日本語指導が必要な子どもたちに寄り添う上で、本当に不思議だと思ったこと
最近、本当に不思議だと思う経験をした。
私は、今、「日本語指導員」に関心がある。これは簡単に言えば、日本語指導を必要とする外国ルーツのある児童生徒に、日本語を教える人のことだ。
ずっと日本語学校で留学生たちに日本語を教えてきた私は、少しでも、お役に立てるのではないかと思ったからだ。このような児童生徒たちは、基本的には普通のクラスに在籍。そして、必要に応じて別室での個別指導や、センターなど別の場所で、生徒たちが週に何日か通いながら、個別に指導を受ける場合もある。
そこで、住んでいる自治体の教育委員会に電話すると「このような日本語指導員の募集はないので、どこか近くの小・中学校に聞いて」→近くのいくつかの学校に問い合わせると、「何人かは外国ルーツの生徒はいるけど、個人的に通級で別の○○校(センターのような役割の学校の日本語学級)に行っているので問題ない」→○○校に問い合わせると、「今は30人ほど在籍しているが、現在募集はない。けれども、今後のために、お名前と連絡先を」と言われ、伝えた。
これは、一体どういうことなんだろうか?何だかたらい回し状態で、全然、埒が明かない状態。どこに問い合わせすれば、いいのだろう?今や、マスコミでは「日本語指導が必要な児童生徒が年々増加。でも、適切な指導が受けられず、高校に進学できない、または中退率も高い・・・」などと報道されているのに・・・
つまり、指導が必要な児童生徒のところに、指導が行き届かず、将来が描けない子どもたちが、山のようにいるということだ。なぜ指導者と、困っていてSOSを出している子どもたちとが、うまくマッチングできないのか?本当に不思議だ。
今この瞬間でも、全く日本語がわからず、教科の学習内容が、ちんぷんかんぷんの子どもたちが授業を受けているのだ!それも何時間も!
もし、自分ならどうだろう?どこかの国で、まったくわからない言葉で、わからない授業を何時間も受けることになったら?おそらく数日でドロップアウトだ。
日本語の中でも、生活で使う生活言語能力(BICS)は、習得に約1~2年。それに対して、教科など学ぶための学習言語能力(CALP)は習得に約5~7年、長ければ10年くらいとも言われている。
それゆえ、たとえ生活で使う日本語が流暢でも、教科学習で使う日本語の意味が分からず、授業についていけない子どもも多く、悩みは深い。だから、一刻も早く手を打たなければならない。
まずは、各自治体がその地域に合うようなサポート体制をつくることが第一だと思う。そして、声を上げたくても上げられない、弱い立場でもある子どもをすみやかに見つけ、確実に学習や生活のフォローをする。
国籍や生まれ育ちは関係なく、子どもは社会の宝。これからの日本を、世界を力強く生きていってもらうためにも、私たちができることを確実にやっていかなければならない。それは、子どもたちの人生や将来を、明るく照らすことに他ならないのだから。
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もしサポートいただけたら、とてもありがたいです。自分をより向上させるための書籍購入や研究会、勉強会の参加費用にします。また、日本在住で中国語圏生徒達の日本語学習のフォローにあてたいです。