鯉の柄…選びます?
いえ、選べます?
確かにですね、鯉の柄、渋いけど可愛かったんです。
なんなら私も欲しくなっちゃいましたよ。
でも、選びます!?鯉!!!
庶民代表として答えさせていただきます。
否!と。
庶民にはとても選べません。
お花です。
庶民が選ぶのはお花柄です!!
ここから分かるのはですね、彼女はもうヘレンドのいわゆる可愛い定番シリーズものは当たり前に所持していらっしゃるということなんですね。
だから変わり種に気軽に手を伸ばせると。
一揃い軽〜く10万超えるような食器の柄に「鯉」を選ぶセンスと財力。
「鯉は縁起のいい柄なので嬉しいです^^」のコメントがまた只者じゃない。
みなさん20代の頃、縁起物を貴ぶ心をお持ちでしたか?!
ここまでくるとですね、もう妬ましさを越えてただただ羨ましいだけ。
この女性、毎日のようにティータイムの素敵すぎて目がつぶれそうになる写真をアップしてくださっているのですが、過去をさかのぼっても、身バレに繋がるような写真は一切載せてらっしゃいません。
真のお嬢様はお若くしてネットの恐ろしさを熟知なさっている。
彼女はある種の「帝王学」を施されていらっしゃるのではないかと察する。
ここが彼女が真のお嬢様であるという所以なのだ。
そんな真のお嬢様である彼女のことを勝手にご紹介させていただくにあたり、当方も彼女の身を案じ情報にいくつかのフェイクを入れております。
ただし、鯉柄は本当なので、我こそはヘレンドの鯉柄カップ購入せん!という方は実際の画像を探してみて下さい。
可愛いので!
でもやっぱり私には選べない(涙)
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