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三郎 丸
2018年11月28日 08:23
テーブルクロスを庭先で払うとき、白、緑、白、灰、と視界の色が互い違いに変わる。明るい灰色の霧に覆われた山間の村で、年の瀬の気配を感じる冷たく湿気った週末。昼食の後の気だるい体を霙を吐き出す冷気が纏い、背中に感じる部屋の暖気に思わず身震いする。視界の端には、白く愛くるしい姿のミヌ、犬のことだが、が落ち着かなく縦に横に揺れるテーブルクロスの端を、興味深げに眺めていた。---
2019年11月26日 08:49
何を食べても満たされない空腹が怖い空いた胃袋はそのままわたしの脳みその空白になるどんなものを食べても本質的に満たされない***蛍光灯が埃っぽさを殊の外引き立てる改札を抜ける。我が家は歩いて1分の至近にあるアパート。ひとしきり一人で飲んで、食べて、六千円払って帰ってきたのだ。居酒屋のメニューを前菜からメイン、シメまで一通りなめて、まあ大したことない味だからそのままかきこむように
2018年11月28日 19:05
5月の風が、高いところを過ぎて行く。目の前の水面に照りつける、お天道様の煌めき。その下をタガメが泳いで行く。気楽なもんだなぁ…セツは痛くなった首を少し上に向けた。水の煌めき、泥、タガメ、カエル、そして、恐ろしいほど澄んだ青。セツの視線に映るものはずっと変わらない。ここは静かだ、家族の声も蛙の声もすごく喧しいのに、ここはとても静かだ、と思った。指先を泥の中に突っ込んで、