『草木鳥鳥文様』梨木香歩/ユカワアツコ/長島有里枝
「贅沢なものを味わった」という感想。梨木香歩さんが鳥と木についてのエッセイをつづり、ユカワアツコさんが古道具の箪笥の抽斗にその鳥と木を描く。そして長島有里枝さんがその抽斗を、カフェであろうところ、家であろうところで写真を撮る。
梨木さんの鳥と木についての豊富な知識と美しい文章、小道具のひなびた味わいに描かれるユカワさんの美しい絵、そして抽斗の鳥が映える長島さんのスタイリング。私は鳥のことをあまり認識できないので、鳥についてこれほどまでに文章を書けることをすごいと思うし、絵として鳥や草を描きわけ(しかも抽斗に描くなんて大変そうだ)、抽斗を美しく撮影するなんてことを考えたこともなかったから、これもプロの技だと思う。
元々は雑誌の連載だったよう。それぞれの技量をふんだんに、でもさり気なく持ち寄って組み合わされたこのページは、雑多な生活の中で読者に心豊かな時間をもたらしたことだろう。口の中でほろほろ崩れる上等ならくがんみたいに、ちょびちょびかじって気持ちを落ち着けたくなるような一冊。
『草木鳥鳥文様』梨木香歩/ユカワアツコ/長島有里枝
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