遺伝の恐ろしさを思い知った週末
遅く来たイヤイヤ期なのだろうか?
それとも早く来た反抗期なのか…
先週金曜日からの息子の暴君っぷりはすさまじいものであった。
録画している「おかあさんといっしょ」か「いないいないばあっ!」
はたまた「アンパンマン」いや「おとうさんといっしょ」を見せてくれ。
布団の下に隠しているリモコンを狂ったように探し回り、見つけたら
「ご!(はい)」と私に手渡す。
眠っているフリをすると、私の身体ににじり寄り、私の顔面に腰をおろし
とんでもない圧で渾身の「ご!」を繰り出す。
録画番組を見せるまで、手あたり次第部屋のものを投げ飛ばし、「ふーん!」という怒りと絶望の混ざった声を出し続け私を苛む。
小1時間後、根負けして「おかあさんといっしょ」を付けるためにリモコンを手にした私に息子はパッと瞳を輝かせる。
ところが、オープニングが流れ始めた瞬間、またしても彼の顔は曇り
「ふーん!」と非難の声を上げる。
…今日は「おかあさんといっしょ」の気分じゃないんかい!(怒)
既にこの小一時間に渡って続いている息子とのせめぎ合いにフラストレーションを抱えている私。
イライラを押し殺しリモコンを手にする。
息子「ふーん!」の声をピタリと止め、瞳をキランと輝かす。
最近の息子のブームを思い出しながら「アンパンマン」を選択する。
「ふーん!!」
間髪入れず息子怒りの「ふーん」
みんな大好き「アンパンマン」だぜ!?
どうかしてるぜ!!
私の口調もヒートアップする。
結局その後、「おとうさんといっしょ」を付けてもキレられ、「いないいないばあっ!」でようやく満面の笑みを見せた。
お前…この前までワンワン(いないいないばあっ!に出てくる犬のキャラクター)には見向きもしてなかったやろがい!
この日の息子のわがままは凄まじく、何をやってあげても一日中「ふーん!」という涙交じりの非難の声を浴びせられた。
小さな子供の泣き声って、母親にはとてつもなく不快に聞こえるように出来ているという話を聞いたことがある。
所謂子供の泣き声は「アラート音」で、アラート音は人に危険を知らせるためにあえて不快に聞こえるように作ってあるのと同じ原理だ。
金・土・日とアラート音を一日中聞かされ、私の神経はもうズタボロだ。
そんな日に限って、子供が寝付くのもいつもより遅く、また収まっていた夜泣きも再発する。
ようやく子供が寝付いた深夜、私は夫に息子に対する怒りをぶちまけた。
「ねえ、どうして息子ってあんなに暴君で強情で、しつこくて、気が強くてわがままで乱暴者なの!!?」
金曜日夜から私と二人三脚で息子の対応にあたり、既に白い灰のようになっている夫がそれを聞いて力なく笑った。
「それ、まんま自分のことじゃん」
言われて気づいた。
「ほんとじゃん!」
何なら自分でも「どうして息子ってあんなに暴君で、強情で、しつこくて、気が強」くらいで、言いながらうすうす察してしまっていた。
え、これ荒れてる時の私じゃん…
実は2週間前から息子は保育園に通い始めた。
ただいま絶賛慣らし保育期間中だ。
保育園では天使の笑顔で人見知りもせずご機嫌さんに過ごしていると園から報告を受けている。
きっと息子は、外の世界に一生懸命適応しようと幼いながらに頑張っている。
だから週末はおうちで、思い切り甘えたかったのだろう。
心身共に私たち夫婦を廃人にした週末が終わり、息子はにこにこ笑顔に戻った。あまりの横暴さに悪魔に見えた息子の、たった一度の満面の笑みで全てはチャラになる。
そして、修行のような週末が終わり、月曜の朝が来た。
私は疲労困憊の身体を引きずり、無理やり目をこじ開けPCの前に座っている。
疲れの取れないまま、新しい一週間が始まる。
…希望の朝だ…
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