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あなたの知らない祇園祭vol.5 曳き初め〜宵山

7月に入り、祇園祭一色の京都です。

本日7月2日にくじ取り式が行われました。
前祭の山一番は油天神山、後祭の山一番は黒主山です。

豪華で動く美術館と言われる祇園祭ですが、その中でも山鉾が組み立てられ、曳き初め(山鉾の試運転)が行われる場面を見ると、それぞれに関わる方が命がけなことを実感します。

前祭(さきまつり)では7月10日から鉾建てが始まり、11日、12日に真木建てが 行われ、懸想品の飾り付けをされ、いよいよ12日、13日に曳き初めが行われます。

曳き初め(ひきそめ)


曳き初め(ひきそめ)とは試運転のことで、前祭17日の巡行に向けて、鉾を動かしてみることです。


これには一般の人が参加できるのです。
予約はできないので、当日並んで叶うかどうかは運次第です。


引く綱の間に神様がおられると言われ、決して、跨ぐことはできません。
その説明もきちんとされます。


いよいよ始まる曳き初め


反対側の綱の方に移動したい時には綱を必ず潜ること。


各鉾町で始め方が異なります。
綱の間にお塩を撒かれるところ、お酒を撒かれるところもあります。
清めてから始めます。

神聖だということがこちらにも伝わります。


曳き初めに参加する度に感じる鉾の揺れは想像以上。


釘を一本も使わずに木を組み、荒縄を絡めて建てる鉾。
ひとりとして気を抜く人はいません。人の命がかかっているからです。
10トン以上のものが動くのです。


曳き初めに参加する醍醐味


この迫力を間近で見ながら、参加できるのは貴重です。
そして、参加していると実感できるのもこの時だけです。


鉾の屋根に乗っている屋根方の人。
大きく揺れないようにバランスをとったり、狭い道で建物や電線に触れないように体を張ってられます。

函谷鉾(かんこぼこ)の曳き初め



大きな重い鉾が、ガタンゴトンと動き出します。
私たちが、動かしているんです。
綱を握る手にも力が入ります。



12日は函谷鉾(かんこぼこ)、菊水鉾、鶏鉾、月鉾などの曳き初めが行われます。
曳き初めに参加できたら1年間無病息災でいられると言われています。


巡行中、車輪を調整される方。
皆さんの仕事があり安全が守られています。


鉾の上で祇園囃子を奏でている囃子方。
高く揺れる鉾の上でバランス取りながらの演奏、どんなに怖いでしょうか。

こんなことを実感できる曳き初めに参加すると、巡行当日の味方が変わります。


曳き初めが終わるといよいよ宵山に突入です。

宵山

前祭では15日宵々山、16日宵山と賑やかになります。
特に前祭では夜になると歩行者天国になり、夜店が並びます。

祇園囃子も各鉾町で聞かれ、クライマックスが近づきます。

 屏風祭りといって、鉾町の町家で屏風などを披露されます。


そして、檜扇を生けられます。

祇園祭の花、檜扇

こちらは油天神山。この電球色に惹かれて。 今年の山一番になりました。  

油天神山


油天神山町会

翌日の巡行日のお天気と安全を願って日和神楽が御旅所を往復されます。
日和神楽が各鉾町に戻ると灯りが消え、一瞬にして静かになります。いよいよ、明日の巡行を待つばかりです。


宵山の最後、綾傘鉾の棒振りを動画でご覧ください。
音が出ます。


山鉾巡行がさらに楽しみに


1150年に渡り、守り継がれている祇園祭、先人たちの強い想いがあったからこそです。

無病息災、自然災害が起きませんように、平和でありますようにと願う心が今も続いています。

以上、祇園祭に関する曳き初めと宵山の魅力をお届けしました。

祇園祭の山鉾の組み立てや曳き初めの様子には、関係者の命が懸かっていることを実感します。

私たちが参加できる曳き初めは、一年間無病息災でいられると言われています。
曳き初めで実感する祇園祭の迫力や困難さは、巡行当日をより一層楽しめることでしょう。

また、他の記事やnote更新もお楽しみください!

この記事を書いたのは

この本にも祇園祭のことを書きました。
ぜひ、ご覧ください。

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