「鬼」の別の顔を知った私
気になる日本語に遭遇してしまった。
ドラマを見ていて、登場人物の一人が
「ちょっと~、鬼遅いんだけど!」と言ったのを聞いた私。
「鬼?鬼遅い?とっても遅いっていう意味かな?」と気になって仕方なくなり、調べてみた。
やっぱり、そうだった。若者言葉だそうだ。道理でね。全然若者ではない私は、使うことはおろか、聞いたこともなかった。
・この数学の問題、鬼難しい。
・わあ、遅刻しそう。鬼やばい!
・サッカーが鬼強い○○高校に、絶対行くぞ!
という感じで、形容詞に付くことが多いようだ。なるほどね・・・「鬼」が持つ「怖い」「恐ろしい」という語感が、「一番強い」イメージと共に、「とても」「非常に」の意味にぴったり結びつく。おもしろいなあ。新しい感覚。斬新な接頭辞の一つだな。
私なら、すでに使い古された感があるけど、「めっちゃ」を使う。
・重いものを持ったから、めっちゃ腰が痛いわ。
・このカレー、めっちゃ辛い!
これは日本語の授業では使わないけど、独り言だったり、親しい人とのくだけた会話なら、使用頻度は高い。
もはや、世の中では「めっちゃ」より「鬼○○」に移っているのかもしれない。いや、私が知らないだけで、「めっちゃ」はすでに死語になっているのだろうか?
・・・と、いろいろ考えていると
鬼かわいい豆柴が、あそこにいる。偶然でも見られただけで、鬼うれしい!
・・・のような文が、突然ひらめいた。
「鬼」と「かわいい」。
正反対の言葉のあまりにもダイナミックな組み合わせ。イマイチ世の中の流れについていけていない私の頭の中が、ちょっと溶けたアイスのような状態になっている。
うわっ、鬼ヤバ!
私は、改めて「鬼」の別の顔を知ったのだった。
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