かいごの基本 お年寄り本人の力を借りましょう
入所施設のなかで介護度が高いのは、やはり特別養護老人ホームでしょう。
介護度が高いということは、そのお年寄りが一人でできることが少ないってことです。
間違ってはいけないのは、「全くできない」としないことです。
そんな特別養護老人ホームで暮らすお年寄りは、入院することがあります。
高齢者なので病気になるリスクは高いです。悪性腫瘍、脳梗塞、心筋梗塞等の生活習慣病、誤嚥性肺炎、尿路感染等。
ひとそれぞれに違いますが、私が特に気になるるのが、骨折です。
お年寄りにとって骨折は、別のリスクにも繋がります。寝たきり、認知症進行、褥瘡、気力低下等。
介護施設サービスで骨折を減らす方法はあるのでしょうか。
施設生活で骨折につながる原因は
転倒してこける
移乗介助の時の持ち上げた箇所に力がかかる
何かに挟まれる
自分で座ったり、手をついた時に折れる
お年寄りなので、骨粗鬆症もありますが、基本骨は弱くなっています。
自分で動かれて、バランスを崩されたなどは職員側からの対応は難しいです。
寝たきりの方は、ほぼ全介助ですので、職員の丁寧な介助方法でリスクの割合は変わります。
施設内での利用者の残存機能、ADLで分けると、
自立
一部介助
全介助
と、なります。
自立の方は、できるだけ手伝いませんが、ベッド高さや手すり等転倒リスクを減らすために環境に気をつけています。バリアフリー。
一部介助の方は、麻痺などがあっても、できるだけ自分の力を使っていただきます。手でベッド柵を持つ、足を上げる、少しでも立ち上がる様に足に力をいれる等。
職員と一緒に、「せいの〜」「いちにのさ〜ん」等息を合わせます。
全介助の方には、職員2人で動かすケースもあります。クレーンのようなもので持ち上げる事もあります。スライディングボード等の道具で横すべりして移動する事もあります。その時も、上体を前に倒す等の強力動作をお願いします。
そうすることで、職員の介護負担が軽減されます。腰痛が減ります。
お年寄りが協力動作をしていただくことにより、お年寄り自身に良いことがあります。
力を入れることで筋力維持
腹圧がかかり、便が出る
職員とのコミュニケーション、日常のつながり
生きる意欲が出る
やらされ感や無理やり、痛みを伴う介助、命令口調などは、逆の効果がでてしまいます。注意が必要です。
合言葉
「どっこいしょ!」が、出たときが介助のタイミングです。
待てるかな〜。