留学生たちの新しい門出
今日は、所属先の日本語学校で卒業式だった。
とはいえ、コロナ禍で去年の式は中止、今年は校長先生の式辞や学生代表による謝辞は事前録画。それを授業終了後、各教室で動画として視聴。その後、担任の先生から、卒業証書などを渡すというものだった。
いつもはZoom中心で登校者は少ないのだが、今日は多く(もちろん3密にならないように)、学校は久々に、にぎやかだった。
私自身一番上級のクラスで授業だったが、パソコン相手でなく、「人間」を相手に授業できる喜びと幸せを感じずにはいられなかった。
それに、ベトナム人女子が民族衣装の「アオザイ」で登校。ため息が出る位、きれいで感激した。おまけに、いつもはポケっとしている男子学生がバッチリ、スーツを着こなし思わず握手。(向こうがいきなり握手してきた!)
その後、これまた3密にならないように集合写真撮影と、何人もの学生達と2ショット写真撮影。
皆、本当に笑顔が素敵だった。希望の光が、若さの中からあふれ出ているようで、まぶしかった。
「ああ、いいな。なんか力強いパワーがあふれている!」
日本語学校にいるからこそ感じられる、このエネルギー。
去年はなかった卒業式だったので、今年はこの思いがひときわ強かった。
皆、それぞれの道を歩む。でも一瞬、私のこころが曇った。
「もっと皆と話したかった」
コロナ禍で一人一人と、あまり向き合って話せなかったのがちょっと残念。そしてお別れが、寂しく悲しい。
「出会いは別れ」「会者定離」
わかっている。よくわかっている。でも今日は、喜びと寂しさがないまぜになった複雑な気持ちで、鼻の奥が何だかツーンとし、こころが小さく痛む。
耐えなくてはね。留学生たちの門出の日なのだから。新たな歩みを始める日なのだから。
「今までありがとうございました」と自筆のメッセージカードを添えて、お菓子と共に挨拶に来てくれた女子学生を思い浮かべながら、
「皆、しっかり自分の道を歩んで行ってね!今までありがとう!」と、一人つぶやいた。