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かいごの基本 デイサービスの1日③

■個別ケアってこれでいいのか 

 認知症の男性利用者Aさんは、大工の棟梁、もう一人のBさんは農業を営まれていました。何でも自分で作り、修理し昔の人は、聞けば聞くほどすごい。カッコイイ。
 

■椅子づくり

 3人で近くの工務店さんで木片を頂きに行きました。そして角材をDIYショップで購入。
 簡単な図面は自分で書いて、それを見て角材をノコギリで刃ります。先ずは私が切ってみました。
 次にÀさんにお願いすると、わしかいな!と切り始めると、スムーズ過ぎてあっという間です。 

 もっと切ろうかと寸法に関係ない所まで切ろうとされる。
 次はBさん。この方もスムーズに切っていかれました。 

*ノコギリと釘はAさんの奥様に相談すると使って下さいと言って快くお貸しくださった。感謝

■日向ぼっこができる 

 椅子の土台は私が作り、座面の材料は二人で釘と金槌を使って土台に打ちつけていただきました。
 
 さすがでした。力強いです。

 家では家事を手伝うことなどもない様子で、奥様がしっかりされている印象がありました。

 介護施設ではケガを嫌がって道具はあまり持たせないのご常です。

 でも、私は上司に許可を得てノコギリ、金槌を使って頂きました。
 やはりしっくり行く感じ。 
 
 全く大丈夫。釘が曲がらず。トントン。

■完成

 座る座面の板はもらったものなので厚みがまちまち。平らにならそうかと考えたが。。。 

 木片をいただいた大工さんの所に行き、事情を伝えると、電動カンナであっという間に。

 さぁ、完成です。

 二人に座っていだき、感想を聞くと

 他人事のように、「上手やな」 

 そんなものか。。。。 

 お茶で乾杯です。 
  

■その後

 椅子は毎日日向ぼっこの時は色々なご利用者が座り、十年経った今もデイサービスの外に置かれています。

 現在のデイサービスの職員は、この椅子の歴史を知りません。

 私と二人のご利用者の思い出です。

 翌年、私は養護へと移動となりました。

 養護では、デイサービスになかった「夜勤」が待ってます。 

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