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アナログなSNS⁉︎ワークシートの代わりに付箋紙を使ってみた。

 お久しぶりです。Kohです。

 今回は、体育の授業でほぼ毎回書いていたワークシートの代わりに付箋紙を使ってみたよ、というお話です。

体育のワークシートって、、、

 まず、ワークシートって何のために子どもに書かせているのかというと、子どもの思考を文字や図に表現してもらい、思考を深める、その思考を共有しみんなで学ぶため。そしてそれらを先生が評価するためというのが主ではないかなと思っています。

 そのため、体育の授業でもワークシートを書かせているのですが、なーんかタイムロス?が多い気がする。

 全体でワークシートを書く時間を確保すると、早く書き終わる子は暇するし、感覚や考えたことを思い出そうと唸っている子もいる。早く書き終わった子に別のことをさせると騒がしくなり書いている子の気が散る。

 そもそも体育の授業時間で体を動かす時間が減る。ただでさえ用具の準備や片付け、めあてや安全面の確認などに時間を使ってしまうのだから、少しでも多く体を動かす時間を確保してあげたい。

 そんなことを考えながら体育をする日々が続いていたある日、たまたま国語の授業で使っていた付箋紙が目にとまり、使ってみようと思いました。

付箋紙の良いところ

 付箋紙のメリットは、思ったことをその場でメモできる、付箋紙の色で内容を区別できる、貼ったり剥がしたりでき情報が整理しやすいなど。そして大きな模造紙などにまとめていくことでみんなに情報を共有できるのではないかと考えました。

実践例(小5:走り幅跳び)

学年の先生たちで考え、
それぞれのクラスで作ってみました。


 例えば走り幅跳びの授業の場合、模造紙に幅跳びの4つのポイント、助走、踏み切り、空中姿勢、着地の仕方を印刷しておきます。

で、
🟦青色の付箋紙は自分の課題、教えてほしいこと
🟨黄色の付箋紙は他の人のいいところ、上手なところ、真似したいことなど
🟥赤は自分が意識してできたこと、できるようになったこと、他の人へのアドバイスなど

というように、色別の用途を子どもに確認しました。

 実際に走り幅跳びをやってみると結構難しい。

 すぐに模造紙は青色がいっぱいになりました。しかし、黄色もある。つまり、上手な人を見つけることはすぐにできる。そこで、その子の上手なところを確認し、改善していく。そうするとどんどん赤色が増えていく。

 黄色で何度も名前が上がる子はみんなからアドバイスを求められ、先生役にまわる。そのうち自分でもコツを表現できるようになり友達の青色、もしくは悩みを聞いて付箋紙にも書いたりもするし、直接アドバイスをしたりもする。自然に学び合いが生まれる。という流れです。それが付箋紙と模造紙に記録されていくので、学びや成長の足跡も確認しやすいという感じです。

 恥ずかしくて「教えて」と言えない子も黄色で良く名前のあがる子の跳び方を注目して見ていればある程度はわかるのかなと。

やってみての感想

 今回のは、まあまあうまくいったと感じましたが、難しいところもありました。

 まず、高学年になると男女での壁が少なからずある。学級経営がうまくいっていないと学び合いが生まれない可能性があります。今回も最初は上手くいきませんでした。このようなやり方が初めてだったということもあるでしょう。やっていくと徐々に学び合いが生まれていきました。この方法をやり続ける、他の教科等でもやっていくとかなり慣れるのではないかと思いました(活用法は沢山ありそう)。

 また、仲良しな友達同士でしか教えあわないこともありました。その際には、黄色の付箋紙に名前があがる上手な児童の跳び方を教員が確認し、みんなに抑えてほしいポイントに着目させて例として跳ばせる、という場をつくりました。それなら確認はみんな一緒にできますし。

 で、なぜこれが題名の通りアナログなSNSだと思ったのかというと、子供たちみんなが、自分のタイミングで、自分の思ったこと、悩みやできた!という感動、こうやったらいいよなどというコツや豆知識のようなことを発信できるからです。

 これってネットの掲示板、Yahoo知恵袋、「X」みたいじゃないですか⁉︎

 別にSNSに近づける為に行ったわけではないですが、「学び合い」「繋がり」を意識するとこのような形になったということです。

 自己肯定感と言いますか、自己有用感と言いますか、「人の役に立つ」となんか満たされる感じがありますよね。そういうものもSNSと似ているのかなと思いました。そのような効果もあり、やる気も上がっていたのかも知れません。

成果、改善点のまとめ

 一応、私の主観で成果をまとめておきますね。

①子ども達の体を動かす時間が増えた。
 (準備、片付け、説明以外は自分たちで休憩、付箋を書く、付箋の確認等を行ったから)

②学び合いが増えた。
 (子ども達の発言や黄色の付箋等から上手な子がわかり、その子に教えてもらう、みんなで上手な跳び方の例を確認などができるから。また、自分の知りたいこと、そのことを知っている人等が模造紙に整理されており、すぐに聞ける。)

③子ども達の思考、成果、学び合いの過程等が分かりやすく、それらを評価しやすい。
(色分けされた付箋で成長過程も分かる)

④陸上大会の練習(自主性)に参加する子が多かった気がする(笑)
特に幅跳びの練習に集まってた!つまり、走り幅跳びが好きになった⁉︎🤔
 (これは、模造紙を使った成果ではないような気がしますが、一応。記録や跳び方等でみんなから注目を集めた子の自身がついたのかも。)

 逆に改善点も。対策も簡単に。

①付箋を書くのは自分たちのタイミングである為、意識して書かせる、慣れさせる必要がある。つまり、書かない子は書かない。
→声かけ、他の単元、授業でも付箋を使う
 学び合いが自然にできるのある学級経営

②学び合いではなくおしゃべりになることがある
→自分の目標や本時の目標、やることリスト等でしっかりとやるべきことを意識させる
 仲の良い子以外とも学び合いができるよう声掛け、場の設定をする、グループ学習等も

③ 一人ひとりの付箋が散らばっている為、出席番号順や〇〇さんにフォーカスして評価をつける、等はワークシートよりはやりにくい
→付箋の色分けを細かくする。青🟦でも、水色、青、紺等にする
 名前と番号を大きく書かせる

という感じですかね。

 この付箋紙と模造紙だけで評価するわけではないので、デメリットととしてわかっておけば、それ以外のことで評価できます。

 例えば、上手な子は名前が上がってくるし、その子にアドバイスを求めていたり、その子の跳び方を注意深く見ている子はわかります。そのようなやり取りを評価したり、それを付箋に書くよう声掛けをするといいかも。

 後、以前紹介したGoogleのジャムボードなどのツールを使ってみると付箋紙や模造紙もいらないし、まとめるのが簡単になると思います。

 今回は運動場での授業だったので、ICT機器は使えませんでした。

終わりに

 以上が体育の授業でワークシートの代わりに付箋紙を使ってみた実践例です。

 ちなみに、閃いた時は画期的!と感動していたのですが、文科省の体育動画でもやっていました。

んー、先越された感(笑)

勉強不足だったか、、、

 まぁ、この記事を読んだ皆さんに一つでも参考になることがあれば、と思い書き上げました。

では、また〜。


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