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複雑性PTSDの治療の経過。親に対する「恨み」や「不満」との向き合い方

10代のときに、メンタル不調が現れて、それからずっと治療を受けています。

数年前に、「複雑性PTSD」という診断を受け、少しずつ快方に向かっています。

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今日は、「親や社会に対する恨み」について、思うところを書いていきたいと思います。

荒れた家庭環境で育って、気づいたときには、生きるのもつらくて。

半年間、入院したこともありました。

地獄のような日々で、

「なんで、わたしが」

と思うことも、しょっちゅうありました。

というのも、わたしは、「両親に喜んでほしい」の一心で、がむしゃらに努力し続けてきたから。

つらいことにも、耐えて、耐えて、耐えて。

自分の本音なんて無視して、とにかく、両親のため(特に、母)のために、がんばってきたんです。

ところが、気づいたら、わたしは入院していて、退院したあとに待っていたのは、無職で、薬漬けの自分。

周りの友達はみんな就職していて、自分で稼いだお金で、自由に旅行をしたり、好きなものを買ったりしているんです。

本当に、本当に、悔しかったのを覚えています。

「学生時代は、その子たちより、自分のほうががんばってたのに」

と、やるせない気持ちになりました。

まぁ、「とにかくがんばる」というライフスタイルが、病気を招いてしまったのですが。

でも、「がんばらない」という選択肢がなかったのです。

「休む」という選択肢が与えられていなかった。

もし、自分が誰かに助けを求めていたら、そうはならなかったかもしれない。

でも、そのときの自分は、助けてくれる人を見つけることができなかった。

「そうするしかなかった」から、「忍耐」と「根性」の世界で生きてきました。

「助けてくれなかった」

「わたしには、逃げ場がなかった」

両親や社会に対する不満や恨みはなかなか消えませんでした。

今は、この経験を消化できつつあるのか、不満や恨みはなくなってきました。

むしろ、感謝しているくらい。

ネガティブな経験をしたことで、得られたものも、たしかにあったのです。

(それを両親が「何事も経験だしね」などと言うのをを聞くと、「ふざけんな」と思ってしまうのですが……笑)

ただ、やはり、消化しきれない、不満や恨みはあるんです。

フラッシュバックしたときに、その気持ちがめちゃくちゃ強くなります。

「わたしは、こうなりたくて、なったんじゃない」

「真面目に生きてきたのに、なんで」

「のほほんと生きている人がズルい」

やっぱり、悔しいんです。

自分が、負の遺産を背負って生まれてきたことが。

生まれ落ちた場所によって、こんなにも、人生が変わってしまうのだと。

理不尽すぎるって、思うんです。

でも、フラッシュバックが落ち着くと、感謝の気持ちが芽生えてくる。

こんなことの繰り返しです。

よかったのは、フラッシュバックを繰り返すなかで、自分の扱いがうまくなったこと。

悔しい気持ちが出てきても、「そうだよね、そうだよね」と自分をなだめることができるようになったし、

「誰でも、何かしら苦しみを抱えている」ということが、よくわかるようになった。

実際、みんな、何かしら抱えています。

今、抱えていなくても、歳をとっていけば、病気や誰かの死などに遭遇することは、まちがいありません。

「生まれたところがよかったから、一生、何も不幸がない」なんてことは、ないんです。

(ただ、正直、「あそこまでの苦しみは、いらなかったな……」とは思うのですが……)

症状がひどかったときは、世の中に感謝なんてできるはずもなく。

する必要もないと思います。

メンタル疾患で苦しんでいる人が「死」について言及したとき、

「命は大切にしないと」

「お母さんが悲しむよ」

「生きたくても生きられない人だっているのに」

と、説教まがいのことをする人がいますが、わたしは、あまり、そういう人を好みません。

「生きたい」と思う自由もあれば、「死にたい」と思う自由もある。

行動にうつすかどうかは、別として。

「つらい人が今より幸せに生きてくれたら」とわたしは思いますが、何を思うかは、自由だと思うんですね。

「何事にも感謝」なんて、できないと思います。

渦中にいるときは。

そこで、説教するのは、なんか違うような。

でも、ひとつ言えるのは、「親や世間に対する思いも、快方に向かうにつれて、少しずつ和らいでくる」ということ。

恨みや不満が減ると、自分が楽になるんですよね。

「こんなことを思ってしまう自分がイヤだ」とも、考えなくなりますし。

自分のことに集中しやすくなる。

以前は、

「なんで、わたしが……」

とか、

「がんばって生きてきただけなのに」

と、いつもいつも思っていたのですが、今は、ときどきです。

基本は楽しく過ごして、つらいのは、フラッシュバックのときだけ。

フラッシュバックの症状も、長くて1週間程度でおさまるようになりました。

今後、何かのきっかけで過酷な状況に置かれたとき、自分がどうなるかはわかりません。

でも、今の時点では、「ちゃんとよくなっている」と思えるのです。

親や社会への不満や恨みは持ったままでいい。

でも、回復に向かう可能性も、ちゃんとあるのだと、希望を持っていきましょう。

わたしも、つらいときは、「きっといいことがある」と念仏のように唱えています(笑)。

それくらい、この疾患ってつらいんですよね(泣)。

同じように苦しんでいる人のお役に立てたらうれしいです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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